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 博多駅に戻ってきました[②]。と言っても、そういえば、今日の昼間に博多駅にやってきたときは、新幹線のホームと地下鉄線のホームしか利用しませんでした。博多駅の在来線のホームに来るのは、今回の旅を通しても、これが初めてですね。ですから、「戻ってきた」と言っても、「まだ踏んでいない(見ていない)ホーム」であるために、感覚としては、博多駅とは違う別の駅に初めてやってきた、という感じです。

 ここから乗車する列車は、19:59発の大分行きの特急ソニック53号です[③]。門司港〜八代、川内〜鹿児島を結ぶ鹿児島本線ですが、小倉〜博多間のみが、未乗車の区間として残ってしまいました。ソニック号は、博多〜小倉間は鹿児島本線を走り、小倉からは日豊本線に入って大分方面へ向かうという列車です。ソニック号に博多〜小倉間で乗車し、鹿児島本線の全線乗車を果たしましょう。

 2番線にやってきました[④]。ただ、JR九州に言わせれば「2番のりば」でしょうか。この発車標を見ても分かるように、JR九州では、JR西日本のように「番線」ではなく「のりば」という言葉を使うようにしているようです。駅の自動放送も「のりば」としゃべります。
 その一方で、JR東日本は「番線」という言葉を使用しています。茨城県民(=JR東日本管内)の私としては、やっぱり「番線」という呼称の方が馴染みがあるので、このサイトでは、常に「番線」を使うように(というか、指が自然とそうキーボードを打ち込む)しています。

 これからソニック53号に乗るわけですが、今度もグリーン車に乗車します[⑤]。2列車連続でグリーン車とは、我ながらなかなか贅沢なことをしているなあ、と思いたいところですが、ハウステンボス号もソニック号も、乗車距離が100q未満なので、グリーン料金は最安の1000円が適用されます。そのため、グリーン車とは言っても、普通車指定席に乗車した場合と比べても、1列車あたり500円高いだけです。

 「お盆だから混雑するだろうな」と思っていましたから、ハウステンボス号もソニック号も、もともと自由席に乗ることは頭にありませんでした(また、せっかくの旅行だから、指定[グリーン]席にして、列車名を切符の券面に出したいという考えがある)し、かといって普通車指定席となると、「あと500円出せばグリーン車にできるな」と思ってしまいます。そう、グリーン車に乗ることは、ある意味では必然のことだったんです。

 列車が入線してきました[⑥]。ソニック号では883系と885系が使用されていますが、ソニック53号は、883系での運転です。883系はまだ1度も乗車したことがない車両なので、ここで乗ることができて良かったです。大分からの列車を折り返しで充てるのかと思ったら、車両は竹下(鳥栖)方面からやってきました。この点は予想外でしたね。引き上げ線にいたものがやってきたのでしょうか。

 車両が2番線に据え付けられ、扉も開いて乗れるようになりましたが・・・、列車に乗り込もうとしない人が多数います[⑨]。2番線からは、20:04に門司港行きの普通列車が発車することになっていますから、これらの人たちは、そっちの方を待っているんでしょう。こういう書き方をするとひねくれ者だと思われそうですが、普通列車を待つ人を尻目に特急に乗り込むという行為って、どことなく優越感を感じてしまいます。















 783系と同様、883系もグリーン車は半室となっています。座席配列は2+1で、また絨毯も敷いてあり、そこはたしかにグリーン車らしいんですが・・・、肝心の座席自体は、どうもグリーン車らしくないような・・・。何か、小さい?[①] あまり信じたくない事実ではあるんですが、このグリーン車の座席は、座席幅が430mmで、実は普通車と同じなんです。普通車と全く同じ大きさの座席というは、やっぱり感心はしませんね。

