まだ見ぬ九州の鉄道を求めて・・・
九州初上陸!夏の南国の地を駆け巡る旅


次の列車に乗り継ぐため、階段を上がってコンコースへと向かいます。
日本最南端を走る路線に乗車・・・、つまり、指宿枕崎線に乗車するというのも今回の旅の旅程を練る上での選択肢の一つでしたが、今回はそうはしません。

1992年の運行開始前、JR九州がわざわざ他の旅客JR各社に愛称使用の許可を取ったほどの重みがある愛称を持つ、あの列車に乗車します。
博多? 先程まで乗車していた、特急きりしま3号の次に乗る列車は、九州新幹線つばめ号。

2009年現在の九州新幹線は新八代〜鹿児島中央間のみの営業で、まだ博多〜新八代間が未開通の暫定開業状態。
この「暫定」状態の九州新幹線も、九州の485系同様、今しか見ること・乗ることができないというものです。(ということにしておきます。)

乗車するのはつばめ4号・・・ですが、行き先表示はなぜか博多。

本来、ここは「新八代」と表示されるべきはずですが、新八代駅で接続するリレーつばめ号と合わせて1つのつばめ号だとしたいのか、リレーつばめ号の行き先である「博多」が行き先として表示され、途中停車駅の案内もリレーつばめ号のものを含めて案内されます。
九州新幹線4F つばめ4号(800系)
鹿児島中央〜新八代
つ ば め 新幹線改札口を通過してホームに上がると、既につばめ4号の800系がホームに停車していました。乗車するのは2号車指定席、点で書かれた号車番号が目につきます。

ちなみに、赤色の点で書かれた号車番号「2」の下にある筆文字の「つばめ」は、JR九州の社長が直々に筆を取ったものであるとか。
紺色ベース 在来線ホームの駅名標が白地であるのに対し、九州新幹線ホームの方の駅名標は紺地。イラストがなく、文字だけのシンプルな駅名標になっている新幹線タイプの方が個人的には好み。

左下には、つばめ号の発車時刻表が写っておりますが、その本数は1時間に2本。
博多まで全通すれば、山陽新幹線から(へ)直通する列車も運行されることになりますが、その時は単純増発となるのでしょうか?
それとも、既存の便を延伸・置き換える形になるのでしょうか?
締まりがない・・・ 先頭部の顔を撮影していなかったので、最後尾の車両(1号車)の顔を撮影。

車両の800系は東海道・山陽新幹線の700系がベースと言うことですが、少なくとも先頭部の造形にはそれらしいところは見当たりません。当然と言えば当然なのかもしれませんが・・・。

こちらは最後尾の車両で、前照灯を点けていないこともあってか、どこか締まりがない印象。
車内へ さて、そろそろ発車時間が近づいてきているので、つばめ4号へと乗り込みます。

デッキは暗色系が中心の配色で、若干暗めですが、落ち着いた雰囲気であると言われればそうかもしれません。これは人の好みが分かれそう。
座席 客室内に入ると、まず木で作られている座席に目に留まります。

宮崎〜西都城間で乗車した日豊本線の普通列車、6871Mの817系も座席は木でできており、このほかにも肥薩線で運転される普通列車のいさぶろう・しんぺい号のキハ40系列も座席が木でできています。

また、画像は取り損ねましたが、この800系のカーテンも、よくある布を用いたものではなく、簾になっています。やはりJR九州は車両に木を活用するのを好むようですね。
(ついには日南線に、木を車両側面に張り付けた海幸山幸号が登場しました。)

ちなみに、座席が木でできているといっても、しっかりと詰め物を入れたクッションが表面に張られているので、座り心地は悪くありません。
座席に落ち着く 券面に指定された座席番号の席に座り、あとは発車を待ちます。

鹿児島中央駅の新幹線ホームは2面4線ですが、1時間に2本しか列車が出ない今のうちは、2面4線の収容力を活かし切ってはいないようです。
発車〜! 9時52分、鹿児島中央駅をつばめ4号は時刻どおりに発車しました。

