●12月26日●

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※各画像はクリックすると拡大します。


奥羽・羽越・信越・上越・高崎・東北線2022レ 寝台特急あけぼの号(EF81形+24系)
青森(18:25)〜上野(6:58)

珍しい光景①

なぜ俺はここにいるのか②

機関車は交換済み③

方向幕④

 目覚めたのは6:00ごろ。列車は駅に停車していました。蛍光灯の光がまぶしく、また複数のホームが見えたので、大きい駅なんだろうということは、目覚めて窓の外を見た瞬間にすぐに分かりましたが、駅名標を見てそこが長岡駅であることを認識するまでにはしばらく時間がかかりました。

 6:00ということは、定刻で走っていれば、今は高崎線内で、あと30分ほどで大宮に到着するという頃です。しかし、まだ長岡駅ということは、上越線にすら入れていません。どうやら、尋常ではない遅れになっているようですね・・・。

 しばらくすると、個室内のスピーカーから、ハイケンスのセレナーデのチャイムが2度、流れました。そして、衝撃の車内放送。

 「この先の上越線は大雪で、現在除雪作業を行っているが、追い付かない。除雪が終わらなければこの列車は発車できないので、除雪がいつ終わるか分からない以上、この列車もいつ長岡を発車できる分からない。長岡で打ち切りにはならないが、新幹線にお乗り換えを。」

 そう来てしまいましたか・・・。実は長岡で抑止の状態だったんですね。別に、「この後非常に大切な用事があるから、さっさと帰らなければならない」ということはないので、このまま気長に除雪終了を待って、あけぼの号に乗って上野まで行っても良いんですが・・・、「いつ発車できるか分からない」なんて言われると、ちょっと困ります。それこそ、例えばあと5時間や6時間も待たなければならないようなことになれば、体と精神が持ちません。

 もちろん、何時頃には発車できそうだと言って、そうならなかったら色々と大変だから、あえていつになるか分からないと言っている可能性もそりゃあ否定できなくはありませんが・・・、しかし、いくら急ぐ必要がなかったり、せっかくのあけぼの号への乗車だとは言っても、発車の見込みが立たないとなれば、乗っていられません。

 結局、6:10ごろに、私は新幹線振り替えを受けることを決断しました。部屋から荷物を出し、忘れ物がないかを確認したら、あけぼの号から下車します。「長岡」の駅名標と、乗降扉を開けた24系あけぼの号[①]。あけぼの号は上下列車とも、機関車交換のために長岡で運転停車はしますが、乗降扉を開けての客扱いは行わないので、珍しい光景だと言えましょう。

 せっかくなので、機関車を撮影しに行くと、既にEF81形からEF64形への交換が済んでいました[③]。2009年3月のダイヤ改正より、長岡〜上野間はEF64形が牽引するようになりました。これにより、2010年3月のダイヤ改正で北陸号が廃止されましたが、EF64形が牽引する旅客列車が消滅する、という事態は回避することができました。

 あけぼの号から新幹線に乗り換える人は、階段を上がって新幹線乗換口へ行くようにとの指示が先ほどの車内放送であったので、新幹線乗換改札口へと向かいます。

 それにしても・・・、新幹線振り替えの案内は、6時3分ごろにされたんですが、JRの旅客営業規則第282条の2では、「寝台の利用を開始した後、午前6時までの間に使用できない区間が発生した場合は、寝台料金を全額払い戻す」ということになっています。上越線が大雪であるために、新幹線への振り替えをしなければならないような状況であることは、何も6時過ぎまで分からなかったことではないでしょう。そんなことは分かっていたはず。

 ・・・と考えると、寝台料金の払い戻しをさせないために、わざと新幹線振り替えの案内を6時を過ぎるまで行わなかったんだろと疑心暗鬼になってしまいます(笑) 6時を過ぎてから新幹線振り替えの案内がされ、その後にあけぼの号を下車した以上、6時を過ぎても寝台を使ったことになるので、寝台料金は絶対に払い戻されません。たとえ5、6分でも、6時を過ぎても使ったことは事実になってしまうので・・・。







上越新幹線300C Maxとき300号(E1系)
長岡(6:28)〜上野(8:06)

