◆11月5日◆
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 日付は変わって11月5日です。朝、テレビをつけてチャンネルをNHK総合に合わせると、今日から運転を再開する山田線についてのニュースが流れていました[①]。すっかり忘れていましたが、そういえば、今日が運転再開日でしたね。もちろん、今回の旅では、山田線の復旧区間(川内〜上米内)に乗りますが、旅程の都合上、それは明日に回されています(本当は”初日”が良かったのですがね)。

 ホテルをチェックアウトして青森駅にやってきました[②] [③]。今日は日曜日なので、朝の8時前でありながら、人数は随分とまばらでした。路面が濡れていますが、そうさせたのは雪ではなく、ただの雨です。雪が降るというのならば、少々は嬉しく思うかもしれませんが、雨が降って嬉しいわけがありません。雨が降ったところで「良い景色」は得られませんので・・・。

 本日最初の列車は、青森8:10発の快速リゾートしらかみ2号です[⑤]。今日はまず弘前に行くことになっているのですが、普通列車にはあまり乗りたくない(面白くないから)一方で、特急つがる号は1日にたった3往復しか運転されておらず、ちょうど良い時間帯にその運転がありませんでした。何か面白い列車はないのか・・・?と探っていたところ、リゾートしらかみ号がありました。

 今日のリゾートしらかみ2号は、キハ40系のくまげら編成による運転です[⑥]。2日に秋田〜能代間で乗車したときと同じものですね。リゾートしらかみ号は、3日に弘前〜新青森間でも乗車(そのときはHB-E300系のブナ編成)しているので、これにより、1回の旅の中で3度もリゾートしらかみ号に乗ることになってしまいました。

 4番線にリゾートしらかみ号が停車し、その隣の5番線と6番線に701系が停車しているという構図[⑦]。県庁所在地の代表駅といっても、青森駅は、あまり列車本数が多い駅であるとは言えませんが、このような光景が現れると、ターミナル駅らしい雰囲気を感じられます。



















 五能線での絶景を楽しめるように、リゾートしらかみ号に使われる各車両は、車両側面の半分以上の面積を占めるような、非常に大きな窓を備えています[①]。このくまげら編成はキハ40系ですが、外も中も大きく改装された一方で、編成中間には、元来のキハ40系の顔(運転室)が残されたまま向かい合う光景があり、ここだけ見れば、ちょっと塗装が違うだけの普通のキハ40系に見えます[②]

 発車時刻が近づいてきたので3号車に乗り込みましたが、なんだかこちらが心配になってしまうほどのガラガラ具合[③]。2日に乗ったリゾートしらかみ5号は、平日木曜日だったので、まあそんなものかなと思いましたが、日曜日に運転される便がこれで良いのだろうか?と思ってしまいます。まあ、この先の新青森と弘前での乗車に期待しましょう。

 列車は青森を出発しました[④]。青森を出て左に向かうと、旧東北本線の青い森鉄道線に進むことになり、右に向かうと、秋田・福島方面の奥羽本線と、蟹田・三厩方面の津軽線に進むことになります。よって、最初は津軽線と同じ方向に進んでいくわけですが、かつての青森車両センターである盛岡車両センター青森派出所の手前で分かれ、奥羽本線は西へ、津軽線は北へ向かいます[⑤]

 最初の停車駅は新青森です[⑥]。2016年夏季の青春18きっぷシーズンから、青森〜新青森間に限り、全車指定席の快速列車に指定席券なしで乗車できるという特例が、ひっそりと加えられました。新青森では、一応、盛岡始発のはやて93号、新函館北斗始発のはやぶさ10号と接続しますが、そんな列車から乗り換える需要などさすがになく、新青森での乗車は少ないものでした。

 新青森の次の津軽新城までは市街地が続きますが、津軽新城を通過すると一気に山間部に入り、その次の鶴ヶ坂は、すっかり山と山の間に佇むという環境になっています[⑦]。しかし、鶴ヶ坂の次の大釈迦を通過すると、一転して津軽平野に突入します。

 津軽平野では、先ほどまでの山あいの景色とは打って変わって、右も左も平らな土地が広がるという車窓が展開されます[⑧]。天気が良ければ、ここで津軽富士こと岩木山が望めるのですが、今日はあいにくの天気であり、その姿は見られません。ただの曇りであれば、せめてその姿くらいは見えるはずですが、今日は画像編集ソフトで修正をかけて何とか線が見えた、というほどの霞みようです[⑨]

