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 JR東海とJR西日本の境界駅でもある亀山駅[①]。駅そのものについては、JR東海が管理しています。JR西日本との境界駅は、他に新大阪(新幹線)・米原(在来線)・猪谷がありますが、新大阪駅はJR東海で、あとのふたつはJR西日本となっています。公平に2つ同士となっているのは、意図的なものなのかどうか?

 現在、名古屋までの開業に向けて鋭意建設工事が進められているリニア中央新幹線。名古屋〜大阪間の経由地については、まだ本決まりはしていませんが、亀山市を経由する可能性が高いようです。そこで、駅前には、「Welcome リニア」と、リニアの駅ができることを期待する文言が[③]。来るべきときに備え、市では、リニア駅整備用の基金を積み立てていて、その額は、2017年度末で16億5000万円に達しています。

 一方、その看板を取り付ける土台となっている建物を見てみると・・・、まあ、正直、廃墟のような気がしてなりませんが・・・[④]。2階にある喫茶店は、なんとか生きているように見えますが(照明が点いていますね)、左にある旅館は、とても営業しているようには見えません。シャープの経営難は、このように地元経済にも大きな影響を与えています。

 びっしりと敷き詰められた瓦屋根が印象的な亀山駅舎[⑤]。先の通り、当駅はJR東海が管轄していますが、亀山・米原・新宮・猪谷・塩尻・辰野・甲府・国府津・熱海とある9つの境界駅のうち、JR東海が管理しているのは、亀山のみです。

 今回の旅においては、当初より、江津〜三次間の三江線の運行状況が懸念されていましたが(結局、”敗北”したわけですが)、実はもうひとつ、旅をする前から心配されていた要素がありました。それは、関西本線の亀山〜柘植間の不通です。2017年9月の台風21号によって、長期間運転を見合わせましたが、幸い、2018年1月9日より運転が再開されました[⑥]

 駅構内[⑦]。自動改札機が導入されています。出札補充券を使用して旅をしているので、自動改札機を使う場面は全くなく、どこの駅でも有人改札を通るのですが、ここでは別紙に印刷された経路の確認をされました。件の乗車券に対する反応や対応は、駅・駅員によってまちまちであり、何も見ずに通してくれる人もいれば、亀山駅のようにきちんと経路を見る人もいました。












 ここからはJR西日本の関西本線に乗り換え、柘植を目指します[①]。車両は2両編成のキハ120形。亀山〜加茂間は非電化となっていて、同区間を走る列車は、全て同形式による運転です。また、ワンマン運転も実施されていて、車内には、その乗り降りの仕方を案内する掲出がなされていたのですが・・・、「何をどうしたらこうなるのか」と言いたくなるくらいに、そのカバーが変色しています[②]

 亀山を出てしばらくすると、進行方向右手に、ホテルが2つ現れます[③]。もちろん、ここは亀山駅からだいぶ離れていますし、次の関駅は、ホテルが集うような大きな駅ではありません。では、なぜそのようなところにホテルが? その謎を解くのは、2つのキーワード。それは「亀山インターチェンジ」と「シャープ亀山工場」です。車での来訪者を当て込んでいるのかもしれません。

 関に到着[④]。ここは、かつての20系客車を宿泊施設として保有し、営業していた「国民宿舎 関ロッジ」の最寄り駅として、一部の鉄道ファンからは名高かったのですが、肝心の20系そのものが、残念ながら宿泊施設としての営業を終えてしまいました。また、車両については、2019年中に撤去・解体する予定ともなっています。

 加太で亀山行きの列車と行き違い[⑤]。関〜柘植間にある加太は、ちょうど峠越えの区間に設置されている駅であり、周囲は山に囲まれています。また、そのような山深い地帯を走っているということもあってか、加太の前後で、またしても降雪に遭遇しました[⑥]。積もりこそしていませんが、この”白い見通しの悪さ”は、まさに雪のソレ。

 柘植に到着しました[⑦]。2両編成だったので、席にもラクラク座ることができ、快適な道中でした。



















 たくしょく・・・ではなく、「つげ」です[①]。まあ、「柘」と「拓」では、部首が異なるわけですが。あまり目立たない駅ではありますが、関西本線と草津線が接続している駅であり、今では221系も乗り入れています[②]

 草津線は電化路線で、関西本線は非電化路線であるため、草津線の列車は全て柘植で打ち止めとなります[③]。一方、草津側については、これから乗る列車が京都行きであるように、東海道本線に乗り入れる運用もあり、平日朝の片道1本のみではありますが、大阪行きという列車も運転されています。ただし、草津から東へ行くことはありません。

 これから乗車するのは、221系による列車です[④]。221系=新しくて綺麗、という時代でもなくなり(113系や117系と比べれば、もちろん新しいのですが)、原形の221系に当たれば、必ずしも頗る快適とも限らないものですが、この編成は体質改善工事が施工された編成でした[⑤]。車内は225系ばりに明るく、かつ綺麗になっていて、パッと見では221系だとは分かりません。

 元々の221系は、車内の妻面側に情報表示機が取り付けられていましたが、更新工事を受けた編成では、223系以降の車両と同様に、乗降扉上への設置とされました(千鳥配置)[⑥]。座席については、オール転換式クロスシートの構成を堅持しつつ、モケットが225系で使用されているものと同等のものに張り替えられ、座り心地も向上しました[⑦]

 草津線は、直線区間が非常に多い路線として知られています[⑧]。それは、車内から前方を見てみても、よく分かります。貴生川〜三雲間は、やや曲線が多いですが、それを除けば、ほぼ全線に渡って直線的な線形が続きます。路線最高速度は95km/hで、快速列車の類は運転されていませんが、速達列車を運転すれば、それなりの効果は現れそうな気がします。

 ずっと関東で暮らしている私が、「ここは東日本ではない」と認識する要素が、列車内にあります。それは、吊り革の形状です[⑨]。JR東日本では、吊り革の形状は三角形を基本としていますが、逆にそれ以外のJR各社では、丸形を基本としています。ずっと使い慣れているから・・・なのかもしれませんが、私は、やはり三角形の方が好きですね。その方が手に馴染みますから。

 117系の上り列車と行き違い[⑩]。ピーマンに負けないくらいの濃い緑色です。山手線のラインカラーとして使用されているウグイス色くらいであれば、同じ「緑一色」でも、まだ妙な感じはしないと思うのですが、ここまで濃ゆい緑でベタ塗りにされると・・・。

 沿線の主要駅、貴生川に到着[⑪]。他のJR線との接続はありませんが、近江鉄道と信楽高原鉄道に接続しています。終点の草津のひとつ手前である手原は、栗東市内にある駅で、駅周辺には住宅街や工業団地が開発されています[⑬]

 終点の草津に着きました[⑭]。このまま終点の京都まで行き、今日は京都で泊まる・・・と言いたいところですが、そうすると”(暇潰し以外で)同じ駅を2度通る”こととなり、今回の旅における規則に違反します。ま、それもそうなのですが、もっと切実な事情があり、土曜日に京都市内で宿泊しようものなら、その宿代は・・・、推して知るべし!


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