Page:58

※各画像はクリックすると拡大します。










 個室という閉鎖的な空間に籠もっていると、他の乗客を目にすることがほとんどないので、各駅での客の出入りをあまり把握できません。宮崎発車後、「座席のグリーン車はどうなっているのだろうか」と思い、向かってみると、グリーン車・DXグリーン車ともに無人という状況でした[①]。小倉を発車した時点では、グリーン車に男性が1人いたのは知っているんですが、どこかで降りてしまったようです。

 1号車は全室がグリーン席ですが、グリーン個室やDXグリーン車を内包しているため、普通のグリーン車は、4〜5列分しかありません[②]。運転室のすぐ後ろにあるDXグリーン車は、僅か1列・定員3人という空間で、グリーン車よりも大きな造りをした座席が並んでいます[③]。ただ、おしぼりや飲み物のサービス、車内販売といったものが全廃された今となっては、ただただグリーン車よりも割高で座席がでかいだけという印象も。

 11:39、最後の途中停車駅、南宮崎に到着[④]。次は終点の宮崎空港ですが、ここで4分停車します。ホームにある発車標を見てみると、「特急にちりん3号」ではなく、「普通〔田吉駅通過〕」と案内されていました[⑤]。宮崎〜宮崎空港間では、特急列車の普通車自由席に乗車券のみで乗れるという特例がありますが、「特急列車に乗車券だけで乗れる」というよりは、「種別が普通列車に変わっている」というのが実際の姿のようです。

 南宮崎から日南線に入り、更に田吉から宮崎空港線に入ります。11:47、小倉から5時間8分をかけて、列車は終点の宮崎空港に到着しました[⑥]。グリーン個室という快適な空間にいたゆえ、疲労感はほとんどありませんが、「5時間はやはり長かった」と思わずにはいられませんでした。























 航空機に乗るわけでもないのに空港駅に来てしまいましたが、これも「JR線の全線乗車」という夢をかなえるためです。致し方ありません。宮崎空港駅は高架駅となっており[①]、空港の至近にはあるものの、ターミナルに直接乗り入れてはいないので、独立した駅舎を持っています[②]

 空港独特のやけに長さのある車の発着場[③]、ターミナルの平べったい建物など[④]、普段降り立つ「鉄道の駅前」とは、まるで違います。沖縄以外はどんなところにでも鉄道で向かうという人間にとっては、空港というのは、まず縁のない場所と言えますが、今の私はそこにいます。

 折り返しの列車まで33分ありますが、いかにして時間を潰すか。空港で時間を潰すのに最適な場所と言えば・・・、やはり展望台でしょう[⑤]。晴れた日曜日ということもあってか、既に先客が数多くいました。普段は鉄道一辺倒の人間で、高校の修学旅行以外では航空機に乗ったことがないという人間ですが、今ばかりは飛行機ファンを装います。興味のあるなしは置いておいて、とりあえず機体を撮影[⑥] [⑦]

 展望台からは、宮崎市の街並みが見えました[⑧]。例えば、成田空港から東京の街並みが見えるはずもなければ、新千歳空港から札幌の街並みが見えるはずもありませんが、宮崎空港は、駅で言えば、宮崎から3つ目という場所にあります。宮崎の市街地からそう遠いところではなく、立地や利便性で言えば、鉄道が乗り入れているということも考えると、かなり優れていると言えそうです。

 ソラシドエアの便が離陸しようとしています[⑨]。運航会社のスカイネットアジア航空(12月よりブランド名と同じソラシドエア)は、宮崎県宮崎市に本社を置く会社であり、まさにお膝元の企業による航空便です。所定の位置まで移動すると[⑩]、あとは一気に加速し、日向灘の洋上へと飛び立っていきました[⑪]。宮崎空港は日向灘に面する空港で、用地の一部はその埋め立てによって形成されました。

 空港のターミナルビルは、所狭しと売店が出店していたり、天井からは垂れ幕も降りていたりと、なかなか賑やかです[⑫]。ビルや駐車場での利益も含めた総合収支では、宮崎空港は黒字となっており、比較的「頑張っている」空港に入ります。

 宮崎空港駅に戻ってきました[⑬]。先ほどの特急にちりん3号の折り返しとなる、12:20発の特急にちりん14号に乗車します[⑭]














 大分行きのにちりん14号に乗車します[①]。これの送り込みであったにちりん3号は、小倉〜宮崎空港間での運転でしたが、折り返しのにちりん14号は、小倉や博多までは行かず、大分止まりとなっています。大分までは3時間20分であり、「グリーン個室の長時間貸し切り」はできません。

 南宮崎まで乗車しますが、「宮崎空港〜宮崎間では、乗車券のみで特急列車の普通車自由席に乗れる」という規定に基づき、5号車の自由席に乗車しました[②]。4分で南宮崎に到着するので、座席で寛ぐほどの時間はありません[③]。なお、同規定の区間内では、グリーン車は自由席(普通列車グリーン車)として扱われ、そのグリーン料金は510円となってます。

 田吉を通過し、南宮崎駅構内に進入しました[④]。1分で接続する日南線の快速列車・日南マリーン号に乗車しますが・・・、あっ、停車位置を通り過ぎていく![⑤] でも、自由席って宮崎寄りの3両なので、どうしてもこうなるんですよね・・・。


                  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26
27  28  29  30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40  41  42  43  44  45  46  47  48  49
50  51  52  53  54  55  56  57  58  59  60  61 


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