 普通車と同じ大きさの小さな座席を、本来なら2+2でも配列できるところを、無理やり2+1で配列しているため、写真では分かりにくいかもしれませんが、座席と壁の間には大きな隙間が発生しています。ゆったりはゆったりでも、「座席と壁の隙間」をゆったりとさせるのではなく、「座席自体を」ゆったりとさせてほしかったものですね。

 例え座席が小さくとも、枕でもあれば多少はましになる・・・と思っても、枕なんてありません。というか布の座席カバーすらありません。あと、座席の表地は革となっていますが、そのせいか、座っていても何となく落ち着きませんでした。また、リクライニングは電動式となっていますが、リクライニングを作動させると、機械の動作音のみならず、革同士がこすれ合う音?が生まれるのが何とも・・・。

 他にも突っ込みどころはあるんですが、まあ、正直に言わせてもらうと、「何がグリーン車なのかよく分からない」と。”ハード”がダメなら”ソフト”と思っても、もらえるものがあめちゃん1個じゃねぇ(以前は、JR九州の特急のグリーン車では、ソフトドリンクの提供があったんですが)。今回は乗車区間が博多〜小倉であり、普通車指定席との差額が500円だからまだいいですが、より差額が大きくなる区間となれば、そのときは普通車にします。

 小倉までの所要時間は46分で、その間の停車駅は、赤間・折尾・黒崎・戸畑の4駅。辺りは既に真っ暗になっているので、車窓も、暗闇か建物の灯りかというところでしたが、スペースワールド(北九州市にあるテーマパーク)の園内の夜景はなかなかでした。なお、小倉までの46分間は、今回の旅の中で蓄積した疲れもあって、ほぼずっとグロッキー状態で座席にぼけーっとしながら座っているだけでした。
 (グリーン車の客室内には、前面[後面]展望ができるスペースが設けられていますが、もう歩いてそこへ行くだけの気力もなかった)

 間もなく小倉に到着するということで、デッキに出ます[②]。デッキとグリーン車の客室内を仕切る扉には、スモークガラス(一部はただの透明)が使用されているようです。もしこれが客室丸見えな透明ガラスなら、883系のグリーン車も、いよいよ普通車そのものというところでした。

 20:45、列車は小倉に到着しました[③]。この小倉では、想像以上の数の人がソニック53号に乗り込んでいました。まあ、考えてみれば、人口約97万人の北九州市に住む人が乗車するだけでなく、新幹線からの乗り換えで乗車するという人もいるわけですからね(むしろ、後者の方が数としては多いかも知れない)。


















 ソニック号は小倉駅で進行方向が変わります。大分方面行きの下り列車の場合、博多〜小倉間では、グリーン車がある1号車が最後尾の車両となりますが、小倉から先は、終点の大分まで、その1号車が先頭車両となって走ります[②]。列車は小倉に2分停車し、発車していきます[③]

 小倉からは新幹線に乗りますが、新幹線乗り換え改札口へと向かう途中、このようなものを見つけました[④]。ビルと小倉城、そしてN700系が描かれているという絵ですが、「使用済み切符10万枚で作った作品です」とあります。遠目に見るとそういう感じが全くしなかったので、絵に近寄って確認してみると、たしかに橙色の地紋の近距離切符が使用されていました。

 私がこの絵について凄いと思うことは、「それらしいもの」ではなく「それそのもの」になっているということです。例えば、「50th Anniversary of KITAKYUSHU in 2013」という文字は、誰が見ても”そう書いてある文字”として認識できますし、小倉城やN700系も、輪郭がはっきりとしていて、”お城のようなもの”とか”新幹線のようなもの”ではなく、”お城” ”新幹線”として、誰からも間違われることなく認識されるはずです。

 新幹線ホームにやってきました。これから乗車するのは、21:08発の新大阪行きのひかり444号です[⑤]。ホテルやマンションであれば、こんなものは最も忌避すべき番号だと糾弾されそうな「444」が号数という列車です。そういえば、鉄道では、4や9を避けるといった風習は全く見かけませんね。


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