全長676キロの「偉大なるローカル線」
日本最長路線・山陰本線を乗りつくす旅−19


仙崎→幡生/幡生駅/幡生→居能
3度目の一時停車を終えると、2号車指定席の車内では、地元のボランティアの方による紙芝居の上映が始まりました。私も含め、皆見入っていました。
今回上映されたのは、幕末の長州藩の武士、高杉晋作についての話。面白かったです。

「今回」と書きましたが、どうもインターネットでみすゞ潮彩号について調べてみると、この紙芝居の内容は金子みすゞについてだったりすることもあるらしいので、話は色々あるようです。

まず上りと下りで違うことは容易に想像できますが、さてどのくらいの数があるのでしょうかね?
紙芝居はもちろん指定席車両限定で、自由席車両では行われません。

また、紙芝居が終了した後、仙崎についての観光案内のパンフレットや、みすゞ潮彩号のキハ47形が描かれたポストカードなどを頂いたりしました。

しかし、指定席に乗車するために購入したものは、たった510円の指定席券だけ。ボランティアの方も、「510円でこんなもの(ポストカード)とかももらえますから、お得でしょう?」と。
と、そういう雑談などもあったりして、2号車の車内は終始、和気藹藹とした良い雰囲気でした。

14時35分に到着したのは川棚温泉駅。特急いそかぜ号の停車駅でもありました。
梶栗郷台地駅。2008年3月開業の新しい駅です。

この日はどうも下関の方で夏祭りか何かがあったようで、浴衣姿の人が自由席車両に大勢乗り込んでいました。

自由席車両の車内が押し合い圧し合いの大混雑になっている様子は、指定席車両の車内からも仕切り扉のガラス越しに見ることができ、「ご愁傷様です・・・。」と心の中でポツリ。
その次の停車駅は、山陰本線の終点、幡生駅の1つ前の綾羅木駅。

ここでもやはり夏祭りに行くと思われる人が大量に乗車してきましたが、ついに自由席車両には積みきれなくなり、何人か指定席車両にも流れてきました。

グリーン車なら今すぐにでも追い出したいところですが、「指定席」は、あくまでもお隣の自由席と同じ「”普通車”指定席」ですから、立ち客がいても文句は言えないですね。。。

それでも「楽に立てそう」などと思って、まだ自由席車両に乗れるのに、指定席車両に乗り込んできた人はいませんでしたから、そこだけはありがたかったです。
次は山陰本線の終点、幡生駅。電化されている山陽本線も見えてきました。

特急列車も活用するなど、ちょっと駆け足だったような気もする山陰本線の全線乗車も、もうすぐ全676キロを乗車したことになるのか、と思うと、何かこみ上げてくるものがあります。

さて、もうそろそろ下車駅の幡生駅ですね。降りる準備をしましょう。
そして・・・、15時07分、山陰本線の終点駅、幡生駅に到着しました。

日本最長路線を乗車したという実感はなく、ただ降りるべき駅で降りた、そういう感じ。
次は列車の終点の下関駅なのに、なぜかその1つ手前で降りた。そういう感じ。

しかし、この駅には京都駅から来ている673.8キロ、そして仙崎〜長門市間の2.2キロの合計676キロの「山陰本線」の線路が来ていて、その正式な終点駅です。

間違いなく、ここが山陰本線の終点。それを改めて思うと、一気に達成感が湧いてきました!
1分の停車で、みすゞ潮彩2号は終点の本州最西端の駅、下関駅へ。

そういえば、走っている方向は下り方向だったのに、号数は偶数の2号と上り方向の列車に与えられる番号でした。どういうことなのでしょうかね?

と、思って調べてみると、仙崎支線は長門市駅が起点となっているようで、仙崎方から長門市方に走っていくときは上りになります。 そのため列車番号も、仙崎支線を走っている間は偶数になっています。

こうなると、あとは考えるまでもありませんが、みすゞ潮彩号は、仙崎支線での走行方向を基準にして号数を与えられているようです。 しかし、滝部発着の便は仙崎支線に行かないので、号数的には本当に「逆走」になります。
駅名標。だいぶ、くたびれているようです。

