3分の停車の後、列車は0:50に蟹田を発車しました[①]。乗務員交代の有無は結局のところ不明ですが、”かつてと同じように”蟹田に運転停車し、発車していくと、これがカシオペア紀行という特別な団体列車であるという感覚は薄くなります。それこそ、今でもカシオペア号が普通に走っていて、自分はそれに乗っているのではないか、と。どうせなら、南千歳を通過したように、蟹田も本当に通過してくれれば・・・。
カシオペア号は津軽線を南下しながら、次なる停車駅である青森を目指します[②]。かつて、青森〜函館間は、それを構成する津軽線・海峡線を総称して「津軽海峡線」と呼ばれ、本州と北海道を結ぶ列車が多数往来していましたが、今となっては、在来線の旅客列車は、1本たりともありません。こうしてカシオペア紀行に乗って津軽線を走っていると、北海道新幹線開業以前の日々が思い出されるかのようです。
・・・とはいえ、以前なら、上りのカシオペア号にでも乗れば、その道中で、北斗星号やトワイライトエクスプレス号、はまなす号、そして貨物列車との出会いがありましたが、今やそれらの旅客列車はなく、貨物列車も、ちょうど年末年始の運休期間なのか、五稜郭からここに至るまで、全く遭遇していません(”だからこそ”、カシオペア紀行が運転できるわけですが)。深夜の津軽海峡線を一人ぼっちで走っても、そこに”かつての栄華”はありません。
青森駅付近特有の(と、私は勝手に思っている)、一軒家ばかりが立ち並ぶ住宅街の間を走る区間に入ると、まもなく青森です[③]。そして、これまた青森駅手前特有の(あくまでも個人的なイメージ。別に他の駅にだってある)、ナトリウムランプによって橙色に照らされる駅構内にまで達すると、今度こそ、カシオペア号は本当に青森に到着します[④]。
そして、青森到着直前に、窓越しに大きく現れた「EF81」の文字[⑤]。青森駅構内では、この後青森〜上野間における牽引を担当するEF81形が既に待機していますが、今回の上りカシオペア紀行では、ファンからの人気も高い95号機(通称・レインボー機)が充てられたようです[⑥]。学校も会社も休みとなっている今日12月31日、95号機が登板するとなれば、これは有名撮影地に多くの撮影者が出没する予感が・・・。
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