後続の列車のご案内①

新潟発初電②

のっぺらぼうE1系③

約1時間40分で上野④

上野へ帰還⑤

 新幹線乗換改札口で、「あけぼの号の乗客か」と聞かれたので、はいと答えると、「後続の列車のご案内」と題された紙を渡されました[①]。これから、記事欄にあるMaxとき300号に乗車します。

 対象列車が、「あけぼの・ムーンライト」となっていますが・・・、ムーンライトえちご号ですか。あけぼの号は寝台”特急”なので何の問題もないと思いますが、ムーンライトえちご号は”快速”列車です。それでも、今回、新幹線振り替えの対象になったんですね。特急料金などが不要な快速列車から、本来は新幹線特急料金が必要な新幹線への振り替えなんて、”進化”にして”超お得”だと思うんですが(笑)

 長岡6:28発のMaxとき300号に乗車します[②]。この手の振り替え輸送の場合は、自由席にしか乗れないんですが、幸いにして、Maxとき300号はグリーン車以外は全車自由席という列車なので、普通に長岡から乗る人に加えて、あけぼの号やムーンライトえちご号からの乗客で自由席は大混雑・・・、ということにはならないで済みそうです。

 E1系のMaxとき300号が、6:27の定刻に長岡駅の12番線にやってきました[③]。悪名高き3+3配列の2階席は避け、通常は指定席となる、2+3配列の2階席に乗車しました。ま、通路側の席になってしまったので、視点が高い2階席に座った意味はあまりありませんでしたが。

 まだ真っ暗な長岡駅を発車して、列車は上越新幹線を上っていきます。長岡の隣の浦佐は、上越線・上越新幹線両方の駅なので、浦佐付近を走行中には、大雪だという上越線の実際の状況を知ることができるわけですが、たしかにすごい大雪でしたね。積もりに積もった雪で、1階部分がなくなりかけている家も見えましたし。

 ただ、それほどの大雪でも、一切の徐行もせずに突っ走るあたりは、さすが新幹線だと思いましたね。消雪設備としてスプリンクラーを線路脇に配置するなど、雪対策を万全に行っている上越新幹線は、大雪でも何の問題もなく走ってしまいます。

 上毛高原〜高崎にある中山トンネルを抜けると、車窓から雪は消え、また昇る朝日が見えました。まだ橙色が付いている、昇りかけの朝日から放たれる橙色の光は、車内に優しく差し込み、客室内を幻想的な空間に変えました。残念ながら、写真はないんですけれどもね・・・。

 そして8:06、定刻にMaxとき300号は下車駅の上野に到着しました[④]。あけぼの号は定刻で走れば、上野には6:58に到着します。それと比較すると1時間8分遅れというところですが、あけぼの号は通常、長岡〜上野間は4時間ほどかけて走ります。仮に、あけぼの号が長岡を6時に発車するものとしても、上野到着は10時ごろで、約3時間遅れ。3時間は遅れるところを1時間8分の遅れに留めたんですから、さすが新幹線。速いですね。

 さて、これにて今回の旅は終了です。遅延はあるにしても、あけぼの号で上野駅に降り立って旅は終了・・・、となるものだと思っていたので、まさか長岡で新幹線に乗り換えて、新幹線で上野駅に帰還、という展開で旅が終わるとは思ってもいませんでした。

 日本海号の大幅な遅延に始まり、リゾートあすなろ下北1号の運休、予定変更、あけぼの号に乗るも長岡で新幹線に乗り換えなど、色々と波乱万丈だった今回の旅。これほどダイヤの乱れに悩まされた旅は、今までには1度もありませんでした。今回が初めてです。

 しかし、飯山線に乗ることができ、日本海号にも乗れ、八甲田丸の見学もできましたし、東北新幹線の未乗区間の乗車とE5系への初乗車もできました。そして、あけぼの号への乗車も、一応はできました。予定通りにはいかなかった旅でしたが、乗りたいものには乗れ、行きたいところには行けましたから、特に不満はありません。むしろ満足しています。

 「東北応援パスで冬の白銀の大地へ」行った、今回の旅。冬の北国も厳しい気候と環境も知ることができた3日間でした。

 ちなみに、長岡で抑止となった上りあけぼの号ですが、後からインターネットで調べたところによれば、なんと6:45頃には長岡を発車したとか。それならあけぼの号に乗って上野まで行きましたよ。いつ発車できるか分からない、と言われたから新幹線に乗り換えたんですがね・・・(笑)






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