引き続き、カシオペア号は室蘭本線を進んでいき、上野に向かって走ります。カシオペアデラックスは、台車直上の平屋部分にあるため、窓は湾曲しておらず、車窓を自然な映りで眺めることができます[①]。「静かに流れゆく車窓を眺めながら、上等なお酒を嗜む」というのは、私がかねてから抱いていた”やってみたいこと”でしたが、成人後にもこのような列車があってくれたおかげで、何とかそれを果たせました。
札幌を出て1時間30分ほどもすれば、列車はとっくに郊外に入っていて、都市的な眺めはほとんど見られなくなります。並行する国道を走っていくのは、物流用の大型トラックか[②]。スピードとしてはこちらが若干上回っているようで、この後トラックの姿は見えなくなりました。しかし、当然のことながら、カシオペア紀行は「急がない人たち」が乗る列車。その走りに焦りはありません。
列車は18:18に登別に到着しました[③]。今回のツアーを催行するにあたって配布された「ご案内」では、登別は停車駅としては示されていませんでしたが(もっとも、「主な停車駅」という書き方だったので、当然”例外”はある)、結果的には停車駅だったようです。ただし、もちろん、停車したところで扉は開きません。正直、「息抜き&撮影タイム」の停車くらいは欲しいもので、いかに豪華列車といえども、”缶詰め”にされて嬉しいかどうか。
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