春、去る者たちへ哀悼の意をこめて・・・。
能登、雷鳥、500系のぞみ号惜別乗車の旅 12


N700系の急速な増備で700系が日中のひかり号に・・・。
かつてはほとんど見られなかったものですが・・・。
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反転フラップ式! ふと上を見上げると・・・、そこには古風で懐かしい反転フラップ式の発車標が!

今ではLEDが主流で、こうしたいわゆる「パタパタ」もめっきり見かけないものですが、ここで見られるとは!

私はこの反転フラップ式の発車標を、今までに小田原駅(新幹線ホーム)と富士駅のホームで見たことがあり、この米原駅新幹線ホームのものは3つ目になります。
方向幕 「ひかり 東京」の方向幕。

0系・100系には、速達タイプのひかり号の運用で使用されていた、行き先の文字が赤色で書かれたひかりのコマがありましたが、それは300系と700系には入っていません。

もっとも、今ではのぞみ号の停車駅がやたらと増えた代償でひかり号の停車駅も増えたので、「速達のひかり号」と言える列車がないというのも、また事実ではあるのですが・・・。

0系が全廃され、100系もLEDの行き先表示機を搭載した車両しか現役でない以上、もう「赤ひかり」の幕は見られません。
3列席 指定席は取っていないので、自由席車に座ることになりますが、結局探していた2列席の窓際は空いておらず、3列席の窓際にすることにしました。

まぁ、そうは言っても、とりあえず窓際席に座れるだけでも十分です。
B編成 下りホームの11番線にも、同じく700系のひかり号が停車していましたが、こちらはJR西日本所有のB編成でした。

JR東海のC編成との見分け方は、一番簡単なものでは運転台近くにB編成は「JR700」の文字が入っていることで、次に簡単なのは行き先表示機が幕のC編成に対して、B編成はLEDであることです。

ところで気になったのが、向こうのひかり号は新大阪行き、つまりJR東海管内しか走らないにもかかわらず、JR西日本所有のB編成が使用されていたこと。
山陽新幹線直通の岡山行きなら分かりますが、なぜまた東海道新幹線内だけの運用なのでしょうか・・・?
東海道新幹線510A ひかり510号(700系)
米原〜名古屋
近江塩津 名古屋駅までの移動時間は27分で、今回の旅の中でも最も短い乗車時間となります。

とはいっても、新幹線ですから、移動距離としては約80キロ。これは北陸本線で言えば、金沢〜福井間に相当する距離ですが、ここを雷鳥8号は49分かけて走りました。

新幹線の驚異的な速さが分かります。
晴れ 金沢からずっと今ひとつな天気が続いてきましたが、太陽と青空が見えるようになってきました。

結構なまぶしさだったので、車窓好きな私でも、この後ブラインドを少しだけ下げました(笑)
揖斐川 岐阜羽島駅が近づいてくると、列車は揖斐川橋梁を渡ります。

水面に空の青空と白い雲が反射。こういうものを水鏡というのでしょうが、いやはや美しいですね。
列車でさっさと渡ってしまうのはあまりにも惜しいです。
岐阜羽島到着 10時08分、岐阜羽島駅に到着。
普段はのぞみ号で素通りしたばかりなのですが、今回初めて列車に乗って停車しました。

岐阜羽島駅というと、(実際にはそうではないらしいが)政治駅と呼ばれるがために、「ここから人は乗ってくるのか?」などと酷い疑いをかけていましたが、実際には10人ほどの乗客が4号車自由席に乗ってきました。

それに、1日当たりの乗車人員も3224人と、少ないとは言えませんから、疑うほどでもなかったようです。
700系 岐阜羽島駅を発車し、もう間もなく名古屋駅に到着しようというころ、留置線に停車する700系が見えました。

こうして700系の先頭部を横から見てみると、もう今更言うまでも無く随分となだらかな流線型で、いかにも空気抵抗が少なそうという雰囲気ですが、N700系ではこの「なだらかな」700系と比べて更に20%空気抵抗を削減したと言います。

台車カバーや全周幌の採用も空気抵抗削減の要素になってはいるものの、それでもただでさえ十分流線型と言える700系よりも更に空気抵抗を削減できているのは驚きです。
名古屋 10時21分、名古屋駅に到着しました。私はここで下車をします。

三大都市圏のうちの一つということもあり、さすがに名古屋では私以外にも多くの乗客が降り立っていきました。まぁ、そのうちの9割方は名古屋で在来線に乗り換えるか、そのまま移動終了という方でしょうけれども・・・。

さすがにここで500系のぞみ号に乗り換える人は私以外にはいないでしょう(笑)
のぞみ6 東京 さぁ、というわけで、今回の旅の一番の目的である、500系のぞみ号の乗車の時がやってきました。(能登号と雷鳥号は、当初は乗る予定はなかった)

のぞみ6号東京行き。たった1往復しかない500系ののぞみ運用の上り列車です。
博多から来ている列車ですが、博多7時00分発で、東京12時13分到着の所要5時間13分という、という、「500系としては」ずいぶんのんびりとした走りです。

東京〜博多間の最速記録は、より高性能なN700系が走っている今となっても、500系が持っており、その記録は4時間49分。24分も余計にかかってるということになります。同じ500系ののぞみ号だというのに・・・。

もちろん、徳山や福山など、元々のぞみ号は停まらなかったような駅に停めさせられているのも一因ですが、こののぞみ6号のスジが元々は700系のものであり、それを時刻変更することなく500系へと持ちかえたので、300キロ運転をしていないというのも原因と言えそうです。
緑の車 さて、乗車するのは9号車で・・・、そう、グリーン車です!

8両編成に短縮され、こだま号として走る500系V編成でも、6号車は指定席車でグリーン車の座席本体をそのまま流用(枕などの付帯設備は全撤去)しているので、グリーン車の座席に座ることが今後金輪際一切できなくなるというわけではありません。

しかし、枕やフットレストといった設備、おしぼりに「ひととき」や「WEDGE」といった冊子のサービスが受けられるのは、グリーン車として運用されている今だけ。こだま号では受けられません。

それに、500系のぞみ号に乗車するのもこれが最後ですから、「最後ぐらいは・・・」と言い訳して、思い切って贅沢をします!
接近 ひかり510号との乗り換え時間は僅か9分なので、特にベンチに座って待ったりしなくとも、列車はすぐにやってきます。

新幹線に限らず、グリーン車に乗車したことは、回数としてはそれなりにあります。しかし何度乗っても、いざ「これからグリーン車に乗るのか・・・」と思うと、妙な緊張感と興奮に襲われます。

それこそが、まさにグリーン車が放つ存在感と魅力。
ふつくしい〜 さてさて、ついに500系ののぞみ6号が名古屋駅14番線に入線してきました。おっと、同業者の方もいますね(笑)

全長15mにも及ぶ長い鼻先から、円筒形の車体形状、白を一切使用しなかったという塗装・・・、どこをとっても、他の東海道・山陽新幹線とは一味違う雰囲気があります。

やってきたのはW1編成。500系のトップナンバー車です。
圧倒的存在感 東海道・山陽新幹線の伝統とも言える、白+青の塗装を採用せず、独自の塗装を身にまとった500系。

白+青の車両ばかりの中では、随分と目立つこの塗装も、もう山陽区間でしか見られないようになり、再び東海道新幹線では白+青の車両しか見られなくなると思うと、残念ですね・・・。

名古屋〜東京という短い区間ながら、ついに500系への乗車。
この旅のラストランナーでもあります。
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