−3−
※各画像はクリックすると拡大します。


信越本線・飯山線135D 普通列車 (キハ110系)
長野(12:32)〜上桑名川(13:52)

解体待ちの583系①

211系の姿も・・・②

北陸新幹線の高架橋③

信越本線との分岐駅・豊野④

車窓に千曲川⑤

替佐で列車交換⑥

川の水の色が緑色⑦

飯山では結構降りた⑧

まさに雪の絨毯⑨

キハ110系を見送る⑩

 2両編成のキハ110系に乗って向かう先は、飯山線の上桑名川駅です。「どこだそれ」とか言われてしまうかもしれませんが、それも仕方ありませんね。何せ、1面1線の無人駅という、小さな駅ですから。
 また、何か明確な目的があってそこへ行くというわけでもありません。ただ単に、「時間に余裕があるならば、適当な駅で下車して、その土地の雰囲気や様子を感じ取る」という個人的な指針に基づいて、上桑名川駅をその下車する駅に選んだだけですからね。

 役目を終えた車両が集い、廃車解体のときを待つ場所、北長野。今回の旅で、135Dの車内から見た時点では、583系などがいました[①]。JR東日本の583系は、以前は仙台と秋田にそれぞれ6両編成が1本ずつ在籍していましたが、そのうち、秋田車が廃車されることになり、こうして北長野へと回送され、解体されるときを待っていました。また、京浜東北線で走っていた209系の姿もありました。

 そしてさらに、東海道本線を走っていた211系の姿も見られました[②]。現在、東海道本線東京口の211系は、E233系3000番代への置き換えが進行しています。東京などで何度も見てきた、あの見慣れた211系が、あの2階建てグリーン車が、こうして北長野の地へやってきて、解体のときを待っているという事実は、にわかには信じがたいものでした。

 上越、富山、金沢などへと延びていく北陸新幹線の高架橋も見ながら[③]、列車は12:46、飯山線の起点の駅、豊野に到着します[④]。信越本線と飯山線が分かれる駅といっても、そんなに人が乗り降りする駅ではないだろうと思っていましたが、豊野ではそれなりの数の乗客の乗り降りがあり、私も、豊野でクロスシートにありつくことができました(長野〜豊野はロングシートだった)。

 豊野からはいよいよ飯山線です。クリスマス寒波はどこへやらと言いたくなる青空が車窓には広がり、線路に沿って千曲川が流れます[⑤]。13:04に到着する替佐では5分停車し、上りの長野行きの列車と列車交換を行います[⑥]

 それにしてもこの千曲川、川の水が綺麗ですね。澄んだ緑色をしています[⑦]。うちの近所の川は茶色に濁っていて、千曲川と比べると、その違いに驚いてしまいます。いやひょっとしたらこのまま浄化しないで飲むことすらもできるんじゃないだろうか、そう思うくらいの綺麗さでした。

 13:23に到着する飯山では、写真でお分かりいただけるように、多くの人が下車しました[⑧]。まぁ、”多くの人が”とは言っても、空(す)いている2両編成の列車にとっての”多く”ですが・・・。とはいえ、さすがに路線名を冠する駅なだけはあります。

 雪の絨毯、とでも言っておきましょうか。下には水田があると思われる線路の近くの地面は、一面が真っ白な雪に覆われていました[⑨]。それでいて、人間はもちろん、動物の足跡すら1つもありません。こういうものがあると、空が晴れ渡った青空ならば最高だ、というところなんですが、その空がやや曇っていたのは残念でしたね。

 飯山線はご存じのとおり豪雪地帯を走る路線で、冬場は大雪や除雪作業のためにしばしば運休が発生しますが、今回は、幸運にも飯山線では時刻通りに列車が運行されています。⑨番の写真のような雪景色の飯山線は、文字通り冬ならではのもので、冬に飯山線に乗らなければ見られないものです。それをこうして列車の運休などに見舞われることなく無事に見られたことは、本当に嬉しいことです。

