新飯塚行きはキハ31形での運転でした[①]。車内にある転換式クロスシートは、0系の廃車発生品を流用したもので、場所も、車両も、速度も全く異なりますが、後年の簡易リクライニングシートですらもない、背もたれのリクライニングは一切不能という、「0系誕生時の座席」を味わえます[②]。
19:45に田川後藤寺を発車すると、しばらくの間、同発の日田彦山線小倉行きの列車と並走しました[③]。もっとも、同線と後藤寺線の分岐点は、駅からそう遠いところではないので、ほどなくして、両列車は互いの目的地に向けて、別々の方向へ進んでいきます。
これから攻略していく後藤寺線は、田川後藤寺〜新飯塚間を結ぶ路線ですが、路線延長は僅かに13.3kmで、起終点を除く途中の駅は4つしかありません。特急列車や急行列車の類は走っておらず、1日1往復だけある途中駅無停車の快速列車を除けば、全て普通列車です。車両についても、その検査時や臨時列車を除いては、キハ31形しか運用されていません。
路線距離の短さで言えば、田吉〜宮崎空港間を結ぶ宮崎空港線が1.4kmであり、JR線としては最も距離の短い路線となっていますが、同線は、宮崎空港への空港アクセスを担うと共に、多くの特急列車が乗り入れています。そのため、一定の華やかさがあります。
13.3kmというその距離、途中駅数4という少なさ、優等列車は一切なし、そして「田川後藤寺と新飯塚」という、小さくも大きくもない微妙な駅が起終点という「何とも言えなさ」(片側だけでも県庁所在地の駅であるとかならともかく)。これらの条件を総合した結果、後藤寺線は、私の頭の中においては、「JR線で最も地味な路線」として位置づけられています。
20:06、終点の新飯塚に到着[⑤]。21分という所要時間で全線を走破することができてしまいました。本当にあっけなかったことで。
今日の移動は新飯塚で終了し、これより宿へと向かいます。今日宿泊するのは、駅から徒歩2分という場所に位置する、ビジネスホテルセンチュリーです[⑥](写真は翌日撮影)。筑豊本線には、新飯塚と飯塚という、2つの「飯塚駅」がありますが、より市街地に近いのは前者の方で、駅周辺の宿泊施設の数は、新飯塚駅の方が多くなっています。ちょっと古びたホテルなのか、客室内が古めかしいのはご愛嬌[⑦]。
|