15:30ごろに乗車の手続きを済ませたはいいものの、今回の上りカシオペア紀行は、札幌16:38発。発車まではまだまだ時間があります。往時の下りカシオペア号のように、発車の45分前には入線してくる・・・というような具合であってほしかったものですが、実際には、16:38という発車時刻に対して、入線は16:30。早めにホームに出る意味はほとんどありません。
土産物屋での買い物などで適当に時間を潰した後、乗車証を見せて改札を通過。そして16:15、4番線用の発車標に、ついに我々が乗るべき列車の表示が現れました[①]。その名はカシオペア・・・ではなく、残念ながら、団体・TOUR GROUP[②]。ツアー客しか乗れないことを明確にするためにも、このような表示でなければならなかったのでしょうが、「カシオペア」と「団体」では、目にしたときの胸の踊りように大きな差があります。
しかし、そのような中でも、この表示には、憎い演出がありました。それは行き先である「上野」の表示の仕方です[③]。札幌駅の発車標は、伝統的に、それが寝台特急である場合に限り、行き先の駅名を赤色で表示するようにしていましたが、所詮は団体列車であるにも関わらず、「上野」の色は、かつてのカシオペア号の表示を想起させる”赤い上野”。そこだけ見れば、まさに「寝台特急カシオペア号 上野行き」の復活です。
となると、やはり「団体」という素っ気ない表示は、あまりにも残念です。「カシオペア」では誤乗を招くというのであれば、せめて「カシオペア紀行」とは表示できなかったものか。とはいえ、他の列車に交じって発車標に表示されると、その異彩は遺憾なく発揮されます[⑤]。赤色で主張する「上野」は、半定期的に運転されていたころと同じような存在感を持ち、この列車が特別な列車であることを誇示します[⑥]。
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