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 以前は、滝川駅に発着するバスというのは、駅前ではなく、少し離れた「北海道中央バス滝川ターミナル」に集約されていました。以前に滝川を訪れたときは実際そうだったのですが、現在はバスターミナルとしての機能は廃され、バスは駅前で発着するようになっています。鉄道とバスの接続という面では、その方が良いはずに違いありません。

 もともとは、滝川10:52発の特急列車に乗る予定でした。しかし、グライダー搭乗の開始が遅くなったことにより、それに乗ることができませんでした(そのような事態は想定されていて、一応、この先の旅程は11:52の特急でも成り立つ)。そこで、少々早いのですが、滝川駅前の食堂で腹ごしらえをしていきました。色々な意味で古風な食堂でしたが、おかげで肩肘は張りませんでした。

 特急ライラック号に充てられるのは、かつて特急スーパー白鳥号で使用されていた789系です。スーパー白鳥号では何度か乗車していた車両であるだけに、少し懐かしさがあります。これこそ北海道の夏と思わせるような澄んだ青空と緑の農作物は、いつ見ても素敵な車窓であると思いますし、大海原や星空のような分かりやすい絶景にも引けを取らないものがあります。

 5分の接続で富良野線の列車に乗り継ぎます。12:30発の美瑛行きが次の列車です。




                     












 キハ150形2両編成に乗り込みます。2019年以前であれば、このような観光シーズンの富良野線の列車というのは、相当な混雑を見せるに違いないはずでしたが、やはりというべきか、車内は相当な余裕がありました。ただ、進行方向向きのクロスシートぐらいは全て埋まっていたので、”2両目の運転室の横”という、後面展望をするに最適なお気に入りスポットを確保しておきました。

 富良野線は普通列車しか走らない路線ですが、線形は概して良好であり、その気になれば飛ばせそうな様子には見えます(路線としての最高速度は85km/h)。旭川を出て3つ目の駅は西御料ですが、ここから西瑞穂、西神楽、西聖和と”西”を冠する駅が4つ続きます。これらはいずれも”西”が付いた駅のみがあり、それを冠さない”本家の駅はありません(瑞穂はなぜか宗谷本線にある)。

 この列車は2両編成で運転されていますが、西聖和駅のホームは1.5両分の長さとなっていて、2両で運転する場合、列車の一部が踏切にかかってしまいます(富良野方面行きの列車の場合のみ)。そのため、せっかく列車が到着したにも関わらず、自動車はこの列車が発車するまで踏切を通過することができません。

 どこか日本離れしたような景色の中を列車は進みます。旭川寄りの区間は、市街地も通過し、通勤・通学需要に応える路線という一面を持っていますが、富良野方面に進めば進むほど、北海道という言葉の響きにふさわしい雰囲気になってゆきます。




                           















 終点の美瑛で富良野・美瑛ノロッコ3号に乗り継ぎます。基本3往復が運転される同列車のうち、1往復は旭川まで足を延ばしていますが、残りの2往復は美瑛発着としてそれぞれ富良野とを結んでいます。感染症対策で座席を間引いて販売する(という、少なくとも私にはよく分からない理論)旨の話をキャッチしていたので、1か月前の10時打ちで指定席券を手配しました。

 今回の旅では、既に釧路〜塘路でノロッコ号に乗車しているので、このような形態の列車に乗るのは2度目ということになりますが、あのときは雨でした。しかし、今日は素晴らしい晴れ模様です。ノロッコ号の神髄は、やはり窓を開け放ち、爽やかな風を浴びながら乗車するところにあると言えるでしょう。今日はそれができるのです。

 例年の富良野・美瑛ノロッコ号は、指定席1両・自由席2両で運転されます。ところが、この2020年度は、感染症対策を標榜して、”指定席2両(ただし定員を4割減らす)・自由席1両”という編成で運転されました。その結果、たしかに指定席車両には余裕がありました。しかし、自由席車両に目を向けてみれば、立ち客が多数発生する状況。何をやっているのでしょうか?

 海の水平線を眺めて、その果てにはどこにあるのだろうか・・・と想像することがありますが、北の大地の上空に広がる大空を見たとき、私は同じようなことを考えます。これほどにも限りない広さを湛えた空は、いったいどこまで続いてゆくのだろうか・・・と。この日本でさえ、今日もどこかは雨なのでしょうが、こんな晴天が世界の果てまで続けばいいのに、と夢想します。

 富良野・美瑛ノロッコ号は客車列車ですが、終点駅で機回しなどやらないので、富良野方面に向かう列車は”逆走”となります。機関車を最後部に付けたまま、客車に備え付けた運転室から制御を行い、客車を先頭として走ります。


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