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北陸本線1010M 特急はくたか10号(681系)
糸魚川(13:53)〜富山(14:39)

短い6両編成①

えび釜めし②

車窓から日本海③

普通列車とのすれ違い④

富山に到着⑤

 はくたか号には6両編成と9両編成の2種類がありますが、乗車するはくたか10号は6両編成で、今日はJR西日本の「ホワイトウィング」での運転でした。「今日は」と書きましたが、北越急行のスノーラビット編成とJR西日本のホワイトウィング編成は共通運用です。ただし、北越急行の公式サイトで1か月分の運用予定表(○月○日のはくたか○号には△△編成を充当する予定)が公開されているので、全くのランダムというわけでもありません。

 この列車への乗車中に、昼食を食べます。本来であればおにぎりなどを購入しているところですが、糸魚川駅の売店ではおにぎりやサンドイッチの取り扱いがなかったので、同駅の駅弁である、えび釜飯を購入しました[②]。おぎのやの峠の釜めしは、容器が本当に陶器でできていますが、このえび釜飯はプラスチックでした。それでもつくりはしっかりしていたので、容器は再利用の可能性を考えて捨てずに持ち帰りました。

 車窓から日本海をよく見ることができる区間がありました[③]。ここまでに乗ってきた飯田線も大糸線も山あいを走る路線で、この後富山から乗車する高山本線も同じです。今回の旅は、山あいを走る路線が乗車の中心なので、殊に、列車内からまともに海を見るとなると、この北陸本線のはくたか10号くらいしかないかもしれません。ちなみに、親不知駅付近を走行中に、「(前略)しばらくの間車窓をお楽しみください」という放送が入りました。

 糸魚川〜富山間79.0km、途中停車駅は魚津のみ、所要時間は46分。表定速度は約103km/hという走りで、14:39に下車駅の富山に定刻で到着しました[⑤]。はくたか10号は富山を後にし、59.4km先の終点の金沢を目指します。








◆富  山  駅◆


新幹線建設工事①

北口駅舎②

暑さ対策③

?④

都会の面持ち⑤

商魂たくましいわ⑥

高山本線へ⑦

特急といえども⑧

まるでシール⑨

3両編成のキハ85系⑩

 久しぶりの富山駅、と言っても良いかもしれません。何せ、前回の来訪から、まだ8か月しか経っていないんですから。地元に近いところの駅ならともかく、富山のような遠い駅に8か月という短い間隔で来ることは、あまりないことです。

 富山駅でも、北陸新幹線の建設工事が進んでいますが[①]、糸魚川駅と決定的に違うのは、富山駅が、富山県の県庁所在地である富山市の中心駅だということです。富山市のような県庁所在地クラスの都市に新幹線がやってくることは、人口などの規模が小さめの小都市(糸魚川はこちらに属すでしょう)にやってくること以上に大きな意味があるでしょう。

 前回の来訪では南口から出たので、今回は反対の北口から出てみました。駅前にはいきなり北陸電力の本社ビルがあったりと、県庁所在地らしい発展と繁栄がうかがえました。なお、北陸新幹線の工事が行われている関係で、現在、富山駅は北口も南口も、仮駅舎で営業しています[②]。まあ、たしかにこれは正直「ショボい」ですね。

 北口を出てすぐのところに、富山ライトレールの富山駅北駅がありますが、そのホームの屋根からは、暑さ対策でしょうか、水の霧が放出されていました[③]。これがどの程度の効果を発揮しているのかは分かりませんが、わざとこの霧が直撃するところに立ってみたものの、涼しいとは思えなかったので、その効果は微々たるものでしょうか。

 北口で目についた2つの時計のうち、1つは全く違う時刻になっていました[④]。駅構内にある時計は寸分の狂いも許されないところでしょうが、駅前となれば、一応駅構内ではありませんから、まあそこは大らかにね。

 地下道によって、北口と南口は結ばれています。その地下道を通って、南口の方へやってきました。大きめの建物が密集している[⑤]あたりはさすがというところか。北口の駅前では見当たらなかったホテルが、南口の方では結構目についたので、ホテルは南口の方に多くあるようです。

 夏ということでか、南口の入り口付近には風鈴がありましたが、札に書いてあったものは「夏の関西1デイパス」[⑥]。宣伝できるところでしっかり宣伝しておくということですかね、いや商魂たくましい。しかし、もう1つ面白いことは、”関西”1デイパスの宣伝を、富山でしていることですね。以前、”上越新幹線”が通る高崎駅で”東北新幹線”を走るE5系の登場広告を見かけたときの面白さに通じるものがあります。

 さて、富山からは高山本線を上っていきます。まず乗るのは15:10発の特急ひだ18号[⑦]。ひだ号は高山本線を走る唯一の定期の特急列車です。そのひだ18号は、切欠きホームの1番線に停車していました[⑧]。富山駅では、切欠きとなっている1番線は高山本線専用です(一部、普通ホームの2番線より発車)。特急列車であるひだ号もそこからです。切欠きホームというと、ローカル列車が停車するところという印象があるんですがね。

