全長676キロの「偉大なるローカル線」
日本最長路線・山陰本線を乗りつくす旅−21


長門本山駅/長門本山→雀田/雀田→小野田/小野田駅
長門本山駅は線路が切れる終端駅です。
しかし、日本最北端の駅の稚内駅のような、これという肩書きもなければ、佐世保駅のように都市の駅というわけでもない。仙崎駅のような観光資源もない。

正直なところ、長門本山駅の地味さは、数ある終端駅の中でもかなりのものです。

ですが、ここからの線路が稚内にも佐世保にも、東京にも繋がっているということは、他の終端駅と変わりありません。

「日本のあちこちと繋がる線路が始まる」
私は、それが「終端駅の魅力」の1つだと思っています。
「長門本山駅」とだけ書かれた待合室と、単式1面1線のホーム。1両の列車。
それらが、このような具合にぽつんと佇んでいます。

不思議と、何だか不自然なまでに周りのものに溶け込んでいて、列車が停まっていなければ、遠目にはここに鉄道の線路と駅があるようには見えなくなる気がします。

私はいつの日にかJR全線乗車を果たすことを夢見ていますが、全線乗車を達成して下車する駅が、このようなちょっと変わった雰囲気の駅だったら嬉しい。

もし、全線乗車を達成して下車する駅が、大阪駅や博多駅のような、人が入り乱れる都市圏の駅だったら、何だか達成感やほとぼりも一気に冷めそうですしね。
発車時刻表。見ての通り、悲惨なまでに少なく、スカスカです。
1日僅か5本、18時37分発の列車が最後。

しかし、この長門本山というところは、かつては石炭の掘削・産出が盛んな場所で、人の行き来も今よりもずっと多くありました。

例えば、1956年12月号の時刻表によれば、下りの雀田発の長門本山行きの最終列車は、雀田23:57発・長門本山0:02着。今の状態を思うと信じられませんよね。

炭鉱は1963年に閉鎖されたのですが、それが長門本山というところ、そして本山支線に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。
現に、列車の本数という形で、ずいぶんと分かりやすく影響が見えていますから・・・。
123系の乗務員扉を見てみると、駅名標が映っていました。
映った駅名標は、当然左右が反転するわけですが、そこで見えたのは「山本」の文字。

・・・だからどうした? いや、別に何でもないです、ただそれだけ(笑)
夕日を浴びて輝く123系とJRマーク。

123系という車両は、元々は郵便・荷物車であり、お世辞にも格好良い車両とは言えないのですが、こうして一部だけを切り取ってみるとちょっと格好良いかも。

さて、そろそろ折り返しの17時45分発の雀田行きの発車時間ですが、
123系に乗り込むと、先ほどの長門本山行きにも乗車していた人が何人かいたり・・・。
小野田線1328M (123系)
長門本山(17:45)〜浜坂(17:50)
5分で雀田駅に到着。先ほどは時間がなくてできなかった駅舎の撮影を行いました。

ただし、下車前途無効の長門本山→小野田の乗車券で移動しているので、「途中下車」という形で駅舎の外にでることができません。そのため、ホームからの撮影です。

駅員がいるわけでもなく、また自動改札があるわけでもないので、出ようと思えば出ることもできましたが、まぁ一応規則上はダメということなので、守っておきましょう。。。
雀田駅の、小野田線の本線の列車が発着するホームには、このような木で作られた柵に囲まれた、1段高くなっているところがあります。

雀田駅では、この1段高くなっているところで列車の乗り降りをするようになっています。

「素直に”ワンマン乗車口”とか書いたステッカーでもホームに貼ったら良かったのでは」と思いましたが、発着する列車を見ていると、この1段高くなっているところがなければ、列車とホームの間にかなりの段差ができるように見えました。

なるほど段差の調整も兼ねているのか、と納得。。。
結果的にホームの嵩上げをしていることになりますが、こう一部だけなら安価でしょうしね。
17時57分発の上りの宇部新川行きがやってきました。
私はこれには乗車せず、この後やってくる、下りの小野田行きに乗車します。

1両編成の列車が行き来をする。
常磐線の土浦以南は、10両編成を「短い編成」と案内するようなところですから、列車が1両だけで走っているというのは妙というか、見慣れていない不思議な光景というか。

特急も最低7両で、最大14両。一方、昨日乗車したスーパーまつかぜ7号は2両編成。
今回の旅は、素晴らしい車窓と共に、このような「編成の長さ」の違いがとても印象的です。
さて、そろそろ次の列車に乗車するために、乗車口の前で待つことにしましょう。
これも今回の旅で印象に残っていることの1つでしょうか、「ワンマン運転」

今回、山陰本線内で乗車した普通列車は、みすゞ潮彩号を除き、全てワンマン運転でした。
そして本山支線の往復も、やはりワンマン運転でした。

特急列車ばかりはさすがにワンマン運転ではありませんでしたが、JR九州にはワンマン運転を行う特急列車、はやとの風号が運転されていてですね・・・。
18:09発の小野田行きがやってきました。

本山支線の列車に往復とも乗車していた同業者2、3人も、私と同じように、この列車に乗って小野田駅を目指すようです。

まぁしかし同業者が男だったから良かったものの、女だったらどう思われていたやら(笑)
小野田線1241M (123系)
雀田(18:09)〜小野田(18:24)
この1241Mを、終点の小野田駅まで乗車します。
終点の小野田駅まで乗車すると、小野田線は全線乗車したことになります。

学生も何人か乗車していた車内は、座席はほぼ全て埋まり、何人かは座らずに立っているというような乗車率でした。

ただ、この車内の雰囲気が、いわゆる普通の「ローカル線」とちょっと違うような感じがするのは、123系の座席が全てロングシートだからでしょうか。
何というか、ロングシートだけだからか、ちょっと都会的なところがあるというか、ね。
先ほどのページでの予告通り、小野田駅に戻ってきました。
これで居能〜小野田・雀田〜長門本山の計13.9キロの小野田線は全線乗車しました。

私はこの後、1241Mとして到着した123系の折り返しの新山口行きに乗車して、また小野線を逆戻りします。列車は居能駅から宇部線に乗り入れるので、また宇部線の乗車を再開します。

「いくら何でも折り返しの列車に乗って、小野田線を逆戻りする人は1人もいないだろう」と思いましたが、まぁさすがにそうする人は1人もいませんでした。
一緒に移動してきた同業者の人も、広島行きの普通列車に乗車していました。
駅名標。3つの隣の駅は全て2文字の駅という、ちょっと珍しい?駅です。

これから小野田線を逆戻りするわけですが、今度は小野田→居能の小野田線経由の乗車券を使用します。帰りの乗車券は居能駅で途中下車として使用を中断しているので、それは居能からまた使用を再開するということになります。

帰りの乗車券では小野田線の乗車ができないということで、都合3枚の乗車券を使って小野田線の全線乗車を果たして、宇部線の居能駅に戻ることになるのですが、値段は3枚で630円。

これぐらいなら、さして問題にはなりませんね。
新山口行きの方向幕。きちんと「小野田線・宇部線経由」とあります。

山陽本線でいけば新山口駅までは28分で着きますが、この123系の列車に乗って小野田線と宇部線を経由していくと、所要時間はその3倍近い1時間19分。

乗り間違えたら地獄を見ますな、これは。。。

折り返しの新山口行きに乗車して、居能駅からは再び宇部線の乗車を再開。
さて、そろそろ発車時間です。乗り込みましょう。

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