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 ご存知のように、はまなす号は、函館で進行方向が変わります。青森を発車した時点では、各座席は、函館向きにセットされているので、函館から先は、逆向きとなってしまいます。となると、函館で座席を回転させる必要が出てくるわけですが・・・、何せ今日は満席で、しかも寝入っている人が多いということもあって、座席を回転させることはできませんでした。

 一方、満席だと聞いていたのに、函館を発車した後、6号車ドリームカーにいくらかの空席があるのが目につきました。青森→函館だけで利用する人もいるでしょう(現に、私の1つ前の座席の人は函館で降りていきました)が、満席と言うくらいですから、函館から乗ってくる人もそれなりにいて、座席は埋まるはずです。ただ、その割にはあまりにも空席が目立ちすぎていました。

 そして私は、3番C・D席が並びで空いているのを発見しました。その席について、車掌にちょっと尋ねてみたところ、「函館から乗ってくる予定になっているが、どうやら乗ってきていないようだ。そこの座席の指定席券を持つ人が来たら譲ってもらうが、それまでは使ってくれていい」という回答を得られたので、窓側のD席に移動し、隣の席にも人がいないという環境でゆったりと過ごすことにしました。

 急行列車ですが、青森〜苫小牧間の停車駅は限定されています。この間の停車駅は函館、長万部、東室蘭のみと、特急列車が停車する蟹田や木古内、森、八雲、登別といった駅を平然と通過します。また、一部区間ではかなりの速度を出すようで、深夜、DD51形の牽引速度の限界である95km/hを出しているんじゃないか、と思うくらいに飛ばしている区間がありました。

 長万部には3:07に到着しますが、このとき、列車はかなりのスピードを出しながらホームに進入しました。「停まりきれるのか?」と思ったところ、案の定、途中から夜行列車らしからぬ強いブレーキを使用し始め、車両全体が大きく揺れるのがはっきりと確認できるくらいの急停車となりました。指定席車両には誰も乗ってこなかったようですが、自由席車両には、何人かの乗車があったのが確認できました。
 普通の人は、3時台に列車になんか乗らないでしょうし、やはり、長万部1:03着の上りのはまなす号からの折り返し乗車組だったのでしょうか・・・。

 アイマスクを着用するなどして、何とか眠りに就こうと試みましたが・・・、私には、座席の夜行列車というのは向いていないのか、結局、1時間30分ほどしか眠れませんでした。で、そのまま朝を迎えてしまいました[①]。雲ひとつない快晴の青空に、水色と橙色のグラデーションが生み出され、ほのかな暖かさを伝える朝陽を放つ太陽がゆっくりと浮き上がってくる光景は、長旅の始まり方としては、これほど気持ちの良いものも他にありません。

 苫小牧、千歳あたりで、通勤・通学客と思しき人たちを何人か拾いました。下りのはまなす号は、苫小牧・千歳方面から札幌方面への初発列車でもあります。急行券を買い足せば、定期券でも乗車できるので、朝のライナー代わりに使ったり、朝イチの列車として使ったりするという乗り方も定着しているようです(野球部の人たちも乗ってきましたが・・・、急行列車で試合に行けるなんて羨ましいですよ!)。

 そして終点の札幌に到着[②]。手提げかばんやリュック1つ程度しか持ち合わせていない軽装の人が多く見られるのが、やはりはまなす号の特徴でしょうか(北斗星号などでは、こうはいかないでしょう)。今日は日曜日ですし、それこそ、苫小牧や千歳から、若い人たちを中心に、軽装で札幌に遊びに来た人たちもいたのかもしれません。

 はまなす号を「外から見たときの見どころ」のひとつは、14系寝台車、24系寝台車、14系座席車、14系カーペットカーの(良くも悪くも統一感のない)混成編成ですが、個人的には、14系の排煙も加えておきたいところです[④]。通常期の7両編成のうち、1号車のスハネフ14、3号車・7号車のスハフ14が、それぞれ発電機を持っていて、灰色の煙を立ち昇らせています。これが3か所で見られるというわけです。