 1番線には普通の吊り下げ式の駅名標はなく、その代わり壁に駅名標があるんですが、それは珍しげなシール風の駅名標[⑨]。壁に付けるという関係上、通行の邪魔にならないように、これほどの薄いものを採用したのではないかと想像しますが、なんだか、本当に爪でも差し込んでペリペリッと剥がせそうな気がします。

 ひだ18号はキハ85系3両編成[⑩]。高山方は貫通型、富山方は非貫通型でした。どっちの方が好みかと聞かれれば、私は前者と答えますね。貫通扉や幌がない分、より綺麗で整った顔つきをしているのが後者であることは間違いありませんが、ジャンパホースを見せつけ、幌も渡り板も隠さないで晒す、その無骨さが私は好きなんです。







高山本線1038D 特急ひだ18号(キハ85系)
富山(15:10)〜下呂(17:26)

座席①

空いていたし②

Y字分岐③

川渡り④

スノーシェルター⑤

特急優先⑥

普通車だけれども⑦

既にたくさんの人が⑧

サンドイッチ状態⑨

下呂に到着⑩

 電化計画もあった高山本線ですが、結局最初期の段階の工事が行われた時点で工事は中断、計画も中止となりました。そんなわけで気動車であるキハ85系が、現在特急ひだ号として高山本線を走っています。

 下呂までの乗車にあたって購入した指定席特急券には、8号車3番A席が指定されていました。8号車はガラガラで、私を含めても6〜7人程度の乗客しかいませんでしたが、なぜか隣のB席に他のお客が。火を見るより明らかなガラガラなのに、なぜ詰めて指定券が発見されているのか?指定券を発券した駅員か、あるいはそのお客の嫌がらせか(←はさすがに邪推の極みですが)?

 念のためにB席のお客に間違ったところに座っていないか聞いてみたものの、確かに指定券には8号車3番B席の文字が。しかしガラガラなのに詰めて座る理由などないので、空いていた1番D席に座ることにしました[②]

 で、1番席は運転室の直後にあるので、前面展望を楽しむことができます。いわゆるパノラマ型グリーン車の類でないのに(普通車なのに)前面展望ができるというのは、実に良いことですね。

 列車は15:10に定刻で富山を発車しました。高山本線は岐阜〜富山間のうち、猪谷〜富山間はJR西日本の管轄となっているので、しばらくはJR西日本の区間を進んでいきます。岐阜〜高山間では、分岐器を110km/hで通過できるものに交換するなどの高速化のための施策が行われましたが、高山以北では特に何もされていません。ですから、JR西日本区間では、最高50km/hでの通過しかできないY字分岐が見られます[③]

 打保駅は、岐阜県飛騨市のうち、特別豪雪地帯であった旧宮川村のところにあります。そのためか、駅構内の分岐器はスノーシェルターで保護されています[⑤]。なお高山本線では、スノーシェルターは打保駅構内に設置されたものしか存在しません。ちなみに、冬季はこういう具合になるようです。

 飛騨細江駅で、下りの普通列車と交換を行いました[⑥]。かつては、特急列車といえば”特別急行”であり、常に優先される存在でしたが、今はそうではなく、特急が普通列車の到着を待って交換することもあります。また、普通列車より遅い特急や、快速に抜かれる特急さえもあります。そういう時代となった中で、普通列車が特急を待つという、基本に忠実なことが行われたのは良いですね(別に特急の客なんだぞという驕りではない)。

 キハ85系に限ったことではなく、これはJR東海の在来線の特急型車両全てに共通していることですが、普通車であっても足置きがあります[⑦]。もちろん、なんだかんだ言っても普通車なので、簡易的な作りのものではありますが。新幹線でも普通車に足置きを付けてくれたら嬉しいですが、東海道新幹線では、JR東海が製造した100系G編成の後期の編成で普通車に足置きがあったのが最初で最後です。

 高山駅は、飛騨の小京都とも呼ばれる高山市の代表駅で、ここを始終着とする列車が多数設定されています。ひだ号も、約半分は名古屋〜高山間の運転です。1日平均の乗車人員は約1500人で、紛れもなく、高山本線における主要駅の1つです。私も、「高山からは多くの人が乗ってくるだろう」と予想はしていましたが、駅への入線時、前面展望から見えたのは、ホームでひだ18号を待つ多くの人たち・・・[⑧]

 高山に到着して乗降扉が開くと、8号車指定席にもまあ乗ってくるわ乗ってくるわ。高山で前側に3両増結するんですが、それでも、全座席数の1割ちょっとくらいしか乗っていなかった8号車は、あっという間に8割強くらいが埋まってしまいました。そして、ここ高山でついに1番D席の正規のお客が現れ、私は本当の自分の席である3番A席へ移動しました。

 陰-光-陰という、えー、光が陰にサンドイッチされている[⑨]とでも言っておきましょうか・・・、そういう少し不思議な景色を見たりして、17:26に下車駅の高山に到着しました[⑩]。降りた人は思っていたよりも少なかったです。まあ、名古屋からの下り列車ではなく、上りですからね。



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