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 福山〜新倉敷間の山陽本線を乗車することが目的だったので、それが済んだからには、とっとと福山へ帰るのみです。用を足したら、新幹線ホームに移動し、11:56発のこだま739号に乗車します[①]

 新幹線の英訳といえば「Super Express」が一般的ですが、ホームにある発車標には、「Express KODAMA 739...」と流れていました[②]。各駅に停車していく、事実上の「新幹線版普通列車」には、Super Expressの肩書は授けられないということか。しかし、新幹線である以上、まさかLocalとするわけにはいきませんから、両者の間をとってExpressとした、というところでしょうかね。

 700系E編成によるこだま739号がやってきした[③]。500系が日本最速列車から一気にこだま号へ都落ちしたことが話題を呼びましたが、いわゆる「ひかりレールスター」は、九州新幹線の博多開業に合わせて、N700系R・S編成によるさくら号に置き換わったため、主にひかりレールスターで活躍していた700系E編成も、こだま号運用という閑職に追いやられました(下り1本、上り2本のみ「ひかりレールスター」が残存)。

 山陽新幹線で運転される8両編成のこだま号は、普通車全車自由席である場合を除き、基本的に1〜3、7、8号車が自由席です。500系の場合、座席が2+2配列になっているのは、指定席となる4〜6号車のみですが、700系・N700系の場合、4〜8号車が2+2配列となっています。この結果、7・8号車は、自由席でありながら2+2配列の座席となっているという、少しお得感のある車両となっています[④]

 新倉敷を発車したこだま739号ですが・・・、車内の情報表示機に、「山陽本線は大雨のため運転見合わせが云々」などという、何やら不穏な情報が流れていました。この後、福山から山陽本線を西進していくので、その山陽本線に何か問題があるとなると、私としては非常に困ります。その一方で、こだま739号はとても快調に走っていましたが・・・、あるトンネルを抜けると・・・、おお、何たる豪雨![⑥]

 列車は豪雨に見舞われる福山駅に定刻に到着しました[⑦]。これほどの雨が降っていてもきちんと走るところは、さすがに新幹線です。



















 物凄い大雨です[①]。大小様々な雨粒が絶え間なく落ちてきて、700系の車体に打ち付けられています。写真ではちょっと伝わりにくいかもしれませんが、このときは、本当に大変なまでの大雨になっていました。

 のぞみ17号が追い抜いていきます[③]。豪雨を切り裂いて走る16両編成のN700系は、雨のしぶきを煙のように立ち上らせながら、まるで白蛇が駆け抜けるかのように目の前から走り去っていきました。新幹線の通過シーンの迫力は、悪天候の日では2倍にも3倍にもなります。

 ・・・で、結局のところ、山陽本線はどうなっているのか? 福山駅の案内表示によると、「大雨のせいで三原〜白市間で運転見合わせ。運転再開の見込みは立っていない」とのことでした[⑤]。 長い旅ですから、どこかで遅延や運休に遭遇するかもしれないとは思っていましたが、その一方で、「今までの旅はなんだかんだでうまくいってきた」のも事実でした。こんなことになろうとは・・・。

 「運転再開の見込みは立っていない」とのことですが、何よりも、まずこの大雨がやまないことには、運転再開の可能性は見えてきません。「ゲリラ豪雨かなんかで、実はもうやんだんじゃないのか」と思いながら駅前に出てみましたが、現実は厳しい[⑥] [⑦]。雨がやむ気配は一向にありません。まあ、三原以西では既に雨が上がっている、という可能性を信じるしかありませんね・・・。

 さて、この後、私は広島まで山陽本線に乗車する予定ですが、いったいどのような行動をとるべきなのでしょうか?

1. 福山から広島まで新幹線に乗る(山陽本線がどうなるか全く読めない以上、これが一番「安全」ではある)。
  2. 平常運転をしている三原まで山陽本線に乗り、そこから広島まで新幹線に乗る(未乗区間の福山〜三原間を乗車しつつ不通区間を回避)。
    3. 三原まで山陽本線で移動し、そこで運転再開を待ち、広島まで山陽本線で乗り通す(福山〜広島間を予定通りに乗り潰せる)。
※新尾道、東広島は山陽本線と接続していないため、新幹線に乗る場合、不通区間を越える分「だけ」を新幹線に乗ることはできない。

 福山駅3番線にやってきました[⑨]。私が選択したのは、3番の選択肢でした。やはり山陽本線の福山〜広島間の乗車を果たしたいですし、今後予定よりも遅い列車に乗ることになろうとも、宿に辿り着くことは可能であると判断したためです。とはいえ、目安程度の「●●時●●分運転再開予定です」などの情報すらなく、「運転再開見込みは立っていない」という状況のままにこの決断を下すのは、なかなかの勇気が要りました。














 とりあえず12:51発の三原行きに乗車します[①]。予定表では、この列車に糸崎まで乗車し、糸崎で岩国行きに乗り換えることとなっているので、ひとまず糸崎までの乗車としておきます。途中で事態が好転することを祈りつつ、乗り込みます。

 雨は相変わらず降っています[②]。向こうに山陽新幹線の高架橋が見えていますが、山陽新幹線は、一部の列車に遅れこそあるものの、全線で運転が続けられています。山陽新幹線に限らず、全国的に言って、在来線と比較すると、新幹線は本当に悪天候に強いですね。

 大雨の影響を被っているのは山陽本線だけだはないようで、現在、福塩線や芸備線(東城〜備後落合)なども、大雨を原因として運転を見合わせているとのことでした。どちらの路線も今日通ってきたばかりです。幸い、運転見合わせになる前に通過してきましたが、もしより遅い時間帯に通過することになっていたら、今頃は大変なことになっていました(特に芸備線で引っかかっていたら、旅程は完全に崩壊していたでしょう)。

 福山を発車した時点では、まだまだ大雨が降っていましたが、いつの間にか、空が明るくなっていました[③]。新たな情報を掴むべく、適宜、列車の運行情報を確認していますが、何か変化は起きていないだろうか・・・と思いつつ運行情報を確認してみると、内容が更新されていました[④]。それによると、「三原〜白市間の運転再開見込みは14:00」とのこと。空も明るくなってきましたから、向こうも既に雨はやんでいるのかも。

 三原の列車行きですが、予定通りに糸崎で下車しました[⑤]。運転見合わせの区間がほぼ眼前に迫っている一方で、14:00ごろには運転を再開すると案内されています。今の状況を知りたい人も多いようで、4425Mの車掌に尋ねる人の姿も・・・。


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