姪浜〜唐津と山本〜伊万里を結ぶ、筑肥線という路線があります。これからその筑肥線の全線乗車を果たしに行きます。その歴史的な経緯については割愛しますが、筑肥線は前述のように1つの路線が2つの区間に分断されているという珍しい路線で、全線乗車をするにあたっても、普通の路線とはその方法が異なってきます。
貝塚を12:39に発車する西新行きの列車に乗り、12:59に到着する終点の西新にやってきました。その西新で、4分後の13:03に発車する西唐津行きの列車に乗り換えます[①]。姪浜までは地下鉄の空港線ですが、姪浜から先はJRの筑肥線となり、この列車は、その筑肥線に直通する列車です。
列車がやってきました。車両は103系1500番代です[②]。103系と聞くと、今では、ほとんどの人がJR西日本の大阪環状線や阪和線で走っているものを思い浮かべるのではないでしょうか。しかしながら、このように、JR九州にも103系は在籍しています。ただ、たしかに存在感はあまりないような気がします。九州=交流電化の印象が結構強いですから、そこに103系というのは、どうも結びつきにくいものもありますしね。
姪浜で地上(高架)に出て、筑肥線に入ります。列車の運行上で重要な意味合いを持つのは筑前前原駅で、まず、姪浜から続いてきた複線区間がこの駅で終了します。また、上下列車ともに、筑前前原が行き先駅となる列車が多数設定されています。今乗車している西唐津行きの列車は、筑前前原を越えてそのまま西唐津へ至りますが、6両編成のうちの3両は、筑前前原で切り離されます。
列車は3両という身軽な編成になりました。13:35に到着する加布里では、福岡空港行きの103系の列車と列車交換を行いました[③]。地下鉄と相互直通運転を行い、通勤路線としての面も強い筑肥線ですが、この辺りまでくるとのどかな田園風景なども見られるようになり[④]、市街地や地下を走る”通勤路線”の面影もすっかり薄くなっています。
福吉〜鹿家など、玄界灘に沿って走る区間もあり[⑤]、そういう区間では、もはや地下鉄の路線から来た通勤型車両が走っていることが場違いであるようにさえ思え、そして、地下鉄の駅から1本の列車で乗り換えることなく直通して走ってきたことが信じられなくなります。
鹿家でまた福岡空港行きの列車と列車交換[⑥]。ただ、今回の交換相手は303系でした。303系という車両は、6両編成が3本製造されたのみで、また、運用路線も筑肥線と地下鉄の空港線に限定されています。その存在感については103系1500番代以上に薄いかもしれませんし、地味な感じはあります(103系はJR西日本圏内で乗ることができるので、個人的には、303系の方に乗りたかった)。
東唐津〜和多田間で川幅のある松浦川を渡り[⑦]、唐津市の中心部の方へ向かっていきます。その中心部に位置する唐津駅は、人口約12万人で、佐賀県内では佐賀市に次いで第2位の人口を抱える唐津市の代表駅であり、久しぶりに「街」と言えるだけの市街地が出現しました[⑧]。
当然、そういう駅で降りる人の数はとても多いわけでして・・・、唐津を出ると、車内はほぼすっからかんになってしまいました[⑨]。結局、そんな状態で、列車は終点の西唐津に到着しました[⑩]。やはりというか、降りた人の数は僅かでした。なお、唐津〜西唐津間は、久保田〜西唐津を結ぶ唐津線の区間となっていて、決して筑肥線ではありません。
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