 川部を通過します[⑩]。奥羽本線と五能線の接続駅はここですが、主要駅の弘前を無視して直接五能線に出入りするわけにもいかないようで、2つ先の弘前に寄ってから川部に戻り(このときに客扱い停車)、そして五能線に入ります。逆に青森行きのときは、川部に営業停車してから弘前に立ち寄り、2度目に川部駅を通るときは、停車せずに通過していきます。

 そして青森から35分で目的地の弘前に到着しました[⑪]。残念ながら、奥羽本線も決して本数が多いとは言えないので、特に観光客というわけではない人でも、普通列車の代替としてリゾートしらかみ号に乗ることがあるかと思います。

 青森県第3位の都市の弘前ということで、駅も人でそれなりに賑わっています[⑫]。ホテル、マンションが建ち、バスターミナルが整備されているという駅前も、県の中核都市としての雰囲気を漂わせ[⑬]、駅ビルと接続した駅舎もまずまず立派です[⑭]



















 実は、今日については、八戸12:22発の八戸線リゾートうみねこ号に乗ることが決まっていて(固定要素)、それを核としてその前後の予定を決めることになっていました。それに乗るだけならば、青森11:22発の列車に乗れば良く、それでは1日の時間の使い方があまりにももったいないということで、午前中の時間を使って弘前公園に行くことにしていました[①]

 弘前公園といえば桜が有名である一方、紅葉も美しいということでしたが、たしかにその通りで、園内の至る所で色づいた木々を見ることができました[③] [④] [⑤]。紅葉の初期か末期かでいえば、時期的には恐らく末期だと思いますが、それでも充分です。木々で色づく紅葉そのものも綺麗ですが、力尽きたのか嵐で落ちたのか、地面にも葉が多く落ちていて、それが成す”絨毯”も良いものでした[⑥]

 タクシーで弘前公園に着いた時点では、だいぶ雨が降っていて、傘を差しながらの入園となりましたが、時間の経過と共に雨は弱まり、そしていつしか上がり、傘なしでも園内を歩き回れるようになりました(雨粒が水面で跳ねていませんね)[⑦]。真紅や黄色、橙色など、木々は様々な色で紅葉しますが、緑色のまま変わらないものもあり、それとの対比も綺麗です。

 園内の各所が紅葉で色づいていますが、一方で、あまり色づかない品種の木が生い茂る散策道があり、そこで緑の木々に囲まれた森林浴を楽しむこともできました[⑩]。雨上がりなので、草木に残る露をもらわないよう、慎重な歩き方が求められましたが・・・。

 城門と紅葉は、ひとつ弘前公園らしさを表せる眺めであると言えましょう[⑬] [⑭]。戦国時代から残る歴史ある城門は、例え白黒写真にしてもさほど変わらないというような色を配していますが、その脇で非常に濃く色づいた木々は、城門とは全く対照的な、カラー写真でしか表現できない鮮やかな赤色を湛えて、訪れた者たちに鮮烈な印象を残します。

 なお、弘前市では、駅と弘前公園との移動手段として、1回100円で利用できる循環バスを運行していますが、今回、私はその恩恵に与ることができず、往復ともタクシーを利用するという憂き目に遭ってしまいました。

 まず、運行開始が10:00であるため、8:45着のリゾートしらかみ号で弘前に着いたのでは、循環バスを利用するには早すぎました。まあ、8:00からとは言いませんが、せめて9:00運行開始にならないものか?と思います。10:00では、それこそ弘前公園を訪れるといった観光客相手のことを考えると、いかんせん遅すぎるのでは・・・?(この点はタクシーの運転手も同意していました)

 一方、帰りについては、「できるだけ長く弘前公園で観光したい」と思って長居した結果、列車の時刻に確実に間に合わせるためにはタクシーを利用するのが賢明だと考えたため、タクシーと相成りました。

 とはいえ、値段があまりにも違うので、私もせめて帰りは100円バスにしたいと考えていました。しかし、100円バスには具体的な時刻表はなく、「10分間隔」としか案内されていません。10分間隔といっても、例えば0・10・20・30と来るのと、5・15・25・35と来るのでは、だいぶ意味が違うわけで・・・。結局、乗り場でしばらく待ってもバスが来なかったため、タクシーに”避難”しました。

 ちなみに、タクシーの運転手曰く、100円バスは”商売敵”とのこと。そりゃそうだ。


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