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 長崎県にやってきました[①]。沖縄県に続く2番目の訪問都道府県は、ここ長崎県と相成りました(一応、正式には、長崎”駅”に辿り着いた段階で「長崎県を訪問した」とする)。全国各地からの飛行機が絶え間なく発着する那覇空港と比較すると、長崎空港の発着便数は、幾分控えめなもので、到着便の間隔もだいぶ空いています[②]

 実は、長崎に高校時代の友人が住んでいて、彼のもとに遊びに行くために長崎空港を利用したことがあるため、この空港に来るのは、今回が初めてというわけではありません[④]。前回がそうで、そして今回もそのようにしますが、空港と駅の間の移動には、連絡バスを利用します[⑤] [⑥]。長崎駅前までの所要時間は、経由地によって異なりますが、45〜60分くらいです。結構かかる。

 空港連絡バスには、半ば当然のことながら、観光バスタイプの車両があてがわれるため、道中の時間そのものは快適です[⑦]。また、今回乗車した便は、乗車率がやたらと低く、結局隣にも誰も来ず、1人で2席を利用できたため、なおさら快適でした。

 東日本よりかは陽の長い西日本(長崎)ですが、そうはいっても2月ですから、長崎空港を出発する時点から、もう夕暮れ時です[⑧]。長崎空港は大村湾の洋上に聳え、長崎市街からも遠いという立地的にも、大村空港と呼んでやりたくなります(旧名は本当にそれ)。陸地と空港の間は、約1kmにも及ぶ長さの連絡橋によって結ばれています。

 太陽がじわりじわりとその位置を下げていくたびに、辺りの闇はより一層深くなっていきます[⑨]。焼けるような橙色と夜の闇の間には、刹那のグラデーションが描き出されますが、それらが調和している時間は長くはありません。最初の連絡橋を渡り終えると、特に見どころになる景色はもうないのですが、この夕焼けはたしかに綺麗でした。

 最終的に、空港から約55分で長崎駅前に到着しました[⑩]。本当に駅前まで行く便と、長崎駅前ターミナルと称されるバスターミナルに停車する便と、2種類の”長崎駅前”がありますが、私が乗車したのは後者のものでした。このバスターミナルからは、天神・博多行きのバスが頻発しているようで、JRの特急かもめ号の大きな競争相手となっていることでしょう[⑪]










 今日はもうこれ以上の移動はしないので、長崎で宿泊します。長崎駅のすぐ目の前にあるという好立地が自慢のホテルクオーレ長崎駅前が、今日のお宿です[①] [②]。見ての通り、建物は、ビルとビルの間に挟まれた縦長の造りをしているので、「これはちょっと眺望がまずいかも」と思っていましたが、案の定、私の部屋は「何も見えない」部屋でした。

 部屋は標準的な造りで、表立って目立つものはありません[③] [④]。私としては、やはり外の景色が見えていてほしかったものですが、まあ、立地上致し方ありません。ただ、ホテルで窓の外を見て、「この街では、この時間帯にはこれくらいの人が歩き、これくらいの交通量があって・・・」というような”街の様子”を見ることは、実は、旅先における大きな楽しみのひとつなんですよ。



















 今日はもうホテルでおとなしくしていようかとも思いましたが、明日からは、ひたすら鉄道で移動しまくる日々が続くようになります。残念ながら、最終目的地の札幌に辿り着くまで、観光らしい観光ができる時間は、ほとんどありません。

 幸い、私は、ここ長崎に高校時代の友人が住んでいて、かつ彼のもとに遊びにやってきたことがあるため、少しは長崎の街を知っています。そこで、長崎の夜景だけは見ておこうということで、長崎市街の夜景を見られる場所としては最もスタンダードな「稲佐山」にやってきました[①]。観光客にはあまり知られていない穴場として、「鍋冠山」もありますが、そこは既にその友人と共に行ったことがあります。

 ロープウェイで山頂に上がると、そこはカップルと親友たちの溜まり場になっていました[②]。男ひとりで来ている者は、他には見当たりませんでした。実は、せっかく長崎に来たのだからと、その高校時代の友人に「会えないか」と連絡をつけていたのですが、向こうの都合が合わなかったため、結局ひとりで長崎に繰り出すことになったわけです。

 三脚もリモコンもない中で、なんとか長崎の美しい夜景を写真に収めようと奮戦しました[③]。長崎・神戸・函館は、日本三大夜景と称されますが、神戸・函館が「山から海の方を眺める」視点になるのに対して、長崎は、地形上「山から山を眺める」ような視点になります。そのため、水平的な夜景が広がる神戸・函館とは異なり、長崎は、”光がないところ”に山があることを認識する夜景になります[④]

 山がちで、平地があまりないところに都市機能が集結した結果、その限られた平地には、都会らしい街並みが整っています[⑤]。また、稲佐山の頂上には、毎日必ずライトアップされる電波塔が建てられていて、長崎市街にラジオとテレビの電波を届けています[⑥]

 市街地には、さすがに残雪はありませんでしたが、ちょっと高いところ(それこそここ稲佐山)には、まだ先日降った雪が残っているようでした[⑦]。最終的には北国へ乗り込む以上、普通の運動靴でやってくるというわけにもいかず、今回は最初からスノーシューズを履いてきていますが、それが早速役に立ちそうです(冗談)。

 ロープウェイの下り最終便で地上に戻り、徒歩でホテルを目指します。山頂から見る夜景は当然綺麗ですが、長崎市街は、こうやって地上を歩いていても、その美しい夜景を堪能することができます[⑨]。ビル群の光は水面にも反射し、山の斜面にまで広がった市街地は、街灯りを縦方向にも広げます。このような夜景を見ながらであれば、ホテルまでの帰り道も苦にはなりません。

 もっとも、市街地から稲佐山のロープウェイに向けては、市内にあるホテルや駅前を経由しながら向かう無料バスが運行されていて、それに乗れば、行きも含めて、えっちらおっちら歩く必要などありませんでした。しかし、そのバスは予約制。ホテルクオーレ長崎駅前は経由するホテルに入っておらず、長崎駅前も、「稲佐山に行こう」と思ったころには、既に予約を受け付ける観光案内所が閉じていました。

 のんびりと道を歩き続けて、長崎駅前までやってきました[⑩] [⑪]。長崎駅は、2020年度中に高架化され、その後、2022年度には、九州新幹線長崎ルートが乗り入れる予定になっています。今のこの姿の駅が見られる期間は、実はそれほど長いものではありません。

 路面電車も走る長崎駅前は、車やバスに加えて、路面電車も行き交っているため、時間帯によっては、非常に賑やかです。が、さすがに23:00前くらいになると、やや交通の往来も落ち着いてきたでしょうか[⑫]。長崎駅前電停は、本線と支線が分岐する駅であり、しかもそれが互いに複線で分岐するものですから、4つの線路が折り重なっている光景は、なかなかにダイナミックです[⑬] [⑭]


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