Page:4

※各画像はクリックすると拡大します。










 東舞鶴行きの普通列車に乗車し、終点の東舞鶴を目指します。小浜線は125系しか走っていないため、これから乗車する列車も、やはり125系による運転です[①]。単一形式しか走っていないという点では「つまらない」とも言えるかもしれませんが、逆に「当たりはずれ」を考える必要がないとも言えます。小浜線の場合、比較的新しい125系で統一されているため、当たりしかない路線と言うことができます。

 小浜の次は勢浜ですが、この勢浜付近で、さっそく海が見えてきます[②]。いかに海が見えているといえども、小浜線に乗り慣れている地元の方々にとっては「見慣れた車窓」であるわけで、特に注目しようとはしないわけですが、私と同じようにこの海の眺めを写真に撮る人たちも何人かいて、そういう人たちを見ると、「ああ、同族か」と・・・(笑)

 小浜線は海に近いところを通っていますが、道路は、小浜線の線路よりも更に海に近いところを通っています[③]。眺めの良い区間を走っていると気持ちが良いことは、鉄道でも車でも変わりません。車窓は旅を彩る重要な要素です。

 9:09、若狭和田に到着します[④]。これのひとつ前は若狭本郷、ひとつ先は若狭高浜であり、都合3駅連続で若狭を冠する駅が続いていることになります。この駅名標のひらがな表記の部分を見てみると、「わかさ わだ」と、わかさとわだの間に空白が入っていて、「若狭和田」というひとつながりであるというよりは、「若狭+和田」であることが分かります。地元では「和田」と呼ばれていることでしょう。

 若狭高浜で列車交換を行います[⑤]。列車交換を行う場合、片方の列車が先着し、もう片方の列車が到着するまで数分待つということが多いですが、こちらの東舞鶴行きは若狭高浜9:14着9:15発、あちらの敦賀行きも9:14着9:15発であり、無駄な待ち時間を発生させない設定になっています。

 終点の東舞鶴駅は高架駅となっています。東舞鶴駅周辺の市街地が始まる辺りから高架区間が始まり[⑥]、単線の高架線を進んでいきます。やがて列車は市街地のほぼ中心にある東舞鶴駅の2番線に滑り込み、926Mの旅路が終わります[⑦]
















 125系が到着した隣の1番線に、全身を深緑色に塗りたくられた113系が鎮座しています[①]。上品とも下品ともつかない色合いをしているこの113系は、東舞鶴9:46発の福知山行きの普通列車です[②]。綾部〜東舞鶴間を結ぶ舞鶴線を走破した後、山陰本線に乗り入れ、福知山駅まで向かうという列車です。これに乗車して終点の福知山を目指します。

 東舞鶴を発車して最初に停車する駅は西舞鶴です。ここは北近畿タンゴ鉄道、もとい、京都タンゴ鉄道と接続している駅で、同鉄道で運用される車両を見ることができます[③]。また、西舞鶴を発車すると、現在は定期運用のないKTR001形の姿が見られました[④]。ハイデッカーに大きな窓、流線型の車体と、JRの特急型車両も顔負けのデザインと高品質さを持ち合わせていますが、前述のように、定期運用はありません。

 ここまで、雨ないしは曇りという天気でしたが、青空が見えてきました[⑤]。今日はもともとそこまで天気が悪いとは聞いていなかったので、朝ホテルを出た後、果たして今日はこんな天気であるはずだっただろうかと思ってしまいましたが、ようやく持ち直してきたようです。

 綾部からは山陰本線に乗り入れます。綾部〜福知山間は複線区間であり、上り線の線路が出現します[⑥]。綾部を出ると、列車は高津、石原(いさ)に停車し、終点の福知山に到着します[⑦]。所要時間は43分、走行距離も38.7kmしかありませんでしたが、綾部〜東舞鶴間は舞鶴線という1つの路線になっており、この列車に乗っていた過程の中で、またひとつ完乗路線を増やすことができました。























 福知山駅です。私は、2010年8月に山陰本線を全線乗車することを目的とした旅を敢行しましたが、そのときにも福知山駅で下車をしており、5年ぶりの福知山駅来訪ということになります。今回の旅では、このように、過去に1度訪れた(降りた)ことがある駅を再度訪れるという場面も結構多く、そのたびに懐かしさを感じることになりました。

 高架駅となっている福知山駅は、中も[②]外も[③]きれいです。バスやタクシーとマイカーを分離したロータリー(北口)も整備されており[④]、駅本体のみならず、駅前もまた機能的に整備されています。北口の駅前にはJR西日本福知山支社があり、屋上には切符のインターネット予約を推奨する看板を立てており、鉄道業の宣伝を忘れずに行っています[⑤]

 駅舎の壁には「福知山駅」との表記がなされていますが、京都丹後鉄道のロゴは、北口では、北近畿タンゴ鉄道時代の「KTR」のままとなっていた(取り換えていない?)のに対し、南口は「丹鉄」となっていました[⑥]。もっとも、北近畿タンゴ鉄道も消滅してしまったわけではなく、鉄道施設のみを保有する第三種鉄道事業者として存続していますが、そのことを踏まえてのKTRロゴの存続であるならば、なかなか粋なことをしていると思います。

 雲っていて太陽が出ていなかったときはそれほどでもありませんでしたが、太陽が顔をのぞかせてきたことで、一気に暑くなってきました。しかも、今回の旅より、これまでスーツケース+リュックであったところを、登山で使うようなバックパックに統合したため、超重量物が背中にのしかかっています。それゆえ、とにかく暑いったらありゃしません。木陰を見つけたらそこへ逃げ込みたくなります[⑧]

 ふと駅舎の方を見てみると、381系の姿がありました[⑨]。福知山線・山陰本線の特急列車に381系がやってくると聞いたときは、今更こんなことが起ころうとは、と少し驚いたものでしたが、新型車両(と言って良いものか?)289系の導入も決まり、残された時間も僅かとなりました。今日、福知山駅のホームの端にカメラ持った御仁がいたのは、つまりそういうことだったのでしょうか。

 小浜駅近くの公園で蒸気機関車を発見したのに続き、福知山駅でも蒸気機関車を見つけました。保存されているのはC11形という蒸気機関車であるそうです[⑩]。屋根はついておらず、雨のためとみられる汚れも散見されますが、その代わり、転車台に載せられた状態での保存となっており、より蒸気機関車らしさが強調される環境が作られています[⑪]

 南口駅前にある公園の一角に設けられている、屋根付きの休憩所[⑫]。この屋根を支える柱に、鉄道ファンとして何か感じるものがありましたが、その直感は、どうやら間違いではなさそうでした。このエの字型の形状、側面に入った刻印、そして凹凸の少ない綺麗な面。この柱、恐らく、廃レールを活用したものではないでしょうか[⑬]

 さて、次の列車に乗車しましょう。次に乗るものは、福知山11:07発の篠山口行きの普通列車です[⑭]。福知山線も、大阪口は非常にたくさんの列車が運転されていますが、福知山口は、日中の普通列車は、1時間に1本程度しかありません。ただし、一部の列車は大阪まで直通し、それ以外の篠山口行きの列車も、最終列車を除き、篠山口で大阪方面への列車に接続するなど、利便性の確保が行われています。


                  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26
27  28  29  30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40  41  42  43  44  45  46  47  48  49
50  51  52  53  54  55  56  57  58  59  60  61


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