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 約15分遅れてのぞみ12号がやってきました[①]。関ヶ原の辺りで大雪に見舞われ、それで遅延するというのは、冬場であればそれほど珍しいことではないかと思いますが、このように西の方で雪のために遅延が生じるというのは、普段はあまりないことだと思います。

 海沿いに形成されるコンビナート群を見ながら、列車は東へ向かって進みます・・・が、そのスピードは上がり切りません[②]。スマホの速度計アプリで速さを調べてみましたが、どうやら160km/hの制限がかかっているようです。速度規制があることは承知していますが、よもや200km/hにも遠く及ばない、160km/hという数値だとは思ってもみませんでした。これではかつてのはくたか号と同じです。

 新岩国を通過します[③]。160km/hの速度規制はそう長くは続かず、途中から220km/hに緩和されていたようです。広島に向かって走るにつれて、だんだんと天候が回復してきたほか、線路上に積もっている雪の量も減ってきました[④]

 まもなく広島に到着します[⑤]。空はすっかり晴れ渡り、地面にも雪は全くありません。山口と広島の間は、山々で遮られていますから、雪雲がそこでブロックされていたのかもしれません。しかし、ここまでずっと徐行運転を行ってきた影響は大きく、広島には、結局定刻よりも20分以上遅れての到着となりました[⑥]。徳山〜広島間で5分ほど遅延が拡大してしまいました。

 ちなみに、山陽本線では、8:30頃に戸田〜富海間で倒竹が発生し、下り列車は運転見合わせに入っていました[⑦]。私が乗ってきたのは上りだったので、仮にそのタイミングで新山口〜徳山間を乗るのだとしても、影響はなかったということになりますが、やはりあれだけの雪に見舞われながら”無傷”で済むというわけにはいかなかったようです。












 広島です[①]。本来なら、ここで45分くらいの滞在時間をとることができていたはずでしたが、のぞみ12号が20分以上遅れてしまったため、いられる時間が激減してしまいました。ただ、幸い、広島駅で降りるのは、今回が初めてではなく、過去に経験があります(初めて訪れる駅なのに碌な滞在時間もとれなかったら、さすがにそれは残念すぎる)。

 無味乾燥な白い壁と太い柱や梁が聳えていた旧南口改札は姿を消し、現在は、南北を結ぶ自由通路が、広島駅の玄関口となっています[②]。開放感のある造りで、採光できる窓が上部にたくさんついているため、日中ならば、自然採光だけでも必要な明るさを賄えます。

 南口駅前[③] [④]。広島駅は中心市街地から離れたところにあるため、繁華街へ行くためには、バスや路面電車を利用することが必須となります。とはいえ、120万都市の中心駅ですから、駅前にも都市は形成されていますし、近年は駅前の再開発も盛んに行われています。ビックカメラが入居している巨大なビルも、2015年〜16年にかけて開業したばかりのものです。

 紫色を使用した駅名標[⑥]。隣の駅が「やが」ということで、これは芸備線ホームのものです。広島地区では、2015年3月のダイヤ改正で、路線ごとに異なるラインカラーを本格的に導入し、ホームの駅名標も、そのラインカラーに対応した色を使用するようになりました。山陽本線(広島以西)は緑、同以東は赤、呉線は黄、可部線は青、芸備線は紫となっています。

 さて、これから私が乗車するのは、芸備線ではなく、呉線直通の列車です。10:02発の三原行きの快速列車[⑦]。しかし、これは、普通の安芸路ライナー号ではなく、主に土曜・休日に運転される、臨時快速の瀬戸内マリンビュー号です。今日は月曜日ですが、今年は建国記念の日が日曜日(昨日)に重なり、今日は振り替え休日となっているため、運転されています。



















 快速瀬戸内マリンビュー号は、専用のキハ47形2両編成で運転されます[①]。入線から発車までの余裕はあまりなく、発車の4分ほど前になってようやく入ってきました。車体側面には「SETOUCHI MARINE VIEW」、「Mihara・Kure・Hiroshima」と書かれ、この車両が広島〜三原間の瀬戸内マリンビュー号専属であることを主張していますが、宮島口や福山へ延長されたこともあります[②]

 列車は1号車を指定席、2号車を自由席とする2両編成で、今回はもちろん指定席を利用します。指定席車両は、海側にクロスシート、山側に「海側を向いたロングシート」を置く専用の座席配置に改装されていて、いかにも観光列車という雰囲気[③]。一方、自由席車両は、壁を木目調に改めるといった手は加えられているものの、基本的には、キハ40系の元の座席がそのままになっています。

 海側に置かれるクロスシート[④]。この列車において最も「おいしい席」は、当然、「クロスシートで、進行方向向きに座れる窓側の席」となります。単に指定席券を購入するだけならば、そんなに焦ることはない(そこまでの超人気列車ではないし、最悪自由席に乗れば良い)わけですが、今回の旅を”細部に至るまで最高のもの”にするべく、今回は当該の席を10時打ちで確保しました。

 海側を向いているロングシート[⑤]。クロスシート共々革張りです。山側の座席は、全てこの形態のものとなっていて、指定席車両の全ての乗客が、呉線内で展開されるオーシャンビューを堪能できるように配慮されています。

 列車は広島を発車しました。広島を出た時点では、乗車率はいまひとつの模様で、空席が目立ちました[⑥]。ただ、瀬戸内マリンビュー号の場合、この手の観光快速としては珍しく、自由席の設定があります。普通の列車の代用として利用するのであれば、わざわざ520円の指定席券を買うことはありませんから、ひょっとしたら、自由席への乗車はあるのかもしれません。

 呉線との接続駅・海田市に停車[⑦]。しかし、瀬戸内マリンビュー号では、海田市は停車駅としていないので、今回は運転停車です。そして発車のときを待っていると、上りの貨物列車が通過していきました[⑧]。「ああ、貨物の通過待ちか」と一瞬思いましたが、呉線に貨物列車はありませんし、それに海田市駅の構造上、これの通過を待たないと呉線に行けないということもありません。

 山陽本線から呉線に移り、呉線内を走行していきます。瀬戸内マリンビュー号は、広島〜呉間をノンストップとしており、他の全ての列車が停車する坂も通過してしまいます[⑨]。瀬戸内マリンビュー号でしか体験することのできない、貴重な場面です。そして呉線に入ると、線路は基本的に海沿いを通って行くようになるので、瀬戸内海が広がる景色を随所で見られます[⑩]

 水尻で運転停車をし、下りの普通列車と行き違います[⑪]。呉線の広島口は、日中でも毎時3本の列車が設定される需要(当然、朝夕はもっと多い)がありながら、全線が単線です。そういったところを走る”臨時列車”ということで、定期列車を優先するべく、瀬戸内マリンビュー号では、運転停車が頻発します。列車は次の小屋浦でも停まり、なんと2駅連続の運転停車ということに[⑫]

 水尻・小屋浦と連続で運転停車をしましたが、その次の呉ポートピアは、さすがにそのまま通過してくれました[⑬]。この駅は1面1線なので、列車交換はできません。なお、呉線は、上述したような事情もあって、全26の途中駅のうち、23駅が行き違い可能な構造になっていて、1面1線の駅は、僅か3駅しかありません。全線が単線の中でも、可能な限り複線に近づける努力がされています。

 最初の停車駅、呉に到着しました[⑭]。自由席車両はもちろんのこと、指定席車両でも、乗降共に多く、ここで乗客の入れ替わりが発生しました。


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