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 8:00〜8:45の時間帯でダイニングカーでの朝食があるため、食堂車にやってきました[①]。他に7:00〜7:45、9:00〜9:45という時間枠もありますが、どこの枠になるのかを自ら指定することはできず、主催者側からランダムで選ばれます。ランダムと言っても、全くの適当ではなく、「この時間帯は●号車〜●号車の乗客」といったくらいの振り分け基準はあるかと思いますが。

 コース料理として料理が順次運ばれてくるディナータイムとは異なり、モーニングタイムでは、全ての料理が一度に出てきます。そこで、全ての料理が配膳されるのを待っておきます[②]。一般の臨時列車として走っていたころは、朝食は予約不要でしたが、このカシオペア紀行では、希望者に対する予約制となっています。廊下で待たされることもなく、すぐに席に案内してもらえるので、やはりこちらの方が良いですね。

 福島駅の手前で、福島交通の列車と遭遇します[③]。福島駅の北側では、東北本線・東北新幹線・奥羽本線・阿武隈急行線・福島交通線が一気にまとめて合流するので、運が良ければ、それら全ての路線の列車と同時に遭遇できるかもしれません。

 ほどなくして、モーニングタイムで提供される全ての料理が揃いました[④]。ご覧のように、今回の朝食は洋食です。と言っても、こちらがそれを所望したわけではなく、どうもカシオペア紀行では、以前のような「洋食or和食」という選択権はないようで、洋食しかないようです。今は事前予約制で、人数や洋食・和食の必要セット数は、事前に把握できますから、今だからこそ洋食と和食の両方が食べられても良いように思われます。

 列車は2分遅れて、8:07に福島に到着しました[⑤]。窓越しに見える701系や719系といった車両は、東北地方特有の車両なので、そのような車両が見られているうちは、まだ何とか旅行気分を失わないでいられます。今日は12月31日なので、数多の学校や会社は休みに入っているはずですが、普段であれば、この時間帯は、まさに通勤・通学の時間帯で、下手すれば「衆人環視の下の食事」になりかねません[⑥]











































 北斗星号・カシオペア号で朝食を食べたのは過去に8度あり、うち2度が和食で、6度が洋食でした。そのように偏っていれば、当然、そろそろ和食を食べたいと思う頃合いですが、洋食しか選択肢がないので、結局7度目の洋食ということになりました。

 カシオペア号で出てくる朝食ということで、当然、いずれの料理も非常においしいのですが、この洋食の献立の中で私が何よりも気に入っているのは、「トロトロ」を極めたスクランブルエッグです[①]。脇に添えられたケチャップをつけなくとも、その食感だけで「これはイケる」と思わせる絶品です。列車食堂で出てくるものとは思えない、というのは、お世辞を抜きにした本当の話です。

 スクランブルエッグと同じ皿に乗せられて出てくる厚切りハムも、印象的な料理のひとつです[②]。とにかく厚く、そして硬い(もうちょっと軟らかい方が、とは思うのですが)ため、そのままかぶりつくのはおすすめできず、ナイフで切ってから食べることが推奨されます。そこらへんの小売店にあるような、パック詰めの薄っぺらいハム=ハム、と認識している人間には、色々と衝撃的な逸品。

 洋食ということでパンが出てきますが、月並みな表現ではあるものの、これまた非常に密度とモッチリ感を持ち合わせた、上等な一品です[③]。バターがあると更に良いと思いますが、残念ながらバターの提供はありません。夕張メロンのゼリーは、以前は未開封のまま出てきましたが、現在(カシオペア紀行)では、予め皿に落とした状態で提供されるようになっていて、手間は増えたことかと思いますが、「真心」は感じます[④]











































 今回食べた朝食の献立は、基本的に、一般の臨時列車として走っていたころと変わりありません。カシオペア紀行は「特別な列車」として走っているわけですから、総コストに変動をきたさない範囲で、何かしらの変更やアレンジがあった方が、こちらとしては面白かったところですが・・・。

 ただ、その中で、1つだけ触れておきたいものがあります。それは、飲み物として出てくるオレンジジュースです[①]。先ほど、「洋食は過去6度食べた」ということを書きましたが、そのうちの5度は、今回と同様のオレンジジュースだった一方で、最後の1度(2015年2月に乗車したカシオペアスイートのとき:旅日記参照)だけは、クランベリージュースなるものに変更されていました。

 4度目のとき(2014年9月・カシオペアツイン)はオレンジジュースだったので、その後に、どこかしらのタイミングでクランベリージュースに変更されたようですが、結局今はオレンジジュースに戻っているので、恐らく不評だったのでしょうね。私も当時、紫色の飲み物が出てきたので、「ブドウジュースになったのか」と思って飲んだところ、ブドウとは似ても似つかぬ苦い味に「ゲッ」となった覚えがあります。

 郡山を目指して走る列車は、8:21に松川を通過しました[②]。通り抜けの客が食堂車の客席を通過することのないように、E26系では、2階席に相当する位置にその客席が設けられたため、車窓を見る際の視点も高いです。一方、12号車にあるラウンジカーは、電源車を兼ねていて、発電装置の上にラウンジを設けたことで、実質2階席相当の視点を手に入れました。どちらも見晴らしが良く、車窓が重要になる車両としては好設計です。

 最後に食後のホットコーヒーがやってきて、これでモーニングタイムの全メニューが配膳されました[③]。砂糖は入れず、クリームのみを入れて飲むというのが、貫通扉流の”ホットコーヒーの飲み方”。今回もそのやり方で行きましょう。窓越しにちょっと厚い雲が見えるようになってきてしまいましたが、この先の区間で雨に遭遇することはないはずです[④]



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