Page:8

※各画像はクリックすると拡大します。

















 南稚内駅構内[①]。見た目は2面3線のような感じですが、実際には相対式2面2線です。また、線路は2線あるものの、旅客列車は、基本的に駅舎側の1線のみを使用していて、もう1線の方は、回送列車が入ってくるときなどに使用します。線路上に積もっている雪の量の違いが、それぞれの線路の使用頻度を示していますね。

 次が日本最北端の稚内ということで、特に旅行者は、意図的に南稚内で降りることは、あまりないのではないかと思います[②] [③]。次が日本最北端の駅、ひとつ手前が日本最北端の無人駅ということで、南稚内駅そのものには、特にこれという称号もありません。稚内発宗谷岬方面行きのバスは、必ず南稚内駅を経由するので、列車で稚内まで行くと、稚内〜南稚内を無駄に往復するだけにはなりますが。

 氷柱が出来上がっています[④]。いやはや、実に寒そうで・・・と言いたくなりますが、気温だけでいえば、稚内は、それほど極端に寒いということはありません。北の果てなのになぜ、と思いたくなりますが、理由は簡単で、それは、稚内が海沿いの街であるからですね。内陸の方が冷え込むということは、日本一寒い町が、十勝地方の内陸にある陸別町であることも、それを証明しています。

 南稚内駅駅舎[⑥] [⑦]。この駅で降りるのは初めてなので、駅舎を見るのも初めてです。1953年に完成した駅舎であり、稚内駅が2011年に完成した新しい駅舎に改められたことと比較すると、少々古さが目立つかもしれません。

 稚内市内では、道路上の指示標識などに、ロシア語を見ることができます[⑧]。立地上、やはりロシア人の往来が多いから、ということのようです。北海道内においては、根室市内でも、同じくロシア語の表記を随所に見ることができます。

 南稚内駅前からバスに乗り、日本最北端の宗谷岬を目指します[⑨]。定刻であれば、宗谷号は南稚内12:34着・稚内12:40着、バスは稚内13:20発・南稚内13:26発なのですが、宗谷号は、結局35分以上遅延しました。定刻通りならば、稚内まで乗り通しても、バスには問題なく乗り継げますが、結果的に、南稚内で乗り継ぐようにしておいたのは正解でした。

 稚内空港が見えました[⑩]。素人目に見ても「なかなか”飛んでくれそうにない”空港だなあ」と思ってしまいますが、それは間違いでもなく、だいぶ古いデータにはなるものの、2005年度冬期(12月〜3月)の稚内空港の就航率は、約76%でした(函館・釧路・新千歳は90〜95%)。4便に1本は欠航してしまう計算なわけですから、たまりませんね(その後、多少改善されたようですが)。

 大変な地吹雪です[⑪]。バスの進行方向の景色が全く見えません。それでも、このバスを操る運転手は、怯むことなくバスを走らせていきます。この北国の気候を知り尽くしていて、かつバスの運転手をやっている=自動車運転のプロだからこその技であると言うべきでしょう。こういったことが少なからずあるのだろうと思うと、やはり私は、冬の北海道では、ドライブをする気にはなれません。

 個人的に思う「旅行者あるある」。それは”稚内駅が日本最北端の駅だというくらいなのだから、日本最北端の宗谷岬は、駅からそんなに遠くないのでは(何だったら歩いて行ける)”という勘違い。実際には、稚内駅と宗谷岬はだいぶ離れていて、道路距離で31kmの距離があります。バスでは、所要時間約45分、運賃は1,390円です[⑫]。決して近いところなんかではありませんよ。

 さあ、いよいよ宗谷岬に着きました[⑬]。南の沖縄を発ってからというもの、長い時間がかかりましたが、いよいよ北の果てに辿り着きました。札幌駅では、その滞在時間が短く、47都道府県すべてを制覇したのだという感動には、あまり浸れませんでしたが、今ここで、改めて東西南北、日本のほぼすべてを縦断してきたのだという感動を噛み締めました。

















 日本最北端の地、宗谷岬[①] [②]。今では、羽田〜稚内間に飛行機が就航し、夏期ダイヤであれば、日帰りで宗谷岬に行ってくることも、理論上不可能ではありませんが、2月8日に沖縄を発ち、日本全国すべての都道府県を網羅してきて、ようやくにもこの地にやってきたのだと思うと、そのありがたみというか、感動というか、とにかく歓びを感じます。

 文句のつけようがない快晴と穏やかな海であれば、もう100点満点でしたが、現実は厳しく、そこには、日本最北端の地ならではの厳しい気候が待っていました[③]。風は冷たく強く、波が激しくうねっています[④]。万が一にもこの海に落ちようものなら、もう命はないでしょう。

