◆2月19日◆
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 名古屋で迎える新しい一日[①]。当初の予定では、昨日は岐阜で移動を終了し、岐阜で宿泊する予定でした。名古屋は既に”宿泊経験”があるので、まだ泊まっていない土地という意味では、岐阜の方が面白かったのかもしれません(が、翌日の起床がかなり早くなる)。

 今日はまず東海道新幹線に乗ります[②]。在籍する編成が続々と引退し、2019年度いっぱいで東海道新幹線から引退する予定となっている700系ですが、駅構内の案内等で使用されるピクトグラムでは、まだ多くの”生き残り”があります。駅によっては、まだ0系や100系を使用したものが残っている可能性もあるかもしれません。

 全国の新幹線の中でも屈指の過密ダイヤを誇る東海道新幹線は、朝7時台でも、次から次へと列車がやってきます[③]。下り・上り共に、5分前後での運転間隔となっていて、最も詰まっているところでは、2分後に次の列車が出ています。東海道新幹線ということで、これらの列車は、いずれも定員1,323人。その総輸送力たるや・・・、です。

 これから乗るのは、7:35発のひかり506号です[⑤]。”静岡県”を目指すために静岡駅に向かいますが、この列車は、浜松・静岡・新横浜・品川の順で停車していきます。のぞみ号は停車させられないが、しかしこだま号だけというわけにはいかない、という規模の都市の駅を押さえた、いかにも”ひかり号らしい”停車駅設定。

 2007年に営業運転を開始したN700系は、当初は、のぞみ号に優先的に導入されていきました。改良型のN700Aが現れ、そして更に次世代のN700Sの投入も控えた今となっては、N700系は、ひかり号・こだま号でも当たり前のように見られる存在となっています[⑥]。2019年8月現在、東海道新幹線における700系の定期運用は、もはや2.5往復のこだま号を残すのみです。

 15番線から1本先に出るこだま632号がやってきました[⑦]。普通のN700系は、全てN700Aと同等の仕様になるように改造が施され、”普通のN700系”は消滅しました。しかし、正規のN700Aと、改造によるN700Aは、ロゴによって見分けることが可能です(落成当初からN700Aのものは、ロゴにある”A”が、写真のように超巨大)。

 名古屋駅を通過する列車は設定されていませんが、ホームドアが整備されています[⑧]。新幹線の駅におけるホームドアは、以前は、”ホームに接した線路を列車が通過する”ところ・・・、熱海駅や新神戸駅にのみあるものでしたが、現在は、名古屋駅のような”ホームに接した線路を列車が通過することがない駅”への設置も進んでいます。

 下り16番線に、名古屋始発のひかり495号が入線してきました[⑨] [⑩]。現在、東海道新幹線では、ひかり号は基本的に東京〜新大阪・岡山間のみで運転されていますが、朝や夜には、新横浜発広島行き、名古屋発広島・博多行きといった列車の設定もあります[⑪]。そして、1日に1本だけ、”東京発広島行き”のひかり号もあります。



















 ひかり506号が入ります[①]。2017年3月のダイヤ改正で、東海道新幹線を走る全ての定期ひかり号がN700系による運転となったため、この列車もN700系が充てられています。今となっては、700系こそが”狙わないと乗れない”車両になりました。

 朝、まだ太陽も昇りきらない名古屋の街を後にして、列車は東京を目指して走り出します[②]。豊橋は、東海道新幹線の駅としては珍しく、地上部に新幹線の線路・ホームが敷設されているため(他は米原・品川)、その目線は、在来線と同じ高さです[③]。向こうには、名鉄線の車両が見えていますね。豊橋〜平井信号場まで、名鉄線とJR飯田線は、その線路を共用しています。

 豊橋〜浜松間で、浜名湖の脇を通過します[④]。浜名湖は南北方向に広がる湖で、東海道新幹線の線路は東西方向に貫いているので、残念ながら、列車内の車窓からは、ここでの日の出や日没には期待できません。旅行でこの列車に乗っている私は、こうして車窓を見る余裕がありますが、用務で乗っている人たちは、そうもいかないことでしょう(私も、仕事で乗るときはそうです)。

 浜松駅の手前で、JR東海の浜松工場が見られます[⑤]。毎年8月に一般公開を行っていることでも知られていますね。子供のころ、1度だけその工場見学に行ったことがありますが、浜松ということで、ひかり号 or こだま号に乗り、100系に乗車したことを覚えています。普通車なのに足置きがあり、子供ながらにちょっと感動したという記憶が・・・。

