−18−
※各画像はクリックすると拡大します。







 というわけで、盛岡駅にやってきました[①]。盛岡からは、この後やってくるはやて40号に乗車します。なぜわざわざそんなことをするのか、と思われるかもしれませんが、これにはある事情がありまして・・・。

 帰りの新幹線ではグリーン車に乗ろうというように考えていましたが、E3系のイマイチなグリーン車に、秋田〜上野という長距離で長い時間乗るつもりはない。E3系のグリーン車に4000円のグリーン料金を払おうとは思わない。それなら盛岡ではやてに乗り換えてしまえ、と考えたが、盛岡で併結するはやて90号は、E2系での運転。

 以前、1度だけE5系のグリーン車に乗車したことがあり、そのとき、その快適さに感心して、E5系のグリーン車を大いに気に入った。だから”E5系”で運転されるはやて号でなければ。しかし、はやて90号はE2系。その1本後のはやて40号は、E5系での運転。よろしい、それなら、こまち90号で盛岡へ行き、盛岡からははやて40号のグリーン車に乗ることにしよう、と・・・。

 そういうことがあったため、こまち90号を盛岡で降りて、しばらく待ってでも、後から来るE5系のはやて40号に乗る、という面倒な行動をすることになったのです。時刻は既に20:00を過ぎていますが、19:41発のはやて・こまち40号はまだ盛岡駅に姿を現していません。こちらもまた遅れているようです。

 12・13・14番線にそれぞれE2系が停車していて、E2系の3本並びが展開されていました[②]。こうして見てみると、新幹線車両の先頭部分というのは本当に滑らかなものだな、と思います。曲線美という言葉がよく合います。

 ホームの表面に、「Maxやまびこ」と書かれた乗車位置案内のシールが貼られていました[④]。E1系は、1999年12月の改正で東北新幹線では走らなくなり、E4系も、2005年12月のダイヤ改正で、東北新幹線での定期運用は仙台以南となり、盛岡駅に定期列車でやってくることはなくなりました。

 それ以降も、臨時列車で盛岡駅にやってくることはありましたが、2012年9月のダイヤ改正で、E4系は東北新幹線での営業運転を終了、全編成が上越新幹線へ集約されました。よって、もう盛岡駅にE1系やE4系がやってくることは二度とないのですが、乗車位置案内のシールは、今でも残っているのですね。かつて、E1系やE4系が盛岡駅に姿を見せていた頃の光景を偲ばせそうです。

(※厳密には東京〜大宮間は東北新幹線で、上越新幹線とは大宮〜新潟間の路線なので、東京(上野)発着のとき号やたにがわ号では、一応東京〜大宮間も走るので、「東北新幹線では走らなくなり」「東北新幹線での営業運転を終了」という表現は、やや正確ではないのですが・・・)











 盛岡駅での待ち時間を利用して、岩手土産の購入などをしました。先ほど、こまち90号の車内で一応夕飯は食べましたが、物足りないと感じていたので、盛岡でまた何か買おうとしましたが・・・、駅弁屋の営業時間は既に終了していて、普通の売店でも、おにぎりやサンドイッチなどのめぼしいものは完売。しかし、何も食べずに上野まで耐える自信がなかったので、とりあえず”チーカマ”を買っておきました・・・(笑)

 はやて40号でもグリーン車に乗るので、9号車の乗車位置で列車の到着を待ちます[①]。20:35ごろに、定刻より50分ほど遅れて、E5系のはやて40号がやってきました[②]。9号車の乗車位置で作られいた列の先頭は私だったので、私が先陣をきって9号車へと乗り込みました。

 新幹線では、同じ方向であれば、複数の列車のグリーン車を乗り継いでいっても、グリーン料金は通算できるという制度があります。秋田〜上野をこまち90号とはやて40号のグリーン車を乗り継いで移動しますが、グリーン料金は、こまち90号でその区間を乗り通した場合と同じ、4000円です。ですから、はやて40号のグリーン車に乗るにあたって、新たにグリーン料金は払っていませんが、はやて40号でもおしぼりと飲み物の無料提供はされます。

 そこから考えると、乗った列車の数だけ、おしぼりと飲み物を無料でもらえるということです。3列車で乗り継いでいけば3回、4列車で乗り継いでいけば4回、おしぼりと飲み物がもらえます。しかし、グリーン料金は通算で、高くはなりません。ということは、グリーン車を細かく乗り継げば乗り継ぐほどお得になるということですねえ・・・。

 もっとも、JR東日本の新幹線においては、グリーン車でのおしぼりや飲み物の提供は、はやぶさ・はやて・こまち号でしかされていないので、やまびこ号やなすの号を乗り継ぎに対象とできないのがやや残念ですが・・・。しかし、時間に余裕があったり、普通に旅をするのはもう飽きたという方は、「新青森〜東京間でグリーン車を細かく乗り継ぎ、可能な限りおしぼりと飲み物をもらう」なんてことをやってみてはいかがでしょうか?

 仙台駅手前での一時停止などを経ながらも、はやて・こまち40号は南下を続け、下車駅の上野に63分遅れの23:05に到着しました[③]。「もしかしたら終電に間に合わなくなるのでは」などという心配もしましたが、幸い、それは杞憂に終わったようです。で、この後は常磐線の普通列車に乗車し、最寄り駅へと向かいました。

 さて、皆さん、ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。3泊4日に及んだ今回の旅は、これで終了です。列車の遅れなどによって、予定通りには事が運びませんでしたが、とりあえずJR線は乗ろうとしていたところを全て乗ることができましたし、また遅れこそすれど、乗ろうとしていた列車が運休になったり、途中で打ち切りになったりすることがなかったことは、本当に嬉しいことでした。

 そして今思うのは、やはり冬に北東北(北海道もそうでしょうね)を旅するというのは、なかなか勇気が必要であるということ。最初から、運休や遅れはあるものだと思っておかなければなりませんし、乗り継ぎが上手くいかないことも想定しておく必要があります。ある列車の遅れや運休で、その後の予定が台無しになることすらもあるかもしれません。冬の北東北の旅というのは、一種の賭けだと思います。

 上野へ戻ってきて、雪が全くないという光景を久々に目にしたとき、なんだか強い違和感を感じました。ずっと雪のある光景ばかりを見てきたからでしょうか。「ああ、俺もすっかり雪国の人になっているのかな?」と微笑。雪が全くない上野にはおよそ似つかわしくない雪国用の靴を履きながら、関東にはやや過剰な厚着をしながら、いかにも「寒いところから来たよ」という感を振り撒きながら、雪国人と関東人の狭間に魂がさまよう・・・。



                  10  11  12  13  14  15  16  17  18

DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