 北の大地・・・、津軽海峡を挟み、本州からは独立した巨大な島・・・。北海道というところはそういう地ですが、はまなす号が走ってきたこのレールを辿ると、眠っている間に津軽海峡を越えて、本州と北海道を行き来することができます[⑦]。北海道新幹線が新函館北斗まで開通すると、「眠っている間に」とはいかなくなるのでしょう。新幹線で津軽海峡を越えるのも夢がありますが、夜行列車で津軽海峡を越えるのは、もっと夢があります。

 1号車の寝台車は、白帯を巻いた14系です[⑨]。2号車と増21号車は、金帯を巻いた24系の寝台車が連結されます。急行列車に金帯の客車というのもなかなか妙なものなので、テールマークを掲げてしんがりを務めるのは、白帯の14系の方がふさわしいと言えるのかもしれませんね。

 回送列車となったはまなす号は、6:25ごろにホームを出ていきました[⑩]。さあ、いよいよ晩夏の北海道旅行の始まりです!



















 札幌という駅は、時に北海道らしくも思え、時に北海道らしくないとも思えます。JR北海道は、札幌圏の通勤・通学輸送と、札幌と道内各地を結ぶ特急列車が収益の軸ですが、札幌駅では、多くの人を乗せた通勤・通学列車が次々と発着する光景を見ることができるとともに、道内を走る特急列車の全種類を目にすることができます。そのような意味では、実に”北海道らしい”です。

 一方、「北海道」と聞いて人々が想像するのは、どのようなものでしょうか。もちろん、降雪地帯にありながら、人口約193万人を抱え、大都市として発展した札幌の街並みも、想像しうるもののひとつですが、やはり、広大な原野であるとか、農村地帯とかを思い浮かべる方も多いことでしょう。あまりに近代的に整えられている札幌駅は、そのような意味では、”北海道らしくない”とも言えます。

 4番線には、はまなす号が停車している間に入線してきた、6:36発の特急スーパー北斗2号が停車しています[③]。札幌から室蘭・函館方面へ向かう最も早い特急列車です。札幌6:36発ということで、キハ281系が普通にきちんと走れば、函館には9時台に到着できそうですが・・・、事故連発による減速運転などもあって、その走りは遅く、函館着は10:14となっています。

 札幌から乗る列車・・・、”道内最初の列車”は、6:51発の特急スーパーカムイ1号です[⑤]。スーパー北斗2号と同様、札幌から旭川方面に向かう最も早い特急列車です。7:21発に網走行きの特急オホーツク1号がありますが、車両性能の違いもあり、札幌〜旭川間の所要時間は、同じ停車駅で、スーパーカムイ1号が1時間25分となっているのに対して、オホーツク1号が1時間39分となっています。

 JRグループでは、毎年3月にダイヤ改正を行っていますが、近年は、JR北海道はそれに参加せず、独自にダイヤ改正を行うことが増えているように思います。今年も、8月30日に、JR北海道だけが、単独でダイヤ改正を行いました。札幌駅構内には、そのポスターが貼り出されていました[⑥]。でも、そんなに貼らなくてもいいと思うんですよ。なにも、こんな感じに横にバーッと並べなくたってねぇ・・・[⑦]。1枚でも言いたいことは分かります。

 今日のスーパーカムイ1号は、785系での運転です[⑨]。789系1000番代と785系は共通運用なので、どちらに当たるのかは運次第です。  















 個人的に、スーパーカムイ号という列車は、常時それなりに混雑しているという印象があります。まあ、それは5両という編成に短さにも起因しているところではありましょうが。今回は美唄までの乗車で、乗車時間は35分と短いので、指定席券はとっていません。自由席はどれくらいの混雑であろうか・・・、と思いながら自由席車両に乗り込みましたが、ガラガラでした[①]

 平和を過ぎると、千歳線と別れます[②]。千歳線は高架となりますが、函館本線は、引き続き地上を走ります。江別までは、札幌市の住宅地として広がった地域を走っていくような感じですが、江別を通過し、石狩川を渡ると、広大な田園風景が見られるようになります。今年の1月・2月に来たときは、一面雪で真っ白に覆われていたのが、今は、黄金色に覆われています[③]

 そして7:26に美唄に到着[④]。乗る人も降りる人もいましたが、いずれも、それほど多いものではありませんでした。


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