 東海道新幹線では、ところどころ、その線路が東海道本線に非常に接近する箇所があります、例えば、愛野駅では、新幹線の線路は、在来線(のホーム)のすぐ脇を通過していて、まるで「新幹線の愛野駅」を通過しているかのような気分になります[⑦]。橋上駅舎の通路も、新幹線の線路を跨いで設置されていて、通路からは、疾走する新幹線を眼下に見ることが可能です。

 掛川を通過します[⑧]。東海道本線・天竜浜名湖鉄道と接続し、交通の要衝にもなる駅ですが、ひかり号は全列車が通過となっていて、こだま号しか停車しません。新幹線の掛川駅(1988年開業)は「元々の構造物を生かしながら、その脇にホームを設ける」という手法をとったため、本線には、”本線しかなかったころ”の名残として、門型の架線柱が残存しています(三河安城駅も同様)。

 窓の向こうに藤枝市街が見えます[⑨]。東海道新幹線の沿線には、小〜中規模の都市がいくつもありますが、なるだけ直線的な線形となるような経路をとったため、時に「新幹線の車窓から、在来線の主要駅付近の市街地が見える」ということが起こります。新幹線は藤枝市内を通りますが、その駅がないのはもちろんのこと、線路も街はずれを通っています。

 静岡で列車を降りて・・・、いやあ、驚きました。静岡から乗る人が多いであろうことは、事前に想像がついていましたが、まさか静岡で降りる人がこれほどにも多いとは[⑪]。この写真に写っている人々は、皆、静岡でひかり506号を下車した人たちです。浜松や名古屋から静岡に新幹線通勤をしているのか?それとも、用務でやってきたのか? いずれにしても、予想外の出来事でした。

 浜松で通過待ちを行いましたが、静岡でも通過待ちがあります[⑬]。こだま号における通過待ちの多さは、もはや言及するまでもありませんが、ひかり号でも、通過待ちは多々発生します。結局、のぞみ号の停車駅以外で停まってしまうと、後からやってくるのぞみ号にすぐに追いつかれてしまうわけです(新横浜〜名古屋間で小田原にのみ停車する便は、新横浜・名古屋まで逃げ切れる)。


















 静岡にやってきました[①]。もう飽きるほどに”乗り鉄”をやっていますが、静岡駅で下車するのは、今回が初めてです。サンライズ瀬戸・出雲号に乗れば、静岡で乗り降りするはずはありませんし、東海道新幹線に乗れば、それはまずのぞみ号であり、静岡は通過してしまいます。また、静岡駅は、他に分岐する路線がないので、乗り換えのための下車も発生しえなかったのです。

 新幹線ホームは、2面2線+通過線という構造になっています[②]。始終着列車の設定に向いた構造とは言えませんが、新幹線でも、静岡行き・静岡始発のこだま号の設定があります。新幹線・在来線ともに高架化されていて、駅のコンコースは、線路下の空間に設けられています[③]。自由通路は、南北方向に貫いています。

 人口減少が止まらない静岡市ですが、それでもここは”政令指定都市”。都市としての風格と威容は、十二分に備えています[⑤] [⑥]。いま、目の前に、スルガ銀行と静岡銀行の支店が見えていますが[⑦]、静岡県にはもうひとつの地方銀行として「清水銀行」があり、この結果、静岡県は、3つの地方銀行を抱える地方自治体となっています(福岡県は4つ)。

 駅の南口を出たすぐそこに、JR東海の静岡支社が鎮座しています[⑧]。ライナー系の列車が疎まれがち(JR九州・JR西日本では全廃済み、JR東日本の首都圏エリアは2020年3月で消滅)な現代にあっては珍しく、JR東海では、ライナー系の列車が充実していて、静岡地区・名古屋地区・中央西線でそれぞれ特急型車両を使用したライナー列車が運転されています[⑨]

 現在、いわゆる「リニア中央新幹線」の建設が進んでいます[⑩]。東京・名古屋・大阪を一直線に結ぶことを標榜しているため、静岡県はほぼ無視される予定で、駅の設置もありません[⑪]

 では、リニア中央新幹線は、静岡県にとっては無意味なものなのか?というと、そのようなことはなく、速達需要・・・のぞみ号への需要を中央新幹線が担うことにより、東海道新幹線からのぞみ号を減らせる⇒ひかり号・こだま号の増発余地ができる、という副次的効果をもたらします[⑫]。まあ、そんなことより、とりあえず、毎時2本のひかり号を、いずれも静岡・浜松に停車させてはいかがでしょうか。


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