これから九州新幹線での移動が始まる・・・、といっても、新八代駅までは各駅停車タイプのつばめ号でも45分程度。そして、このつばめ4号は速達タイプなので更に所要時間は短く、新八代駅までの所要時間は僅か39分。

ここまでの移動で疲弊した身体を少し癒すだけで終点に着いてしまいそうです・・・。
ED76 鹿児島中央駅を発車するといきなりトンネルに入り、その後もトンネルの連続。そして鹿児島中央駅発車から13分で、唯一の途中停車駅である川内駅に到着です。

川内駅・・・、とふりがなを併記せずに書くと「かわち駅」や「かわうち駅」と読まれてしまいそうですが、川内と書いて読みは「せんだい」です。
おそらく、日本の難読駅名でも上位に入る駅名ではないでしょうか。
数少ない外の走行 川内駅を出てもトンネル、トンネル、またトンネル。左画像のように外を走行する距離と時間は、本当にごく僅かです。

できる限り高速走行をするため、直線を多くして線形を良くしたいという意思は分かるのですが、景色がほとんど見られないというのはやはり残念です。

ちなみに、現在の九州新幹線、新八代〜鹿児島中央間はなんとトンネルが約7割を占めています。まさにモグラ新幹線、トンネル新幹線・・・。
新水俣駅通過 終点新八代駅の一つ前、新水俣駅を通過。

駅の高速通過は、在来線の特急列車でも十分に爽快感を感じることができますが、新幹線ともなると、高速で駅を通過した時の爽快感はより一層。
新八代近づく 鹿児島中央駅を出てから、まだ40分も経過していませんが、列車は終点の新八代駅に到着します。せっかく九州新幹線初乗車なので、もう少し長く乗っていても良いと思ったのですが、それは九州新幹線全通時の楽しみにしておきましょう。

進行方向左手の車窓に、白い煙を噴き上げる工場が見えれば、既に列車は減速していて、新八代到着はすぐです。
到着〜。迎えたのは・・・ 鹿児島中央駅を出てから僅か39分、10時31分に新八代駅に到着しました。

先程まで乗車していた、つばめ4号が到着した12番線の隣の11番線には、3分の待ち時間で10時54分に発車する、特急リレーつばめ4号が待機しています。

車両の787系の前面デザインは、かつて「つばめ」の列車名を背負っていたにふさわしい優れたもので、グッドデザイン賞を受賞したのも頷けます。
駅名標 新幹線ホームの駅名標。紺地に白抜き文字というのは、鹿児島中央駅新幹線ホームの駅名標と同じ作り方。

ところで、隣の駅が「くまもと」になっていますが、新八代駅の鹿児島本線としての隣の駅は「せんちょう(千丁)」駅です。にも拘わらず、熊本まで飛んでいるのは、ここ新幹線ホームに来る在来線列車が、特急列車で、全列車が熊本駅までは一切停車しないリレーつばめ号だけなため。
リレーしません! さて、リレーつばめ4号は、新幹線つばめ4号の到着から3分後の発車なので、乗り遅れないように、駅名標などの撮影もそこそこにリレーつばめ4号へ乗車・・・しません!

つばめ4号からのバトンを受ける形のリレーつばめ4号ですが、私はそのバトンを落とします。手から滑りました(笑)

確かに、この後リレーつばめ号には乗車するのですが、それは次のリレーつばめ号(42号)なので、いったん新八代駅で途中下車をし、改札の外へと出ます。

新幹線つばめ4号から下車した乗客のほとんどは、リレーつばめ4号へと乗り継いでいったので、リレーつばめ号に乗車しないでそのまま新幹線ホームから去って行った人はほんの数人。

新幹線つばめ4号から、特急リレーつばめ4号に渡るバトンを滑らせて(?)、いったん改札口の外へと出ることにします。
そして駅舎から出てみると、思いもよらぬ光景が目に飛び込んでくるのでした。
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