引き続き、EF65-1124が列車を牽引する。既に専用色に塗られたEF81形が敦賀にあるのだから、それらに牽引させても良いのではないかと思ってしまうのだが、山陽本線でトワイライトエクスプレス号を運転するときは、以前からEF65形が使用されている。この1124号機は、2015年秋の全般検査に合わせ、わざわざこの色に塗り替えたもので、特急色のEF65形よりも、より「トワイライトエクスプレス」らしさを演出してくれる。
ここ光駅では、ちょっとした出迎えがあった。ホームに降りたなり視界に飛び込んできたのは、光市のゆるキャラ「ひかるちゃん」と、光市出身のかの総理大臣「伊藤博文(に変装した人)」であった。光は長く停車するだけで、立ち寄りとすら言えないが、彼らによって、乗客たちに「光」という街を植えつけられれば、光市もご満悦であろう。これで光を覚えてもらえれば、いつか観光でまたやってきてくれる可能性が生じるのだから。
発車時刻は15:23であるが、点呼をとって全ての参加者がいるかを確認しなければならないため、実際には、早めに車内に戻っておくように催促される。この辺りは、いかにもツアーの専用の団体列車らしい。私も3号車1番の部屋へと帰ったが、もう皆自室へと戻ったのか、個室前の廊下はひっそりと静まり返っていた。デッキにせよ廊下にせよ、木目調で近代的な内装は、とてもここが24系の車内であると思わせない。
光を発車した列車は、柳井を目指して進んでいく。何となく気が向いてサロンカーへ足を運んでみると、そこはもぬけの殻で、乗客や添乗員の姿は見られなかった。人の姿がないことで、サロンカーの全体が見渡せるようになったが、改めて、その窓の大きさには感嘆する。そんな大きな窓が、車内の左右に連続して配置されているのだから、車窓の流れ方は豪快そのもの。まるでオープンカーに乗っているかのようである。
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