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 奈良駅です[①]。知っている人は知っている事実ですが、この奈良駅、実は、JRの優等列車が全く来ない駅です(在来線に限定すると広島も含まれる)。県庁所在地の代表駅でありながら優等列車が来ないというのは、奈良以外にはありません。急行かすが号がその最後の生き残りでしたが、2006年3月のダイヤ改正で廃止されています。

 駅舎内[②]。大きな柱には吉野杉が使われ、天井は格天井となっています。過度な装飾は行われていませんが、古都らしさを思わせる造りです。そして駅では、やはりというか、外国人観光客が目立っていました。

 奈良駅周辺の様子[③] [④]。駅は2010年3月に全面高架化されたものですが、ご覧の通り、なぜか壁がやたらと高く、そのうえガラス張り等でもないので、外からは、ホームに停車している列車や人の様子を窺うことができません。景観がどうのこうのと謳うのなら、建物だけでなく、”壁”もまた低くあった方が良いような気もしますが。

 東口にある、なんだかおしゃれな寺院風の建物は、かつての奈良駅舎です[⑤]。1934年に竣工したこの駅舎は、現在の高架駅舎が完成するまで使われた2代目の駅舎で、本来は解体される予定でしたが、それを惜しむ声が多く寄せられたため、観光案内所に転用されたうえで使われ続けているとのこと。まあ、たしかに潰すには惜しいかもしれません。

 県庁所在地というと、もっと高層建築が林立しているという印象がありますが、奈良駅周辺はそうではありません[⑥]。奈良市そのものは一定規模の都市であると言えますが、真の中心部は近鉄奈良駅周辺ということなのか? それとも、例によって、奈良駅周辺にも、建築物の高さ規制があるのか? いずれにせよ、とても空が広いですよ。

 15:47発の大阪方面行き・大和路快速に乗車します[⑦]。なぜ「大阪行き」ではなく、「大阪方面行き」という微妙な言い方をしたのかというと、それはこの列車が、”環状線を一周し、最終的に天王寺で運転を終了する”という変な列車だから。関西本線を走って天王寺へ辿り着くと、そのまま大阪環状線を外回りして一周し、もう一度天王寺に着くと、そこが本当の終点です。



















 大和路快速もまた221系で運転されます[①]。行き先表示はどうなっているのかというと、「大阪」でも「天王寺」でもなく、「大阪環状線」[②]。これから走るのはどう考えても関西本線(大和路線)なのに「大阪環状線」というのは、明らかに正確ではありませんが、だからといって「大阪」もおかしいですし、「天王寺」だと、1回目の停車で打ち切りになると取れなくもありません。

 奈良を発車後、221系とすれ違い[③]。みやこ路快速で乗ったもの、そして今乗っているもの、それからすれ違っているもの、そのいずれもが、更新工事の施工が済んだ編成でした。国鉄型車両が多数残存している岡山・山口・下関あたりに玉突きで転出させれば、などと考えてしまいますが、221系はこれからも関西圏で活躍します。

 郡山に停車[④]。関東に在住している人間からすれば、「郡山」といえば、それはもう福島県の郡山市を思い浮かべるのですが、関西圏の人は、逆に奈良県の大和郡山市を考える人が多いことでしょう。関西本線の郡山駅は、旧国名等を冠さずに「郡山」とだけ名乗っているので、切符では、こちらは「(関)郡山」、福島のものは「(北)郡山」と表示されます。

 王子駅の手前で、近鉄田原本線の下をくぐります[⑤]。私鉄特有の?門型架線柱が目に留まります。田原本線は、ご覧のとおり単線で、列車は3両編成、そして最高速度は僅か65km/hと、大手私鉄の近鉄の路線ですが、まさにローカル線というローカル線です。

 市街地を離れ、列車は人気の少ない地帯に入ってきました[⑥]。いま、列車は、奈良県と大阪府の境を走っています。多くの県境がそうであるように、奈良と大阪の間もまた、山がちで人口は少なめです。河内堅上は、大阪府内に入ってから最初の駅ですが、”大阪府の駅”から想像される一般的なイメージとは対照的な、閑散とした駅です(ホームに雪が残っているくらいなわけで・・・)[⑦]

 八尾を通過します[⑧]。駅の至近にマンションが建つなど、都市的な雰囲気があります。利用客は多く、13000人ほどの乗車人員/1日がありますが、大和路快速は通過し、ひとつ先の久宝寺に停まります。その久宝寺の留置線には、ウグイス色の201系の姿がありましたが、戸袋窓がなくなり、張り上げ式の屋根になったその側面は、JR世代の新しい車両に見えなくもありません[⑨]

 おおさか東線の高架橋が分かれていきます[⑩]。分かれた!と思ったすぐその地点には、おおさか東線には新加美駅があり、一方関西本線には、加美駅があります。両駅は非常に近いところ同士にあり、連絡通路で結ばれてひとつの駅になっていてもおかしくないくらいです。万が一、新加美〜加美を移動する必要があるときは、列車は使わず、徒歩で行きましょう。

 平野〜東部市場前間で関西本線の線路の脇に展開する、百済貨物ターミナル駅。そこに、JR東日本からJR貨物に売却された、元北斗星号用のEF510形500番代の姿がありました[⑪]。側面の流星マークは剥がされましたが、青地に金帯という塗装は、北斗星号の牽引にあたっていた時代のものが堅持されています。

 天王寺に到着しました[⑫]。これはあくまでも”1度目の停車”で、この列車は、最終的には環状線を一周し、再度天王寺駅に戻ってきます。大阪までは大和路快速として走り、大阪からは普通列車となるのですが、それが「大阪行き」として表示される理由なのでしょうか。










 今日は和歌山を最終目的地としているので、16:32発の特急くろしお19号に乗り、和歌山を目指します[①]。入線してきたのは、683系・・・、いや、もとい289系[②]。個人的には、この色のこの顔を見れば、「サンダーバード」ないしは「しらさぎ」と思わずにはいられません。これを「くろしお」として認知できるようになるためには、もう少し時間が欲しいかもしれません・・・。

 和歌山までしか乗らないので、指定席をとるほどではないと思い、自由席に乗車したのですが、車内はそこそこに混んでいて、結局窓側の席を確保することはできませんでした[③]。くろしお号は、阪和線内においては、通勤・通学特急としての役割も持つので(現に、和歌山行き/和歌山始発の便もある)、まあ、想定されていたことではありました。

 外の景色こそまともに見られませんでしたが、快適なリクライニングシートと軽快な走りに身を任せれば、和歌山までの道のりは、紀州路快速などよりも格段に楽なものになります。45分弱で和歌山に到着し、今日の移動は終了です[④] [⑤]


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