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※各画像はクリックすると拡大します。












 この後本当に乗るべきであるものは、高松8:25発の特急しまんと5号なのですが、そこまでにはまだ時間があります。一方、四国内では、普通の乗車券と特急券ではなく、JR四国線の特急列車のグリーン車が4日間乗り放題となる「四国グリーン紀行」を使用します。

 そこで、「しまんと5号までは時間があるし、フリーきっぷである以上、乗れば乗るほど元が取れるわけだから」ということで、ちょっとした”暇潰し”に出ることとします。7:52発の高徳線の普通列車に乗車し、栗林まで移動します[①]。車両は1200形2両編成です[②]

 高松を発車してからしばらくの間は、複線電化の予讃線と並走します[③]。そして、高松から1kmほどのところで両線は分かれ、それぞれの方向へ向かっていきます[④]。このことからも分かるように、予讃線の線路と高徳線の線路は分離されているので、「高松駅の手前で両線が合流し、輻輳するせいで、列車の増発ができない」といった事態は起こりません。

 昭和町〜栗林公園北口間で、線路が高架となります[⑤]。高松駅は地上駅ですが、栗林公園北口・栗林は高架駅です。そして高松から8分で、列車は下車駅の栗林に到着しました[⑥]。幅のあるホームで、高架化もされていながら、非電化であるために架線がなく、やたらと上方向への見晴らしが良い、という栗林駅。この佇まいは、この駅はひとつの特徴であると思います[⑦]












 雲ひとつない青空の高松市内[①]。高松駅は、宇高連絡船との接続を意識し、港に近いところに位置しているため、必ずしも市街地に近くはありません。一方、栗林駅は市街地の中にあるため、ホームからは、写真のようなビル群や住宅街が見られます[②]。もちろん、利用客は高松駅の方が圧倒的に多いわけですが、駅周辺の街並みは、栗林駅も、高松駅に負けず劣らずの”都会感”があります。

 「くりばやし」ではなく「りつりん」と読みます[③]。もっとも、「栗林公園」があるおかげで、これを「りつりん」と読むことは、それなりに広く知られているかもしれません。高松駅から3つ目であるにも関わらず、駅のナンバリングの数字が大きい(T25)ですが、これは徳島側から01・02・03と割り当てたため。

 ホーム上にある手洗い場[④]。「蒸気機関車があった時代の名残がここに・・・」と言いたいところでしたが、栗林駅が高架化されたのは1976年であり、その頃には、既に蒸気機関車は全廃されています。ホーム上に水を撒いて掃除をするときに使う水道だとでもいうのでしょうか? 天板のアルミ板がやたらと綺麗で、いかにも何かを塞いだような感じになっているところも気になります。

 2番線に列車がやってきました[⑤]。栗林8:08発の特急うずしお4号です。栗林駅にやってきたばかりで、まだ改札の外にも出ていませんが、これに乗って高松まで帰ります。そう、先ほど私が申し上げた”暇潰し”とは、「特に意味もなく栗林まで往復する(帰りは特急で!)」ということ。

 乗車時間はたったの5分で、もはや特急に乗る必要性が全くない区間であることはもちろんのこと、ましてや指定席に乗る必要は殊更にありません。いかに特急列車のグリーン車(指定席)が乗り降り自由といえども、「栗林〜高松で指定席券をとるのは、さすがに逆に惨めなのでは」とも思いましたが、「権利は行使してこそ」と考えを切り替え、結局指定席券をとりました[⑥]

 栗林から5分で終点の高松に到着[⑦]。高松に8:08という時間帯に到着する列車ということで、通勤・通学の需要を多く見込んでいるのか、このうずしお4号は、全てのうずしお号の中で最も長い5両編成で運転されています(5両あっても指定席は1号車の半室のみ、というところに、通勤・通学需要への対応が見られますね)。












 お遊びの時間はこれくらいにして、本当のお目当てに乗ることとします。8:25発の特急しまんと5号は、8番線から発車します[①]。一瞬、「ややっ、これも5両も繋いで走るのか」と思いましたが、こちらを向いているN2000系には「回送」の表示が出ています。

 モーニングEXP高松としては5両(その名の通り、これも通勤・通学向けの列車ですね)で運転されましたが、高松到着後、高松寄りの3両は切り離され、残る2両が特急しまんと5号として高知を目指して行きます[②]。「2両で高松を出て行くのだから、宇多津か多度津で南風と連結するのだろう」と思ったら・・・、どうも単独運転のまま終点の高知まで行くようで。

 高松を発車しました[③]。この列車で目指すのは丸亀です。所要時間は20分で、指定席券を取るほどの区間ではない(私はもちろん取りましたが)と思いますが、特急列車で移動するだけの需要は十分にあると思います。この時間帯はまだ快速サンポート号もありませんしね。なお、高松〜丸亀間の自由席特急料金は520円です。

 車窓に山が現れました[④]。四国というと、山がちな印象があるのではないかと思いますが(山が多いことはたしかですね)、香川県で最も高い山の標高は1060mで、「各都道府県の最高峰(m)」でランキングを作ると、香川県のこれは42位となります。また、可住地面積での順位は10位と、上位に入っています。つまり、香川県は、四国の中では比較的「平坦な」街というわけなのです。

 宇多津駅手前の合流ポイントが見えてきました[⑤]。児島・宇多津・坂出では三角線が形成されていて、各駅間は相互に直通することができます。なお、この写真を見ても分かるように、宇多津町は市街地化がかなり進行していて、この現代にありながらなお人口が増加している(県庁所在地ではないのに)ほか、その人口密度は、香川県の自治体としては最も高いものとなっています。

 ・・・という宇多津を、しまんと5号は通過してしまいます[⑥]。丸亀・多度津は全ての特急列車が停車しますが、宇多津は、現在でも通過列車の設定があります(坂出は、1日に2往復が運転される岡山〜徳島間を走るうずしお号が通過)。

 丸亀に着きました[⑦]。切妻形で、貫通扉も丸出しですが、特急列車です。2両しか繋いでいませんが、特急列車です。かつて北海道に1両編成の急行が実在していましたが(急行ノサップなど)、いずれは1両の特急も現れてしまうのでしょうか・・・と思ったら、どうも2007年に運転された臨時特急「人吉はやとの風」で、1両の特急が実現してしまっていたようです。


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