 宗谷岬には、日本最北端の土産物屋があります[⑥]。当たり前といえば当たり前ですが、ここにあるものは、もう何でも「日本最北端」を名乗ることができます。日本最北端のポスト、公衆便所、ガソリンスタンド、飲食店、自動販売機・・・。なお、現在の気温は、-8.1度です[⑦]。海沿いということで、やはり気温は高めですが、なにぶん風が強いので、体感は寒いです。

 日本最北端の公衆便所[⑧]。今ここで用を足せば、その瞬間、私は、「日本で最も北となる場所で用を足している人」となります。ちなみにこの公衆便所、内部は暖房が入っています。さすが北の果て・・・。寒さに耐えかねたら、一時的にここに逃げるのはアリです。

 今日は、ここ宗谷岬で一夜を明かします。宿泊するのは、「民宿宗谷岬」[⑨]。実は、以前にも利用したことがあり、そのときは、爆弾低気圧が近づいてきていて、私以外の利用客が全員キャンセルしたため、当日の利用客は、私ひとりでした。そのような状況で利用したからか、私の顔と名前は憶えられていたようで、名乗る前に「あ、ようこそ○○さん」と、向こうから認識してもらえました。

 客室は和室で、バスとトイレは別です[⑩] [⑪]。シンプル・イズ・ベストな和室とでも言えましょうか。前回利用したときのことを思い出しながら、「そうそう、こんな感じだったよなあ・・・」と、ちょっと懐かしみます。



















 旅館に荷物を置いて、再度宗谷岬に繰り出しました。中学生か高校生かの団体が来ていて、記念碑のところで記念写真を撮影していました[①]。2月という時期を考えると、修学旅行とは思えないので、部活の遠足か何かというところでしょうか(ジャージですしね)。

 日本最北端の土産物屋「柏屋」で、何の役に立つのかは自分でもさっぱり分かりませんが、宗谷岬の旗を購入してみました[②]。この旗の揺れっぷりから、いま宗谷岬で吹いている爆風がどれくらいのものであるのかが、なんとなく伝わりますでしょうか・・・?

 そうこう言っているうちに、その強風に雪が混じってきました[③]。先ほどの団体も去り、宗谷岬にいるのは、私だけになりました。風と雪はさらに強まり、その後3分と経たないうちに、視界がほとんどなくなってしまうくらいの地吹雪に見舞われてしまいました[④]。さすがにこれほどの状況になると、少なくとも屋外にはいていられないので、件の公衆便所に避難してこれをやり過ごしました。

 25分ほどが過ぎ、ようやく地吹雪も落ち着いてきたので、今度は丘の上を目指してみることにしました[⑤]。本当は、ここには階段があるはずなのですが、階段という概念はどこかへ行き、そこにあるのは坂道でした。カメラバッグを抱えている以上、手ぶらよりも行動が制限されるので、決して滑り落ちることがないよう、ここは慎重に進みました。

 丘の上にある旧海軍望楼[⑥]。以前は、これに上がることができたようですが、老朽化が進んできてしまったということなのか(1902年建造)、現在は、上部は立ち入り禁止となっています。

 月が見えています[⑦]。数十m先の視界すらも奪うような地吹雪に見舞われたかと思ったら、月が見えるほどの綺麗な夜空が広がりました。ううむ、北国の天気というのは、本当によく分かりません・・・。もうとにかくコロコロころころ変わるもので・・・。

 丘に繋がる階段は、上がるときも大変ですが、降りるときはもっと大変です。勢いあまって足を滑らせようものなら、そこからはまさに「滑落」です[⑨]。重力というものの存在上、どうしても、上るときよりも下るときの方が、自然と身体に勢いがつきやすいので、手すりをしっかりと掴み、無駄に加速してしまうことがないように気を付けなければなりません。

 もう辺りも暗くなってきて、宗谷岬の記念碑では、ライトアップが行われていました[⑩]。照明に照らされることで主張を存在する記念碑は、日中とはまた違った姿を見せてくれます。そしてここで、その記念碑の前に、先ほど購入した旗を突き刺してみました[⑪]。「山を制覇した人が、そのてっぺんに旗を立てる」イメージで・・・。あ、ちなみに大丈夫です、旗は飛んでいってはいませんので(飛んだら海のごみと化す)。

 今回の47都道府県全制覇の旅は、学生時代の最後を飾る「史上最強の旅」に仕立て上げるとの目標の下、予算はふんだんに用意しました。そういうわけで、お土産についても、あげる対象人数とその内容を強化し、大量のお土産を買って帰ることにしました[⑫]

 民宿宗谷岬では、夕飯は、各部屋に配膳されます。和定食とたこしゃぶ定食の2つがあり、前回泊まったときが後者だったということで、今回は前者を選びました[⑬]。ちなみに、たこしゃぶ定食はこんな感じ。前回も今回も、「あの人、若いからたくさん食べるんじゃないの(料理長談)」ということで、白米は多めに盛られてやってきました[⑭]


TOP                    10  11  12  13  14

DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