全長676キロの「偉大なるローカル線」
日本最長路線・山陰本線を乗りつくす旅−7


福知山→和田山/和田山駅
車窓に癒される。これが意外と、あるものですね。

よくよく考えたら、この車窓もただの雑草があって、水が流れているだけのどうってことないものなのですが、草が集まり、川が流れれば、不思議と綺麗な景色に見えます。
リネンには、切符を入れておけるところが作られていました。

やはり、眠っているときに検札で起こされることがないように、ということなのでしょうけれども、盗難の危険性を考えるとちょっとここには入れておきたくはないですよね・・・。
結局、福知山駅発車時の6分の遅れをほぼそのまま引きずり、5分遅れで下車駅の和田山駅に到着しました。

左に停車しているのは、定時では11時17分に発車する京都行きの特急きのさき4号ですが、北近畿3号が遅れたため待たされていたようで、遅れて発車していきました。

その列車だけが遅れるなら良いのですが、ある列車が遅れると、それが反対方向の列車にも影響するというのは、単線の困るところですよね。
ホームからは、このように給水塔が見えました。

蒸気機関車は国鉄時代のうちに既に全廃されているので、JRとなってからこの給水塔を使う機会はなかったはずなのですが、なぜかJRマークが入っています。

ひょっとしたらJR化後直後に、「新生JRアピール!」のようなつもりで貼り付けたのかもしれませんが、もう鮮やかな青ではありません・・・。
和田山駅ホーム。結構有効長は長めだったと思います。
発車標を見てみてみると、どうやら下りの北近畿5号と上りの12号は、共に12時13分の同時刻に和田山駅を出発するようです。

さすがに秒単位まで一緒だとは思いませんが、同時に上下の北近畿号が発車する、という光景もちょっと見てみたいような気も。
駅構内の乗り場案内。平成生まれのガキんちょが見ても、「あ、これは絶対国鉄時代からのそのままだよな」と一発で分かってしまいます。

ここだけが、時代に取り残されたような感じが漂っています。
改札口へ向かうと、その脇に、2010年11月が営業運転を開始する、キハ189系を紹介する写真などが掲げられているのを目にしました。

廃止さえ囁かれていたところに、新型車両の導入と来たわけですから、これにはファンも地元の人も驚いたことではないでしょうか。私も驚きました。

水色の布がかけられた机の上には、牛乳パック?をアルミホイルで包んで、フェルトで帯と窓を表現したお手製のキハ189系も。
JR職員が作ったのか、地元の人が作ったのか分かりませんが、なかなか面白いですね。
こちらが新型気動車のキハ189系。正直、「噂の新型気動車はヘンテコリンなデザインをした車両になるのだろう」と思っていましたが、案外格好良いですね。

少なくとも、「まさに箱。四角い箱」といった感じのキハ187系よりは、間違いなくデザイン的には優れていると思います。
一方、最後の定期運用を失うことになるキハ181系。
前照灯も尾灯も点けずに、静かにホームに佇んでいるキハ181系は、何とも言えない哀愁を漂わせているような気がします。

バトンタッチまで、頑張れ「はまかぜ」

・・・最後の頑張りを称えるために、この後乗車させていただきます。
和田山駅駅舎。最近はやたらと凝ったデザインをした駅舎を持つ駅も増えてきていますが、和田山駅はまさに「駅舎」という質素なもの。
その味気なさでは、私が今までに見てきた駅舎でも5本指に入ると思います。

それこそ、今では駅の中に商業施設を抱える駅もあるわけですから、これほど「駅」らしい駅というのも、結構久しぶりかも・・・。
駅前。ちょうど昼前で暑いからか、歩行者も車通りもほとんどなし。

まぁ、滝のような汗をかいてしまうこの暑さでは、家の中でおとなしくしているのが1番だろうと私も思います。では、私も涼しい待合室へ・・・。
待合室で涼み、缶ジュースを1本飲み干したら、次の列車に乗車するため、改札を抜けます。

意外・・・、といっては失礼かもしれませんが、(先ほどのホームにあったものにしてもそうでしたが)和田山駅はもう地方の駅ですし、LEDの発車標があるとは思っていませんでした。
そもそもないか、あっても反転フラップ式かなぁ〜、と思っていました。

で、乗車する列車は先ほどの「・・・最後の頑張りを称えるために、この後乗車させていただきます。」の言葉通り、キハ181系で運転される特急はまかぜ1号。

今回の旅でどうしても譲れなかったのは、このキハ181系に乗車することで、これだけは何としても果たしておきたいと思っていました。
温度計を見てみると、34度を示していました。

駅舎の中(まぁ冷房はないけど)でありながら34度なのですから、外は一体何度だったのだろうと思うと、もう恐ろしい恐ろしい・・・。
2番線に降り立つと、側線と1番線にキハ41形が停車していました。JR西日本お得意の切妻型改造車で、前面のデザインだけは原形車と似ていても、形はただの平面というね。

まさに実用本位というか、数で勝負というか、ね。
「ディーゼル旅客車」ということでは間違っていない。うん、別に。例え顔が平面でも。

次の列車ははまかぜ1号。
私自身、正直、乗る前からちょっとわくわくしていたり・・・。


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