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◆2月21日◆
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 旅先でホテルに泊まったときの楽しみのひとつは、NHKのデータ放送です。NHKのデータ放送の内容は、各地域の放送局ごとに異なっていて、例えば福島(いわき)では、東北地方のJR在来線の運行情報を提供していました[①]。このほかの例としては、釧路(根室)では、道内の特急列車の空席情報の提供がありました。

 いわき駅です[②]。列車の本数は少ない(常磐線も、磐越東線も)ですが、自動改札機は5レーン分用意されています。朝の通勤・通学時間帯など、1本の列車から降りる人がガッと多いときには、この処理能力が役立っていそうです。

 常磐線が岩沼(仙台)まで通っていれば、それも選択肢になりますが、今はまだ不通区間があるので、今回は磐越東線で先へ進みます(代行バスはありますが、所詮は”バス”なので、なるだけ使わない方が良い)。8:41発の郡山行きに乗車します[③] [④]。これを逃すと、次は13:13まで列車がありません。区間運転の列車すらもありません。本当に本数が少ないです・・・。

 磐越東線には、「ゆうゆうあぶくまライン」という路線愛称があります[⑤]。が、別に発車標に併記されるわけでもないので、浸透度はイマイチだと思います。磐越西線の「森と水とロマンの鉄道」は、例えばSLばんえつ号の車内放送で、「今日は、森と水とロマンの鉄道、磐越西線にご乗車いただきまして・・・」といった形で触れられることもあるので、まだ名が通っているような気がします。

 磐越東線ホームにある駅名標[⑥]。隣の駅が「赤井」しかないので、昨晩見た常磐線ホームにあるものよりも、より一層シンプル度合いに拍車がかかっています。なんというか、白い!とにかく白いです・・・(面積的に)。

 10両編成のE501系が回送列車として停車していました[⑦]。E501系は、見ての通りの通勤型仕様で、座席はオールロングシートです。もとより、常磐線の上野口で運用することを想定(常磐快速線を交流区間の土浦まで伸ばすイメージ)していたわけですから、いわきで10両・オールロングシートとなると、かなり”持て余し”そうです。ラッシュ時の水戸でも果たしてどうでしょうか?



















 キハ110系2両編成の列車に乗車します[①]。足回りを見てみると、僅かながら、雪が付着していました[②]。いわきも、郡山も、雪はそうそう降る街ではないので、この途中の区間に、降雪があるような場所が存在しているようです。まあ、思いっきり「山越え」をしていくわけですから、そういうところくらいあるのでしょうね。

 車内は、ロングシート[③]とクロスシート[④]が混在するセミクロス仕様。学生らで混む時間帯がある一方で、閑散時間帯は長距離移動における快適さを提供する必要もあるので、その”いいとこどり”。なお、そういう意味では、クロスシート部は、通常は2+2配列ですが、キハ110系やキハE130系など、地方線区に導入されたJR東日本の気動車では、これを2+1とし、立ち客の収容力向上を図っています。

 一昔前までの気動車は、床と壁の間に配管が走り、それが結構邪魔なものでした。窓側の足を内側に不自然に寄せたり、あるいは配管の上に足を置いて”膝を突き立てる”ようにしたりするなど、自然な姿勢をとることが困難でした。いま、キハ110系では、車内での配管の出っ張りはほぼなく、この程度です[⑤]。そしてキハE130系、キハ25形、キハ127系といった新世代の車両では、配管は全くありません。

 通勤・通学時間帯が終わった後ということもあってか、車内はガラガラ[⑥]。まあ、需要がもっとあるのならば、8:41発の次が13:13発などということにはなりませんよね・・・。そのような時間帯でも、高速バスは、1時間1本は走っているわけですが、逆にいえば、バス1台程度で賄える程度の需要しかない、と言い換えることもできます。

 8:41発の常磐線・水戸行きの普通列車を追いかけます[⑦]。磐越東線と常磐線は、それぞれ独立した線路を持ち、駅構内でも配線が分離されている(もちろん、互いに渡ることは可能)ので、このような同時発車が起こることもあります。E531系の普通列車は、なかなか速度を上げないようで、気が付いたら、こちらが追い抜こうとしていました[⑧]。そして常磐線と分かれます[⑨]

 小川郷に到着[⑩]。磐越東線は、全列車が普通列車なので、必ず各駅に停まります。ワム80000形貨車が倉庫として再利用されているようでしたが、この手の”再利用倉庫”としては珍しく、状態はかなり良いようでした(再塗装をしたばかりのようにも見える)。倉庫をわざわざ水で洗う人がいないように、こういうものは、結構手入れもされずに錆び付くことが多いので・・・。

 進行方向左手に現れる夏井川[⑫] [⑬]。ちなみに、「なるほど、この夏井川の別名が阿武隈川なのか」などと思ってしまいそうになりますが、実際には異なります。阿武隈川は、郡山市や福島市、岩沼市などを通りながら南北方向に流れる川で、磐越東線においては、郡山の駅の手前でこれを渡る、という程度の関わりしかありません。あれ、「ゆうゆうあぶくまライン」って・・・。

 川前でいわき行きの列車と行き違いを行います[⑭]。山の中にある小さな駅で、ひとつ手前の江田とは8.0km、次の夏井とは10.4kmの駅間距離があります。「前後の駅との距離の合計値」は、磐越東線の中でも、川前が1位です。















 9:24、小野新町に到着[②]。「おのしんまち」ではなく、「おのにいまち」です。磐越東線における拠点となる駅で、郡山方面からの列車の多くはここで折り返し、いわき方面からも、1日に1往復、ここを始終着とする列車が設定されています。主要駅らしく、駅舎もまずまず立派です。特に列車交換を行うわけではありませんが、ここで4分間停車します。

 小野新町を出たあたりから、だんだんと雪の量が増え、次の神俣では、地面の大部分が雪に覆われていました[③]。峠越えの区間は終わったので、もうこれ以上雪が増えることはないだろう、と思っていたのですが。辺り一面がうっすらと雪に覆われてもいますが、しかし、これから先の本格的な豪雪地帯に比べれば、こんなものは前哨戦も前哨戦です[④]

 大越では、雪がちらちらと舞っていました[⑤]。しかし、日差しが出かかっているくらいには明るいからなのか、外は、それほど寒そうには見えません。恐らく、「ちょっとひんやり」という程度でしょう。まあ、ここらへんで「寒い」などとは言っていられません。

 磐城常葉に停車[⑥]。”常葉”と書いて”ときわ”と読むようです。静岡に「常葉(とこは)大学」がありますが、漢字は同じでも、読みが違います。ところで、”ときわ”という単語は、このように常葉と書くこともあれば、常盤(駅名で使われるときはこれが多い)、常磐(特急ときわ号を漢字に戻すとこれ)と書くこともあります。同じ読みで3つの漢字。ちょっと奥深いです。

 郡山のひとつ手前、舞木に到着[⑧]。郡山の直前に至っても、なお雪がこれだけあるのですが、あるいは、郡山は結構雪が降っていたのでしょうか(そのような情報は効いていませんが・・・)。ちなみに、ここは郡山市内ですが、舞木を出た後、185mほど三春町内を走り、そして再び郡山市に戻ります。たった185mだけ、別の自治体に脱出します。

 郡山駅前に聳える地上133mの高層ビル、「ビッグアイ」は、郡山市のランドマークです。郡山市どころか、福島県全体としても最も高い建築物であるこのタワーは、遠くからでも目立ちます[⑨]。よって、これが見えると、まもなく郡山だということです。いわきから1時間40分ほどで、列車は終点の郡山に着きました[⑩]


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