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 新青森を発車した列車は、隣の青森までは、座席が進行方向逆向きになっている状態で走ります。そして列車は列車は青森に到着[①]。スーパー白鳥号も、青森市中心部へのアクセス列車としての一面もあるので、ここ青森で降りる人も多くいます。しかし、あくまでも(新)青森から対函館の北海道アクセス列車というのが本分。青森から乗る人ももちろん多くいます。

 青森からは津軽線を走ります。津軽線の、北海道直通列車が走る青森〜中小国間は、最高速度が100q/hに設定されています。789系は青函トンネル内で最高速度140q/h、それ以外の一般在来線でも130q/hで走れるだけの性能はあるので、少し持て余し気味というところでしょうか。

 列車が蟹田が近づくと、進行方向右手に陸奥湾が見えるようになり[②]、これが見えるようになると、下車駅の蟹田はもうすぐです。そして列車は蟹田に到着しました[③]。蟹田で下車したのは私1人だけでした。この後の三厩行きの普通列車への接続列車は、スーパー白鳥11号ではなく、この後にやってくる蟹田行きの普通列車です。青森方面から三厩方面へ行く人は、その普通列車でやってくるのでしょう。

 乗務員がJR東日本の人からJR北海道の人へと代わり、列車は函館へ向けて蟹田を発車[④]。この後、青函トンネルをくぐって、北の大地へと進んでいきます。私も、そのうち北海道へ行きたいですね。


















 雪が降るしきる蟹田駅。ホーム上には除雪用具があり[①]、ホームの中心線上には、かき集められた雪が積み上がっていました[②]。そして、列車が来ないときでも、乗客がホームにいないときでも、安全な駅づくりをするために、作業員が休むことなく除雪作業を行っていました[④]。こういった人々の努力の下に、我々利用客は安心して鉄道を利用できるということなのですね。

 蟹田駅の駅舎[⑤]。寝台特急を除く全ての旅客列車が停車する駅ですが、蟹田駅自体は、人口約6500人という小さな町である、青森県の外ヶ浜町の1つの駅に過ぎません。蟹田〜三厩間の列車の発着駅、北海道直通列車の乗務員交代駅と、列車の運行上は重要な駅ですが、駅舎の大きさや利用客の数は、さほどでもありません。駅前は、当然ですが、道路も含めて真っ白です[⑥]

 再び蟹田駅の中へと戻るとき、オレンジカードの販売終了の案内を目にしました[⑦]。いつかそういうときが来るだろうとは思っていましたが、ついに来てしまいましたね。オレンジカードは、例えばカシオペア号の車内で乗車記念品として販売するなど、何かの記念品として使われる一面もありましたが、そのあたりはどうするつもりなのでしょう。何か違うものを記念品として売るか、あるいはもう何も売らないか。まあ後者なのでしょうが・・・。

 駅の入り口に正月飾りがありました[⑧]。地域ごとに、都道府県ごとに、物事に対する価値観というのは差異がありますが、正月はめでたいことだというのは、地域性の枠を越えた、全国で共通の価値観でしょう。

 駅舎内はこのような感じ[⑨]。2010年の末ごろに一新されたようで、駅舎の中はきれいです。椅子やベンチなども整備されているので、蟹田駅で少し待ち時間があるという場合でも大丈夫です。

 そろそろ三厩行きの列車に乗りに行きましょうか。改札口を通って跨線橋を上がり、3番線へ向かいます。跨線橋の中から、3番線に停車する2両編成のキハ40系が見えました[⑩]。屋根上を見てみると、何か足りないような気がするなと思われるかもしれませんが、実は津軽線を走るキハ40系には冷房装置がありません。2013年の今でも、まだ非冷房なのです。

 今は、普通列車でも冷房がついていて当たり前という時代です。優等列車でなくとも、冷房の効いた快適な車内空間を手に入れられる時代です。そのような中で、未だに非冷房車が平気で走っているという事実を、どう受け止めるかは人それぞれというところでしょうが、考えようでは、一昔前の旅を楽しめるというように前向きに考えることもできるかもしれません。

















 1日に僅か5往復しかない、蟹田〜三厩間の普通列車。蟹田11:22発の三厩行きの普通列車は、5本ある下り三厩行きの列車のうち、蟹田駅をその日で2番目に出る下り列車です。車両はキハ40系2両編成[①]

 このキハ40系には、仕切り扉付きのデッキがありました[②]。寒冷地を走る車両らしい寒さ対策ですね。このようにデッキがついていて、車内はセミクロスシートとなっています。ロングシート部に座っているならともかく、クロスシート[③]に座っていれば、デッキがあることとも相まって、感覚的にはキハ58系あたりの気動車急行列車に乗っているような感じがしないでもないのではないかと、平成生まれの若僧は思いますが、どうでしょうか?

 青森から来た蟹田止まりの普通列車からの乗り換え客を受けて入れて、11:22に列車は蟹田を発車。三厩までは40分の所要時間です。蟹田を出てまず最初に停車するのは、中小国駅[④]。信号場などを考えず、駅で考えれば、この中小国が津軽線と海峡線の分岐駅です。しかし、スーパー白鳥号などの北海道直通列車は1本たりとも中小国には停車せず、乗務員交代も蟹田(一部青森)で行います。

 11:50に停車するのは大川平駅[⑤]。ここで1人乗客を増やしました。蟹田〜三厩間は、1日5往復しか走っていないわけですから、利用客(需要)は推して知るべきなのだろうなと思いながら列車に乗っていましたが、蟹田発車時点の乗客数も、途中駅から乗ってくる人の数も、まあ5往復でも仕方ないかなと納得する程度のものでした。沿線人口を考えると、本数を増やして利便性を上げれば乗客も増える・・・、とはなりそうもないですし。

 ローカル線らしい雰囲気と様子の車内[⑥]。このローカル列車特有の、うまく説明しがたい、何とも言えない独特の雰囲気と空気感が、私は好きです。でもその一方で、「旅は快適な特急を使ってこそさ」という考えも持っているので、ローカル列車ばかりに乗るということはしていません。うーん、まあ、基本的には特急列車で、その中でも時には彩を添えるようにローカル列車に乗る、という程度に均衡が取れれば良いかなあと思います。

 終点三厩が近づくころ、スーパー白鳥号で蟹田が近づくと陸奥湾が見えたように、この普通列車でも海(三厩湾)が見えてきました[⑦]。しかし海と言っても、夏に見るような、あの青くて景色を鮮やかにする、人々の視線を引きつけるものではなく、北国の寒さを象徴するかのような、いかにも冷たそうなモノトーンな海です。

 そして列車は12:02に列車は終点の三厩駅に到着しました[⑧]。降りてきた人はやはり少なく、そしてその少ない乗客の中に、同業者が数人いましたから、純粋な一般的な利用者は本当に僅かかもしれません。

 津軽線のキハ40系には、行き先表示用の方向幕やLEDがありません。その代わりに、昔懐かしい(はず)サボが使用されています[⑨]



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