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●4月5日●



※各画像はクリックすると拡大します。

ホ  テ  ル  &  宇  和  島  駅
Hotel Clement Uwajima & Uwajima Station

あーたーらしーいーあーさが①

朝の宇和島駅②

蒸気機関車のレプリカ③

音が出るらしい④

さすが闘牛の街⑤

朝の駅前の様子⑥

宇和海6号で4日目が始まる⑦

車止めを見つめる⑧

ここから予讃線を上っていく⑨

 夜が明け、4月5日になりました。朝焼けの光を浴びる宇和島の街とともに[①]、さぁ、新しい1日の始まりです。

 昨晩、夕飯を食べたレストランで今度は朝食を食べて、8:20前くらいにホテルをチェックアウトしました。雲ひとつない快晴の青空の下にそびえ立つ宇和島駅は、昨日の闇の中でまばゆい光を放つ姿とは、また違った良さがあったように思います[②]。ちなみに、この日は、駅前で愛媛県議会議員の候補者の人が、朝から威勢よく駅前で演説をしていました。まだ眠っている人にはいい迷惑だろうね。

 駅前の広場には、蒸気機関車が展示されていますが、これは宇和島の地に初めて誕生した鉄道、宇和島鉄道で走っていた蒸気機関車のレプリカだそうです[③]。その脇には解説がありますが、実は、宇和島市は「鉄道唱歌」の作詞をした大和田建樹の生誕の地でもあり、その縁でか、鉄道唱歌のメロディーを流すボタンもあります[④]

 新しい1日が始まった宇和島の、駅前の様子[⑥]。駅の近くには大きなヤシの木も立っていて、電柱よりも高いものもざらにありました。特に、3列で立っているうちの、真ん中のものの高さは本当にすごいですね。

 さて、私にとっても新しい1日の始まりです。今日は4日目で、四国内の移動は3日目になります。バースデイきっぷの有効日も今日が最後で、したがって、今日を以て四国内とはおさらばということです。徳島や鳴門を訪れたこと・・・、あれももうおとといのことなんですね・・・。

 「春の四国を駆け巡る3日間」の旅の4日目の、最初に乗る列車は、宇和島8:39発の松山行きの特急宇和海6号です[⑦]。ここまで、順調に、本四備讃線を除く、JR四国の各路線の全線乗車を果たしてきて、残すはいよいよ予讃線と内子線の2つのみとなりました。この2つの全線乗車を果たすことで、ついに念願の「JR四国の全路線の制覇」を達成することになります(本四備讃線は今回の旅では全線乗車しないが、過去に全線乗車済)。

 2000系の先頭車が見つめる先には車止め[⑧]。駅名標は、隣の駅の表記が片方しかなく、その向こうには唸りながら佇む2000系[⑨]。これらの要素が生みだす、ホームを取り巻く独特の雰囲気は、4日目の始まり、宇和島からの旅立ちを演出するにふさわしいものです。






予讃線1056D 特急宇和海6号 (2000系)
宇和島(8:39)〜伊予大洲(9:28)

列車は3両編成①

1号車に乗り込む②

トンネルが結構多い③

トンネルの合間に見えた絶景④

なんか厚い・・・⑤

卯之町に到着⑥

卯之町のホームから⑦

相手が普通列車だとは・・・⑧

「別府」の文字⑨

下車駅の伊予大洲に到着⑩

 宇和海6号は3両編成。宇和海に沈む夕日を元にしたヘッドマークも誇らしげです[①]。この列車で終点の松山まで一気に行く・・・、と言いたいところですが、予讃線の伊予長浜経由(旧線)の方に乗るために、新線と旧線が分岐する伊予大洲までの乗車です。では、列車に乗り込みましょうか。

 1号車の客室内に入ると・・・、うん、空いていますね[②]。指定券で指定された1号車2番D席へ行き、荷物を下ろし、着座。が、リクライニングボタンを押してもいないのに座席がスーッと倒れる。上体を起こしてみると、今度は勝手に戻ってくる。どうやら、リクライニング機構の故障っぽい・・・。

 もちろん、こんな席には座っていられないので移動します。普通に指定席特急券を買っているなら、別の指定席座席への振り替えを車掌氏に要望しますが、バースデイきっぷによってタダで取った指定席ということもあるので、自由席の1号車9番A席に移動しました。

 8:39に列車は定刻で宇和島を発車。単線非電化という悪条件ですが、振り子をグイグイ効かせながら、列車は予讃線を上っていきます。意外にもトンネルが多く、トンネルを通っては出て、通っては出てということを繰り返す区間もありました[③]。特に立間〜下宇和間は、本当にトンネルと明かり区間が短時間で交互に入れ替わる区間だったんですが、トンネルの合間の明かり区間では、こんな素晴らしい車窓も見ることができました[④]

 カメラを置いたりするため、私は、特に食事をしたりしない場合でも、座席の背面テーブルは基本的に展開しています。しかし、それにしても、なんですかこの厚ぼったいテーブルは(笑)[⑤] 背面テーブルと言うと、もっと薄くて綺麗なものを想像するんですけれどもね。ただ、同じ2000系の普通車でも、普通の薄いものを装備した座席を配置している車両もあるようですよ。

