●2月2日●
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 ドラマチック・ナイト・トレイン。一昔前の夜行列車は、仕事や出張でもよく使われていましたが、北斗星号の乗客層は、そのほとんどが観光利用の人でしょう。ロイヤル、シャワー、ロビー、上質な食堂車・・・。誰もが「乗ること」自体を楽しんでいて、多少の遅延に対しては、誰も文句を言いません。そんな北斗星号で過ごすひとときは、まさに「ドラマチック」な時間と言えるでしょう。

 1:30ごろに床に就き、起床したのは朝の6:30ごろ。列車は仙台、福島を既に過ぎていて、あと10分ほどで郡山に到着しようかという頃です。郡山に到着するのは6:38で、開放B寝台車からだったでしょうか、ここで降りる人もいました。上野(東京)対札幌で考えると、航空機の方が圧倒的に便利ですが、郡山や函館などの途中駅で乗降する場合は、北斗星号も便利な移動手段となりえそうです。

 郡山発車後、朝食を食べるために、食堂車へ向かいました。上りの北斗星号のモーニングタイムは、6:30〜8:30の間で営業します。下りは札幌到着が11:15と遅いこともあってか、営業時間は、6:30〜10:30と長めになっています。なお、上りの北斗星号は、冬季に限り、通常は上野9:38到着のところが、10:05到着に変更されますが、モーニングタイムの営業時間の延長はないようです。

 昨晩のパブタイムの混雑のことがあったので、「モーニングタイムは始まったばかりだけど、もう満席になっているだろうか・・・?」という疑問を持ちつつ、食堂車への扉を開けました。実際には、お客はまだ少なく、ロビーで待つ羽目になったパブタイムのときとは異なり、すぐに空いているテーブルへと案内されました。いやあ、良かったです・・・。

 北斗星号の朝食は、和朝食または洋朝食のどちらかを選択します。価格はどちらも1600円(当時)で、差はありません。今回の旅日記を最初の方から読まれている方はご存知のことかと思いますが、行きの北斗星号では、和朝食を選択していました(ルームサービスでお願いし、自室で食べましたね)。というわけで、ここでは、迷うことなく洋朝食を選びました。

 洋朝食はその名の通り、パンやソーセージ、厚切りハムなどの洋料理が出てきます。行きに和朝食、帰りに洋朝食を食べた者として言わせてもらうと・・・、価格が同じ1600円であるということを考えると、洋朝食の方がお得(値段に見合っている)だと思います。具体的に説明するのはなかなか難しいんですが・・・、両者を比べてみると、何となく、和朝食の方が割高感を感じました(洋朝食には、和朝食にはないリンゴジュースがついてくる)。

 行きの北斗星号ではロイヤルを利用していたため、パブタイムも朝食も、ルームサービスによって自室で食べましたが、やはり、食事をするのは、食堂車の方が良いですね。A寝台利用者の特権であるルームサービスを活用するのも、もちろん悪くはないです。しかし、やはり、「食堂」として製造・整備された専用の車両、「食堂車」の独特な雰囲気、居心地、快適さは、捨てがたいものがあります。

 朝食を食べ終わった後は、便所で用を足し、そしてロビーへ向かいました。ロイヤルならば部屋も広いですし、自分の部屋に居続けても快適に過ごせますが、あのソロの狭さでは、やはり快適に過ごせるとはちょっと言い難く・・・。こういうとき、「息抜きの場」としてロビーやサロンの類があることに、大きなありがたさを感じます(旧北斗星3号・4号のような全室タイプだとなお嬉しいんですがね)。

























 「上野まではまだ時間も距離もある」とずっと思っていましたが、いつの間にか、宇都宮にまで達していました。宇都宮まで来ると、普段から見慣れているE231系などとも遭遇するようになり、旅気分はだんだん薄れてきて、現実に引き戻されるような感覚が走ります。

 通常、上りの北斗星号の上野到着は9:38ですが、冬季(12月半ば〜3月末?)は、10:05着に変更されています。札幌〜宇都宮間のダイヤには変更はありませんが、宇都宮から先のダイヤが変更されています。本来ならば小金井で、先行する上野行きの普通列車を追い抜くところが、冬季ダイヤでは、終点の上野まで追い抜きは行わず、その普通列車の続行運転となります。

 この理由については諸説あるようですが、「冬季は遅延の確率が高いため、その遅延を吸収できるようにしている」とか、「北の方で車体につけてきた雪が、暖かい関東圏で落下し、バラストを巻き上げてしまうことなどを防止するため」などと言われているようです。

 ただ、極端にノロノロ運転になるということはなかったように記憶しています。何も知らされず、これが北斗星号の普通の走りです、と言われても、特に疑いを持つことはないであろうという走りでした。

 正直、狭苦しいソロの中にはあまりいたくないと思っていたので、車内を適当にぶらついていました。11号車は緩急車で、編成の内側に車掌室側が向くように組み込まれているため、貫通扉にあるテールマークを眺めることができます。A寝台個室ツインデラックスでは、ロイヤルのようなモーニングコーヒーのサービスはないようですが、朝刊のサービスはあるようで、読売新聞が部屋の前に置かれていました。


















 8:45ごろになりました。食堂車はモーニングタイムの営業も終了し、列車運転中にある3つの営業時間帯、ディナー、パブ、モーニングの全てが終わりました。上り北斗星号の食堂車の営業は、これで終了しました。

 「最後の営業が終わった後の食堂車はどんな感じなのだろう?」という疑問が湧いてきたので、7号車にある食堂車へ向かいました。「最後の後始末でもしているのかな・・・」と思ったら、それよりも一歩先を進んでいて、今晩の下り列車のディナータイムのための準備が進められていました。箸や手拭きなどをテーブル上に置き、それをテーブルクロスで包む・・・、という作業を繰り返していました。

 ディナータイムの準備作業なんて、私はてっきり、尾久に回送された後に、車両基地の中で行うものだと思っていました。まだ上り列車として営業運転を行っている最中なのに、その中で準備作業を進めてしまうとは・・・。意外でしたね。

 このとき、私は、6号車側の壁に、掛け時計があることに気がつきました。行きの北斗星号の食堂車には、こんなものはなかったのに・・・。

 で、ちょっと調べてみました。現在、北斗星号用の食堂車は、スシ24-504〜507の計4両が在籍していますが、このうち、スシ24-507にだけ、このような掛け時計があるそうです。また、行きの北斗星号の食堂車はスシ24-506でしたが、506と507では、レジ部分の壁の欠き取りに違いがあるということに気がつきました(504と505がどのようになっているかは分かりません)。こういう「同じ型の車両にある違い」って、私、好きなんですよねぇ。

 その後、いったん自分の部屋へ戻りましたが、部屋の扉を開けると、その狭さに思わず絶望してしまいました。「住めば都」なんて言いますが、正直、外から部屋の中を見ているだけでも、この狭苦しい空間に居続けるなんてとてもじゃないができない、と思わずにはいられませんでした。もちろん、眠るための場所としては十分なんですが、日中、起きているときにいる場所としては、やっぱり・・・。

 大宮には9:32に到着します。郡山、宇都宮と同様、ここで降りる人は、やはり一定数ありますが、大宮で降りる人の中には、湘南新宿ライン経由で、横浜や大船などの神奈川県方面へ向かう人もいるかもしれません。
















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