 そして13:52、下車駅の上桑名川駅に到着しました。この駅で、私以外に降りた人はいませんでした。雪に埋もれ、アスファルトが行方不明になったホームから、キハ110系を見送ります[⑩]

 その駅を発着する数少ない列車のうちの1本から降りてきた乗客は僅かに1人・・・。その駅やその路線の存亡を占おうと思えば、1人しか降りてこなかったなどというのは、利用が少ないことの証で、悪いこと以外の何物でもありませんが、遠地からやってきた旅人としては、むしろそのような”田舎の無人駅”の雰囲気がよく醸し出される状況の方が良いんですよねー・・・。






上   桑   名   川   駅   ①
Kami-Kuwanagawa Station ①

かみくわながわ①

ホームは雪だらけ②

僅かに見える乗車口シール③

待合室④

待合室内部⑤

駅ノートがあった⑥

除雪機械か⑦

駅周辺の様子⑧

スロープは使用不可⑨

積雪何cm?⑩

 上桑名川駅にやってきました。上のブロック内の一番上に書いたように、特に何か目的があってこの駅に降りたわけではありません。が、1面1線の無人駅で、ホーム上は除雪もされず雪だらけ[②]というこの状況は、いかにも”地方の小さな駅”という雰囲気があって、旅行で遠地に来ていることを改めて実感させてくれます。

 ホーム上に積もった雪はそれなりの厚みがあり、足を踏み込んだところはくっきりと足跡が残ります。雪はホーム上の面ほぼ全てをすっかり覆ってしまっているので、ワンマン列車の乗車口案内のシールも、こんな具合の雪の中に・・・[③]。「野方」という字が見えるので、たぶん、「長野方面」と書かれているんだろうとは思いますけど・・・。

 上桑名川駅は1面1線の無人駅ですが、待合室はきちんと設置されています[④]。暖房等はありませんでしたが、待合室内にはマットが敷かれたベンチがありましたし[⑤]、待合室で座って寒さをしのぎながら列車を待つことはできそうです。また、駅の利用者はそんなに多くないでしょうし、駅周辺もたくさん人が住んでいるというわけではなさそうでしたから、夏なら駅寝ができそうにも思えました(どう考えても冬場には無理ですね)。
 もっとも、私は駅寝という行為には感心しないので、少なくとも私がするつもりは一切ありませんが。夜を明かすのはやっぱり列車内かホテルで。

 そんな上桑名川駅には、待合室の中に、駅ノートがありました[⑥]。こういった駅ノートというものは、個人的には、秘境駅としてそれなりに全国的に名の知れた駅にあるもの、と思っているんですが、上桑名川駅も、実は全国的に知られている秘境駅なんでしょうか? ・・・まぁ、そういうわけではないとは思いますが、この駅を訪れた記念に、私も記帳しておきました。

 待合室には、除雪用の機械が置いてありました[⑦]。ホームはまだ良いとして、とりあえず、このスロープは除雪用の機械でも使って、早く何とかした方が良いかと(笑)[⑨]。 そういう人がいるいないは別にして、これだと車いすの人が上桑名川駅を利用することはできないですよね。

 人や動物が一切手を触れず、ただ積もりに積もっていった雪は、積雪が何cmなのかを教えてくれます[⑩]。私にとっては、これでも十分すごい積雪だと思えるんですが、何せ、まだ12月24日です。冬本番と豪雪はまだまだこれからなんです。これだけ積もっていてもまだ序の口だと言えるわけですから、いや、全く驚くばかり。






上   桑   名   川   駅   ②
Kami-Kuwanagawa Station ②

駅前の道路①

廃屋②

雪国の暮らしの象徴③

わんこ④

わんこう⑤

謎の速度標識⑥

白いわんこ⑦

必要最低限の除雪⑧

日本国有鉄道の文字⑨

1両編成の列車⑩

 駅前の道路は綺麗に除雪されていて、十分車がすいすいと走れる状態になっていました[①]。民家もそんなにあるわけではなく、駅の近くにある施設といえば、ガソリンスタンドくらいしかなく、いかにも住んでいる人は少なそうで、田舎とか、ふるさととかいう言葉がちょうど似合いそうではありました。