 8:59に到着するのは卯之町[⑥]。列車交換のために少々停車すると言うので、車外に出て新鮮な空気を吸います。JR四国の路線は単線区間が非常に多い(というか、複線区間は児島〜宇多津・坂出、高松〜多度津しかない)ので、列車交換も多くあり、このように一旦車外に出る機会も、今回の旅では自然と多くなっています。

 そんな卯之町駅のホームからは、雲一つとない快晴と、緑が生い茂る山々、黄色が鮮やかな菜の花などを見ることができました[⑦]。しばらくすると、交換相手の列車がやってきましたが・・・、なに、普通列車だと?[⑧] 致し方ないとは言っても腑に落ちませんな・・・。

 卯之町の次に停車するのは八幡浜。ここまで、宇和海6号はガラガラと言って良い状態で走ってきましたが、八幡浜では「もしかしたら隣に座ってくるかもしれない」と思うくらいの結構な乗車がありました。ここで、「別府」と書かれた看板が目につきましたが[⑨]、この駅から約2kmのところにある八幡浜港から、別府港行きのフェリーが出ているので、そのことなんでしょうね。
 愛媛から大分まで、鉄道だけを使って移動すると時間もお金もかかるので、このフェリーは、場合によっては四国と九州の短絡ルートとして、鉄道旅行でも使い道がありそうですね。

 そして9:28、下車駅の伊予大洲に到着[⑩]。宇和海6号はこの先、予讃線の新線と内子線を経由して松山へと向かいますが、一方の私はといえば、この先は普通列車で旧線を経由して移動します。






予讃線4918D 松山行き (キハ32形)
伊予大洲(9:42)〜下灘(10:25)

2つに分かれる①

こんな案内板も②

目指すは・・・③

列車が到着④

枕木とPC枕木の境目⑤

川と並走⑥

やがて海が見えるようになってくる⑦

そして下灘に到着⑧

 伊予大洲で新線と旧線が分岐がするので、駅名標も、片方は「にいや(新谷)」「ごろう(五郎)」と、2つの駅名が併記されています。しかし、新谷五郎って、まるで人の名前ですね(笑)[①] ここで線路が二手に分かれるということで、このような案内看板も設置されています[②]

 時間的にちょっと余裕があるので、ただ旧線を通るだけ通って乗りつぶすのではなく、旧線を通ったからこそ降りられるような、特徴ある駅に降りることにしています。予讃線の旧線で、思わず降りたくなってしまうような特徴ある駅といえば・・・、まぁ、有名ですが、やっぱり下灘駅ですよね[③]。次の目的地は、海がかなり近いことで知られている下灘駅です。

 今回の旅では、ただ乗るだけでなく、降りられる駅があるなら降りてみるようにしていて、昨日は坪尻駅と枝川駅で降り、今日は下灘駅です。ただ、本当に時間がたっぷりあるわけではないので、降りる駅を選ぶ時も、秘境駅を極める坪尻駅、海が近い下灘駅など、誰もが知っているような”メジャーな”駅を選んでしまっています。特に有名ではない「穴場」のような駅にまで下車している時間はさすがにないんです・・・。

 9:39に、伊予長浜経由の松山行きが到着[④]。伊予大洲で3分ばかり停車して、一路松山へ向けて発車します。昨日の坪尻→琴平の列車や、予土線の列車に乗ったときのように、運転室横の空いているところで後面展望をすることにします。

 JR四国では、2000系や8000系などの振り子車両が走っていますが、いくつかの列車での後面展望で、線路下の枕木を見ていると、PC枕木を使っているのは、振り子を発動する曲線部分に限られていることに気がつきました。[⑤]番の写真は、曲線が終わって直線に入る瞬間に撮影したものですが、写真の真ん中やや上あたりで、PC枕木と普通の枕木が切り替わっているのがお分かり頂けると思います。

 伊予大洲から2.4kmのところにある伊予若宮信号場で、新線と旧線が分岐し、私が乗っている列車は旧線へと入っていきます。10:07に到着する伊予長浜では、下車も乗車も多く、結構な数の乗客が入れ替わりました。この乗降の多さ(多いと言っても十数人だけど)と、かつては急行停車駅だったこと、そして2010年9月30日までは有人駅だったことからも分かるように、伊予長浜駅は予讃線における主要駅であるようです。

 伊予長浜を出て、次の停車駅の喜多灘へ向かうというところまで来ると、いよいよ車窓に青が鮮やかな海が見えるようになります[⑦]。空も、今日は雲ひとつなく、青空が広がる快晴なので、海の青と空の青の組み合わせはもう最高としか言いようがありませんね。

 そして10:25、下車駅の下灘駅に到着です[⑧]。たったさっき上で、海の青と空の青の組み合わせは最高と書きましたが、列車から降りて車両を見てみると、そういえばこのキハ32形も水色があります。ええ、空・海・車両の3つの要素の青が組み合わさると、最高を超えた何かになりますね!



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