個室という閉鎖的な空間に籠もっていると、他の乗客を目にすることがほとんどないので、各駅での客の出入りをあまり把握できません。宮崎発車後、「座席のグリーン車はどうなっているのだろうか」と思い、向かってみると、グリーン車・DXグリーン車ともに無人という状況でした[①]。小倉を発車した時点では、グリーン車に男性が1人いたのは知っているんですが、どこかで降りてしまったようです。
1号車は全室がグリーン席ですが、グリーン個室やDXグリーン車を内包しているため、普通のグリーン車は、4〜5列分しかありません[②]。運転室のすぐ後ろにあるDXグリーン車は、僅か1列・定員3人という空間で、グリーン車よりも大きな造りをした座席が並んでいます[③]。ただ、おしぼりや飲み物のサービス、車内販売といったものが全廃された今となっては、ただただグリーン車よりも割高で座席がでかいだけという印象も。
11:39、最後の途中停車駅、南宮崎に到着[④]。次は終点の宮崎空港ですが、ここで4分停車します。ホームにある発車標を見てみると、「特急にちりん3号」ではなく、「普通〔田吉駅通過〕」と案内されていました[⑤]。宮崎〜宮崎空港間では、特急列車の普通車自由席に乗車券のみで乗れるという特例がありますが、「特急列車に乗車券だけで乗れる」というよりは、「種別が普通列車に変わっている」というのが実際の姿のようです。
南宮崎から日南線に入り、更に田吉から宮崎空港線に入ります。11:47、小倉から5時間8分をかけて、列車は終点の宮崎空港に到着しました[⑥]。グリーン個室という快適な空間にいたゆえ、疲労感はほとんどありませんが、「5時間はやはり長かった」と思わずにはいられませんでした。
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