翌朝。今私が向かっているのは、長崎駅ではありません。長崎駅がある方向とは逆に向かって歩いています[①]。時間帯的には、ちょうど通勤ラッシュ真っ只中というところのようで、行き交う車と人の数が非常に多いです。平日の朝の県庁所在地は、やはり都市としての活気に満ちています。
長崎市は別名「坂のまち」。市内の街並みを見てみると、山の斜面に相当する部分にも住宅街を広げており、たしかに坂が多い街であることが分かります[②]。さすがにマンションなどは平地にしか立っていませんが、一軒家は、低いところから高いところまで、広い範囲に建てられています。県庁所在地、すなわち、規模の大きな都市でありながら、「土地の確保」には苦労する街であるということが分かります。
で、私がやってきたのは「長崎港ターミナル」[③]。36ページで、ホテルについて記述している部分に、「ある事情により、価格以上に、立地を重視する必要がありました」と記しましたが、これは、翌日に長崎港に行くことが理由でした。あまりにも駅に近いホテルを選ぶと、翌日、港に行くときが大変です。しかし、港に近すぎると、今度はホテルへ行くときが大変です。長崎でのホテルは、駅と港の中間点くらいに位置しているものを探しました。
所要の手続きを済ませて受け取ったものがこれ[④]。そうです、これから私が向かうのは、今何かと話題の端島、通称「軍艦島」。せっかく九州へ行くのだから、これは軍艦島に行かないわけにはいかないだろう、ということで、「完全に乗り鉄に偏重した旅」における唯一の観光要素として、軍艦島への来訪が組み込まれました。まあ、さすがに、旅の頭から尻まで列車列車列車というのは、ね。
なお、軍艦島が世界遺産に登録されたのは7月5日ですが、私が軍艦島の上陸ツアーの予約を行ったのは、それよりも前の6月15日のことです。「世界遺産に登録されたから行こうと思った」という手の人間ではないということについて、お見知りおきを。
「マルベージャ3」と書かれたクルーズ船に上陸します[⑤]。乗船するように指示されると、今日のクルーズに参加する人たちが、次々と船に乗り込んでいきます[⑥]。今日は8月20日、予約したのは6月15日ということで、2か月以上も前に予約を行ったわけですが、この8月20日には空きがあったものの、8月中のそれ以外の日は、2か月以上前でも満席多発で、軍艦島の人気ぶりがうかがえました。
軍艦島への上陸にあたっては、風速5m以下、波高0.5m以下、視程が500mを超えることなど、いくつかの条件があります。国旗を見る限り、とりあえず風は穏やかそうに見えますが・・・、「外から見ただけで上陸できなかった」なんてことになったらどうしましょう[⑦]。
なお、今回は「やまさ海運」が主催する上陸ツアーに参加しました。この旅日記で軍艦島上陸ツアーについて書かれることは、全て「やまさ海運のツアーでのこと」であり、他の会社が主催するツアーの場合、ここに書いてあることとの相違点が多数出てくるであろうことをご承知おきください。
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