Page:8

※各画像はクリックすると拡大します。



                           















 停車場での食事を終えたので、網走駅に戻ります。展望台に上がると、遠く釧路方面からやってくる列車の姿を見ることができます。戻りの列車も快速しれとこ摩周号でしたが、もはや快速運転を行う区間(というか、細岡を通過した後だから)は終わっていて、あとは普通列車と変わりありません。「快速」の種別幕とヘッドマークだけはありますが・・・。

 今朝だけで少なくとも網走〜北浜間は2往復することになり、そしてこれは2度目の北浜⇒網走でもあるので、まあとにかく退屈なこと。通過駅があるわけでもありませんしね。既に見た車窓は、同じ日に再度見たところで面白いはずもなく・・・。

 ひとまず網走駅に到着し、次に乗る列車は、12:35発の特急大雪4号です。長らくの間、北海道の定期特急列車というのは、全て「札幌駅が始終着になる」というのが特徴でしたが、2017年3月のダイヤ改正により、旭川を始終着とする特急列車が生まれました。大雪号は、4往復あったオホーツク号のうちの2往復を旭川発着にしたものです。

 大雪は、かつて運転されていた急行列車の名前でもあり、これが復活したことにはニヤリとします。常磐線の特急列車に、かつてのフレッシュひたち⇒ときわがありますが、ときわもまた、かつての急行列車の愛称です。以前に使われていた名前が復活して蘇るというのは、個人的には”ニクイ”ものがあり、好きですね。

 大雪号が生まれてからしばらくして、かつて特急北斗号で使用されていたハイデッカーグリーン車がやってきました。非振り子式車両でありながらもかっ飛ばす北斗号のような走りは味わえませんが、「キハ281系の速さは実現できないが、代わりに眺めの良いグリーン車を」という狙いを持ったハイデッカーグリーン車を今でも味わうことができるのは、素敵なことです。




                           















 ハイデッカーグリーン車にはありつけませんでしたが(6日間周遊パスでは、特急列車のグリーン車に乗る場合は、別途特急券・グリーン券が必要となり、グリーン料金の追加だけではNG)、その代わり、私は前面展望ができる座席を確保しておきました。パノラマ型車両のような、最初から前面展望をすることを前提とした車両ではありませんが、ある程度の楽しさはありましょう。それこそは1号車17番A席!

 先ほど、北浜駅の停車場では、「昼食を食べるには少々早い」ということで、軽食程度に留めておきました。もとより、時間帯的に言っても、昼食は特急大雪4号で食べるのが良いだろうと思っていたので、網走駅で仕込んだ駅弁をここで食べましょう。駅弁を取り扱う駅も少なくなり、私も含め、コンビニ弁当で済ませる人も多い時代になりましたが、たとえ高くとも、駅弁は駅弁であり、美味なのです。

 天候は良くなるどころか悪くなり、正面の窓にも水滴が付着するようになりました。まあ、それはそれでいいのですが、飛び石による破損対策のためか、正面の窓には補強用の部材が取り付けられていて、ビミョーに眺めが悪いです。もし身長が200cmほどあり、座高が凄まじいのであれば、問題にはならないのかもしれませんが、178cmの私は、補強部材がちょうど視界のど真ん中に来て・・・。

 釧網本線には、そのローカル線度合いには似合わないような高架区間がありました。一方で、石北本線の北見〜西北見間には「北見トンネル」がありますが、これは普通のトンネルではなく、市街地を地下によって避けるためのトンネルです。よって、札幌ほどの都市でないにも関わらず、実質上の”地下鉄”が存在しているのです。

 そうこうしているうちに下車駅の生田原に着きました。自分で言うのもアレですが、特急列車の停車駅にこそなっているものの、本当にここで乗り降りする人って、そうそういるものではないのでは・・・。




                           















 生田原で降りましたが、特に目的や予定はありません。乗り継ぐ先の普通列車が来るのを待つというのが、ここで私がやるべきことです。個人的にですが、「特急列車が停まりこそすれども、どう考えても乗り降りがあるとは思えない」駅は、私は好きです。ここでは生田原でしたが、例えば特急スーパーおき号の日原駅とか徳佐駅とか、あそこらへんに行ってみたい思いはあります。

 特急停車駅=大きな駅という認識はもはや間違いであり、生田原駅は無人駅です。それも、最近になってJR北海道の厳しい経営状況を反映したがゆえに無人となったわけでもなく、1984年11月には無人化されていたという駅であり、無人駅としての歴史は長いです。それでも優等列車が停車するからには、それなりの需要があると見込んでいるのでしょうが・・・。

 普通列車に乗り、安国駅を目指しました。北海道は広大な大地ですが、札幌都市圏であるならばいざしらず、地方部で特急列車が通過してしまうような駅というのは、”ただでさえローカル線であるのに、その中でも特急列車が停まらない”ということで、相当な秘境駅間が予想されてしまうわけですが、そのような駅に行けるのは、まさに普通列車の特権です。

 ほとんど乗客がいない普通列車に揺られて小さな駅に降りるとき、私はひとつの幸福感に包まれるのです。


TOP                    10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
21  22  23  24  25  26


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