◆2月22日◆
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 7:36発の列車で新前橋まで移動します[①]。もうまもなく、朝の通勤・通学が本格化しようかという時間帯ですが、下りの桐生行きとして、多くの学生を乗せた115系がやってきました[②] [③]。今日は、これから乗る高崎行きと、新前橋から乗る水上行きと、115系が充当される”可能性”がある列車が2本ありますが、残念ながら、そのどちらも211系であることを、私は既に把握しています。

 閉まっている扉と開いている扉の混在。その開いている扉も、どのように開けられているかというのは、モノによってばらつきあり[④]。これはまさに、”手動での扉の開け閉め”をしているからに他なりません。半自動ならば、扉は最後まできちんと開き切るので、「中途半端に開いている扉」というのは、存在しえないのです。

 115系は、1964年から、群馬県内を走り続けてきました。昨日のポスターに言わせれば、まさしく「おじいちゃんが乗った。お母さんが乗った。そして僕も乗った」という、親子3世代に渡って活躍してきた存在でした[⑤]。115系は、いわば”共通の話題”になり、親子間の経験や文化の違いを埋めることが可能なものであったということができるでしょう[⑥]












 新前橋で次の上越線の列車を待ちます。前橋の隣の「新前橋」ということで、間に利根川を挟んではいますが、駅周辺の発展度合いという点では、基本的には、前橋市街がそのまま延長してきたような感じです[①] [②]

 ガラス張りの三角屋根を持つ駅舎が特徴的な新前橋駅は、高崎駅ほどではないものの、上越線・両毛線・(高崎線)・(吾妻線)の利用が可能なターミナル駅で、全ての列車が停車します[③]。寝台特急あけぼの号の廃止により、新前橋を通過する列車は消滅しました。”新”を名乗ってはいますが、むしろ前橋駅の方が、両毛線という支線上にあります。

 新前橋駅構内には、高崎車両センターの本所があります[⑤]。ここでは、様々な車両を目にすることができますが、いま、一番目が行ってしまうのは、やはりなんといっても115系です[⑥]。この写真の左側には、リゾートやまどりの姿が見えますが、それがどうでもよく思えるくらいには、115系に対して圧倒的な関心が向いています。

 次に乗るのは、7:57発の水上行きです[⑦]。上越線は、寝台特急あけぼの号では、結構な回数を通りましたが、昼間に通ったことは、数えるほどしかないような気がします。明るい時間帯に見る上越線は、果たしてどのようなものでしょうか?



















 知ってはいましたが、水上行きは、211系での運転でした[①]。「突発的な運用変更が起こって、115系が充当されてはいないだろうか?」と、ちょっと期待もしましたが、所定通りに211系。まあ、それを言うと、逆に昨日が、本来ならば115系のところに、何らかの事情をもって211系が使われた可能性もあったわけですけれどもね。

 渋川に着きました[②]。伊香保温泉の最寄り駅であり、SLぐんまみなかみ号の停車駅にもなっていることからか、JR東日本の標準様式のものとは異なる、レトロな意匠をした駅名標が使われています。駅名標のみならず、化粧室への出入り口の目隠しも、同様のデザインとなっていますが、写真にチラッと写っているものを見る限り、便所そのものは、特に改装はされていないようです[③]

 と、ここで、クモヤ145形と遭遇しました[④]。「寒い季節の、寒い時間帯に、寒い場所をクモヤ145形が走る」となると、恐らく、上越線や吾妻線の霜取りに出て、ちょうどそれが終了して引き上げてきたというところでしょう。普通の車両とは明らかに異なる外観、造り、出で立ちは、いかにも事業用車両という雰囲気が出ています。

 渋川を出ると、列車は利根川を渡ります[⑤]。せせらぐ大河に、程よい青空と雲。遠い向こうには、てっぺんに雪を頂いた山々が、天空にその稜線を描いています[⑥]。日差しを強く浴びている頂上は、黄色とも白色ともつかない複雑な色合いを呈し、その陰に浮かび上がる青色や黒色の存在も相まって、とてもよく輝いて見えます。

 上越線は、随所に素晴らしい眺めがあるのですが、ここで運用される211系は、オールロングシートの3000番代です[⑦]。まあ、これくらいガラガラであるなら、ある程度”自由な姿勢”をとっても許されるので、まだいいのですが・・・。
 ただ、超厳密に言うと、3000番代にも、1か所だけ、クロスシートがあります。それは、”便所の前の席”。この写真の右奥に写っているのがそれで、便所の前に当たる場所は、”ロングシートをクロス方向に”置いています。

 津久田発車後、再度利根川を渡ります[⑨]。茨城県出身なので、利根川とはある程度の縁があるつもりでいましたが、そういえば、茨城県内においては、利根川は、せいぜい千葉県との県境を形成するために流れている程度なのですよね。そういうわけで、「県土を貫く大河・・・」といったものではなく、「千葉に行くときは、いつもこれを渡るなあ」という具合です。

 岩本駅には、岩本発電所があります[⑩]。落差を利用して発電する水力発電所で、山の木々に隠れていてその全貌が分かりにくいですが、導水路は16km以上の長さがあり、その起点は、上毛高原駅よりも先の上牧駅手前付近にまで至ります。

 澄み渡る青空が澄めば澄むほど、雪山の存在は、より一層引き立ちます[⑪]。これから先、私は、上越国境を越えて、いよいよ北国へと進んでいきます(そして、今度こそ、もう暖かいところには戻ってきません)。枯れ木の存在さえも埋め尽くしてしまった、まさに清純、穢れなき純白。神々しささえある、美しい雪山の眺めです。

 8:39、列車は後閑に着きました[⑬]。「あれ、水上まで乗らないのか?」と聞かれそうですが、はい、水上までは行きません。私は、ここ後関で下車します[⑭]。とても勘の鋭い方なら、新前橋駅の発車標の写真で、「おや、長岡行きに接続する便じゃないのか?」と思われていたかもしれませんね。もちろん、後閑で降りたことには、きちんとした意味がありますよ。


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