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 先ほどの列車の折り返しである、18:11発の久慈行きに乗車します。私が車内に入った時点で、既に先客が1人いましたが、その人はどう見ても、先ほど乗った田野畑行きの列車にも乗っていた人。その人が私鉄や第三セクターの全線乗車もしようと思って来たのか、あるいは私のように三陸鉄道に運賃を落としに来たのか、どちらなのかは分かりませんが、私と同じような行動をとる人がいるんですねぇ。

 帰りの久慈行きの列車は、始発の田野畑から終点の久慈まで、終始、行きの田野畑行きの列車よりも乗客は少ないままでした。時々、ある程度まとまった量の光が車窓に現れますが、そこに街という街がある、と言えるほどのものではありません[②]

 乗客は数えられるほどで、暗闇の中をたった1両で走りながら、1両編成ならではの、かなりリズミカルな走行音を奏でて列車は走ります。それはいかにもローカル線、という雰囲気を生み出しますが、その一方で座席は特急型車両で使われたリクライニングシート。この何とも言えないギャップも、また今回の旅においては、印象的なものとして私の記憶に留められることでしょう。

 そして18:54に、列車は終点の久慈に到着したのですが・・・、これまで17年と9か月ほど生きてきて、人生史上初めて、終着駅で車掌に起こされるという体験をしました。列車に乗っているときに居眠りをすることは、それはもう何度もあり、寝過ごして下車駅を過ぎてしまったということもありますが、終着駅で車掌に起こされて、ようやく下車に至ったというのは初めてのことでした。どうしてそんな深い眠りに入ってしまったのでしょうかね?

 で、このDISCOVER どこかを書いているときに知ったことなのですが、北リアス線には、久慈〜田野畑間が1日乗り降り自由で大人1500円、という切符があるようです。同区間は、普通に往復すると1920円。単純な往復でも420円安くなります。利用可能日は限定されていますが、1月3日は利用可能な日になっていました。そんな切符の存在は全く知りませんでした(事前に三陸鉄道のサイトぐらい見ておけという話ですが)。

 一応今回は、三陸鉄道の支援のために運賃を落としに来たので、より多くのお金を落としてあげられたのだと、前向きに考えることにしましょう。













 今日の移動は、北リアス線の久慈行きの列車への乗車で終了です。三陸鉄道とJR東日本は、それぞれ独立した駅舎を持っています[①]

 今晩のホテルは、駅舎が置かれている側とは反対側にありますが、地下を貫く地下道があるので、両側の相互の移動は簡単です[②]。ちょっと変な嗜好ですが、私は、誰もいない静かな地下道を歩くときの、自分の足音がこだまする時間が結構好きです。一人旅の哀愁と孤独感(悪い意味ではない)が、見事に演出されるような感じがするので。

 やってきたのは久慈グランドホテル[③]。チェックインを済ませて自分の部屋へ[④]。壁やカーテン、掛布団の模様からして、「なかなか”こってりとしている”部屋だな」という印象でしたね。

 特にそういう希望を出していたわけではありませんでしたが、指定された部屋は、最上階の7階にある部屋でした。そのため、久慈市街を高い位置から一望することができましたが、部屋からはまた、久慈駅を見下ろすこともできました[⑤]。列車から降りてきた人の動きや、車両の動きなどの様子を、部屋の中から観察することができました。

 駅を見下ろすことができるのは良いのですが、致命的な問題点が・・・。それは八戸線も北リアス線も、列車の本数がかなり少ないこと。駅の様子をこうして眺めるとき、何が一番楽しいのかと言えば、やはり列車が出入りするところですが、本数が少なくては・・・。

 ホテルには19時過ぎに入りましたが、19時以降、”久慈駅を発車する”列車は、八戸線は1本、北リアス線は2本。”久慈駅に到着する列車”でも、八戸線・北リアス線がそれぞれ3本、という程度の本数しかありません。もっと本数があれば、私としては嬉しいところでしたがね。



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