 道路に沿って立つ建物の中には、窓ガラスが割れた不気味な廃屋もありました[②]。建物の内部はどうなっているのかなんて、想像したくもなければ、見たくもありませんが・・・。

 駅からほど近いところにある民家で、屋根の雪下ろしや除雪をしている人たちがいました[③]。雪下ろしや除雪は、冬の雪国での暮らしの象徴だと言えると思いますが、その苦労は並のものではないというのは、私にも想像がつきます。私も、雪国に住むことになって、毎年冬は雪下ろしに追われる日々というようにでもなれば、雪を嫌い、春を待ち遠しく思う人間に変わるんでしょうかね?

 特にすることもないので、道路をぷらぷらと歩いていると、雪の中、リードに繋がれて家の外に出ている犬を発見しました[④]。私が近寄ると、姿勢を低くして、雪の上に伏せました[⑤]が、いくら全身が毛に包まれているとはいえ、寒いとか、冷たいとか思わないんでしょうかね。まぁ、雪や寒さには慣れているということかもしれませんね。
 この後、この犬の飼い主の方が帰ってきて、他愛もない会話を少し交わしました。遠地の見知らぬ人との出会いは、旅の醍醐味の1つです。

 さらに道路をぶらついていると、40km/hの速度標識が目につきました[⑥]。一見、何の変哲もない速度標識に見えますが、なんだか違和感を感じませんか。この速度標識、道路に対して平行に取り付けられています。普通は、交差するように取り付けるのに・・・。

 本当は交差するように取り付けられていたのが、何らかの理由で回転してしまってこうなってしまった、というようには見えませんでした。実は⑥番の写真の視点で見て、奥の方に向かって道があるが、その道は雪で埋もれてしまっていて見えないため、このような不自然な速度標識がある・・・、などと考えたりもしましたが、真相は闇の中。

 駅へ戻る途中、今度は白いわんこを見つけました[⑦]。こちらの犬は、先ほどの黒い犬と比べると警戒心が強いのか、私と目が合ってからしばらくすると吠え出しました。黒い犬は吠えもせず、尻尾を振って雪の上に伏せて、人懐っこい感じがしたんですが。

 上桑名川駅のホームの前まで行き、ホームへの階段を上ります[⑧]。ホームへと繋がる階段は、一応除雪(除雪と言えるほどのものかは分からないが)されていましたが、そうされていたのは階段の全幅の半分だけでした。今はこうして階段が見えていますから大丈夫ですが、またある程度の量の雪が降ったら、今見えている部分も間違いなく雪の下に消えると思います。
 ホームから階段が見えなくなって、どこから下へ降りていけば良いのか分からない、なんて事態も起こってしまうかもしれませんね。

 待合室の壁にあった、「建物財産票」のプレート[⑨]。このプレートには、「日本国有鉄道」の文字がありました。また、待合室(駅舎)の施工年月が書かれているらしいので、だいぶ薄れたその数字を何とか読み取ってみると、「1949-3」と書かれていました。もちろん、多少の手直しはされているとは思いますが、1949年3月に建てられた、既に築70年以上の待合室を使っているんですよね。
 飯山線を走る車両の変化や上桑名川駅周辺の変遷などを全て知る、歴史の証人とでも言えましょうか。

 長野・豊野から飯山線を下ってきましたが、ここで一旦、長野方面へと上っていきます。14:45発の戸狩野沢温泉行き[⑩]に乗車し、戸狩野沢温泉へと向かい、そのあと長野行きの列車に乗り継ぎ、飯山へと向かいます。



                  10  11  12  13  14  15  16

DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