山陰本線の終点駅、とは言いつつも、ここを始終着とする列車は1本もなく、全て山陰本線に乗り入れて、隣の下関駅で発着しています。

位置づけとしては完全に途中駅の幡生駅。でも、それがまた良いのかも。
幡生駅には、下関総合車両所が隣接しています。

残念ながら駅ホームや沿道から敷地内の様子を見ることはちょっとできないようですが、列車内からは敷地内の様子を見ることができるようです。

しかし、このように看板に「下関総合車両所」と大きく書いて、ホーム側に向けて設置して、「ここは下関総合車両所です!」と主張しているところは面白いですね。
用を足して、駅舎から出ようとすると、105系の上り列車がやってきました。

そういえば、架線や電車を見るのは、実質、昨日のスーパーまつかぜ7号の車内から見た出雲市駅・西出雲駅以来です。久しぶりですね。

住んでいるところが住んでいるところなので、気動車にはほとんど縁がないのですが、今回の旅では気動車との縁もかなりありました。

そして気動車に慣れた上で、久しぶりに電車を見ると、「あ、列車か」ではなく、「あ、電車か」と、まず電車であることの方を強く意識しました。
ここまで使用してきた乗車券を記念に頂いて、駅舎の外に出てきました。
これにて、晴れて正式に「山陰本線の全線乗車」を達成することができました。

ちなみに、駅員の方は、「使用済み」のはんこと共に、通常はまず押さない、途中下車用の駅名のはんこを押してくれました。これはまったく予想外の出来事で、思わず驚きました。

わざわざ山陰本線をずっと下ってやってきた幡生駅。その最後、切符を無効にする際に、〔幡生〕と押してもらえたことで、その切符はより一層、価値あるものになりました。
昼食を食べていないことを思い出した私は、「コンビニで何か買うか」と駅前に出ましたが、これが困ることに駅のすぐ近くにはコンビニはありませんでした。

「でも”この辺りには全然ない”ということはさすがに・・・」と思いながら、建物が多く見える方向(広島方)に早歩きで向かい、歩くこと約15分でローソンを発見しました。

次の列車に乗り遅れるわけにはいかない、と考えて早歩きにしましたが、そのおかげで汗だくになった上に筋肉も相当疲れました(笑)
そして37分後、弁当とコーヒーを手に入れて、幡生駅に戻ってきました。

幡生駅に戻ってきたあと、発車時刻表を見てみました。こうして見ると、左の山陽本線と右の山陰本線の本数は結構違いますね。山陽本線の下関方面は、山陰本線から来る列車もあるので、かなりの数になっています。
幡生駅は、以前は発車標があったそうですが、現在はありません。

その代わり(?)としてではないでしょうが、このような「列車が来る」ということだけを知らせるものが、今でも現役で使用されています。東萩駅にもこのようなものがありました。

「通過列車の場合もあります」というのは何ともいいかげんですが(笑)
「山陰本線の全線乗車」という、今回の旅の最大の目的を果たしてしまいました。
しかし、「サンライズ瀬戸・出雲号に乗車して帰る」ということを今回の旅の予定を練り始めていた時から既に決めていたので、ここからはそのための時間潰しになります。

もちろん、時間潰しと言っても、ただ列車に乗るだけにして時間とお金を無駄にはしません。

時刻表を見てみると、「岡山駅でサンライズ瀬戸・出雲号に乗車しつつ、かつ宇部線と小野田線の全線乗車を果たせる」ことが分かったので、山陰本線を全線乗車したその勢いのまま、宇部線と小野田線の全線乗車もしたいと思います。

と、いうわけで、宇部線に直通し、宇部新川駅まで行く16時06分発の列車に乗車します。
車両は105系。まだ黄色一色にはなっていませんでした。
山陽本線・宇部線3850M (105系)
幡生(16:06)〜居能(16:54)
105系の車内は全てロングシート。クロスシートはありません。
ここで、先ほど必死こいて早歩きでローソンまで行って購入した昼食を食べます。

私は別にロングシートだろうがクロスシートだろうが特に気にしないのですが、弁当を食べるとなると、クロスシートの方が食べやすいですね・・・。

幡生駅を発車すると、列車は山陽本線を上っていきます。
山陽本線は神戸〜新倉敷間だけ既に乗車しているので、今回、穴ができることになります。

山陰本線の全線乗車を果たしてしまいました。
しかし、まだまだ旅は終わりません。ここから宇部線と小野田線の全線乗車を果たします。

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