三笠鉄道記念館の敷地内には、”ミニ新幹線”が通っています。まあ、親子で乗る、よく見るアレです。車両は300系です。このミニ新幹線の線路ですが、実物の車両を展示しているエリアの中を縫うように敷設されているので、実物の鉄道車両の横を、それよりもはるかに小さいミニ新幹線が通るという光景が展開されます[①]。なお、列車は予告なく突然やってくるのでご注意。間違っても、線路上にとどまって写真は撮らないように・・・。
駐車場にはキロ26が置かれていましたが、敷地内には、先頭車であるキハ56、キハ27の2両が置かれています[③]。乗務員扉の脇のタブレットキャッチャーも、撤去されることなく残されています。ただ、こうなると、キロ26だけが離れた場所に置かれてしまっているのが残念ですね。敷地の広さの関係で、3両編成組ませて展示するのは難しいとしても、どうかキハ56とキハ27の近くに置いてあげてほしいものです。
旧幌内線の廃線跡は、線路が全て撤去されてしまったということはなく、一部(約2.8km)は残され、トロッコで辿ることができるようになっています。その線路が敷地内を通っています[⑥]。また、この写真に写っている線路のうち、手前側を通り、10km/hの速度制限を受けて右奥へと消えていく線路は、蒸気機関車の列車が通る線路として使われています。
トロッコでの廃線跡巡りは、牽引されるトロッコで巡るやり方と、自分でトロッコを運転して巡るやり方の二種類があります。後者の場合は、普通運転免許を所持していなければならないという制限がありますが、鉄道ファンであれば、やはり自分でトロッコを運転したいと思うものでしょうか。なお、私は結局、どちらもやりませんでした(時間が足りなかったうえに、案内をしている公式サイトがぐちゃぐちゃで、情報をよく掴めなかったので)。
レンガ造り風の機関庫がありますが、その中には、ED76形[⑬]やDD13形、蒸気機関車が収められています[⑭]。屋外に置かれている車両と違って、雨風を受けないで済むので、保存環境としては良いと言えそうです。
食堂車の開店時間である11:00を過ぎたので、このあたりで、食堂車へと向かいました。どうせここを訪れるなら、やはり食堂車で昼食を食べなければ、という思いがあり、クロフォード公園を訪れる目的がキハ80系に会うことであったように、三笠鉄道記念館を訪れる目的が、いつしか、キシ80の食堂車で昼食を食べることになっていました。
日曜なので混み合っているかな(と言っても。土日祝日しか営業しないのでどうしようもないんですが)・・・と思いながら店内へ入ってみると、先客が1人いただけで、とても空いていました[⑯]。ああ、良かった。
正直に感想を申し上げると・・・、まあ、ちょっとがっかりしたというのが本音ですね、キシ80を食堂車(レストラン)として活用していると聞いていただけに、「往年の特急おおとり号で昼食を食べられる」といったようなものを想像していたので、天井や壁、照明、カーテンなどが、現役時代とは全く異なる状態になっていたのは、残念なことでした(その点から行くと、交通科学博物館のナシ20は、現役時代の状態に近いものでした)。
車体の塗装が、国鉄色のようでそうでない、何だかよく分からないものになっているというのもなかなか残念ですが、やはり、何より、内装がきれいすぎますね[⑰]。壁や天井はこんな真っ白で綺麗であるはずがないし、照明も、こんな一般家庭で使用されているような小奇麗なものであるはずがありません。そのような改装を施しておきながら、なぜかテーブルにレースがかかっていないというのも、食堂車の雰囲気を損なうようで、ちょっと残念。
全ての窓にカーテンがかかっていたので、私が座ったところのカーテンを少し開けてみました[⑱]。在来線の昼行列車の食堂車が最後まで残ったのは、北海道でした。特急おおとり号、特急オホーツク号の食堂車がその最後の生き残りとして残存し、1986年11月のダイヤ改正まで営業を続けました。キシ80で食事をしながら眺める車窓はどんなものだろう、と想像してしまいました。
ここでちょっと食堂車に関する思い出話を。生まれた時代が生まれた時代なので、私は、在来線の昼行列車の食堂車というものを体験したことがありません。その最後であった特急おおとり号、特急オホーツク号の食堂車が1986年11月のダイヤ改正で廃止されているので、まあ当たり前ですね。また、昼行列車の食堂車という括りでも、100系「グランドひかり」の食堂車を1回利用したことがあるだけです。それは人生初の食堂車でした。
グランドひかりの食堂車の営業が休止されたのは2000年3月(2002年のさよなら運転で復活したが、そんなものに乗りに行ったわけがない)のことでしたから、それまでに利用しに行ったとなると、少なくとも4歳以下であったことはたしかです。カレーライスを食べたものの、その辛さに途中で降参し、残った分を母に食べてもらったことは記憶しています。
人生2度目の食堂車は、2008年1月に乗車した、当時の北斗星1号のモーニングタイムでした(なぜかパブタイムは行かず)。当時の北斗星1号は、JR北海道の担当でした。JR北海道所属の北斗星用スシ24は、木目調の内装で、真っ赤な絨毯とカーテンを持ち、赤い傘をつけた大型のシェードランプと、壁に埋め込んだステンドグラスが特徴的な、現在のJR東日本のスシ24よりも幾分こってりとした、豪華なつくりの車両でした。
その後、3度目の食堂車を、2012年1月に乗車したカシオペア号で、4度〜6度目を、2014年1月〜3月にかけて乗車した北斗星号で経験しました。まあ、とにかく、生まれる時期が悪かったですね。あと15年早ければ(結構な年数ですね・・・)、おおとり号やオホーツク号の食堂車には間に合わなくとも、九州行きの寝台特急の食堂車は利用できたかもしれません。
さて、そんなわけで、「グランドひかりの食堂車でカレーライスを食べた」ということを思い出したので、今回、このキシ80の食堂車「キッチンポロナイ」では、あの懐かしき思い出を呼び起こすべく、カツカレー(700円)を注文しました[⑳]。グランドひかりで食べたのは、カツカレーではなく、普通のカレーライスだったと思うんですが、まあ普通のカレーライスじゃ物足りなさがあるということで。なお、普通のカレーライスも400円で販売されています。
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