これから東北新幹線に乗って、八戸へと向かいます。2010年12月の八戸〜新青森間の開通をもって、東北新幹線は、1982年の大宮〜盛岡間の開通から28年の時を経て、晴れて全線開業に至りました。
新幹線乗り換え改札口では、なぜか自動改札機は稼働しておらず(電源は入っていた)、駅員が「切符を通さずそのままお通りください」と繰り返し案内していました。新幹線乗り換え改札口のレーン数は少なく、ちょうどUターンラッシュが始まりかけていたころで駅の利用者の数も多かったですから、在来線から新幹線への乗り換え客で混雑するのを避けるためにそうしたのかもしれませんね。
で、私もそのまま歩いて自動改札機を通過。自動改札機がそこにあるのに華麗にスルーするという、人生史上初めての体験でした。
私が乗車するのは東京行きのはやて30号です[①]。先ほど乗車したスーパー白鳥号と号数が一致していますが、臨時列車のはやて/白鳥73・74号を除いては、接続するはやて号と(スーパー)白鳥号の号数が一致するようになっています。両者が結び付き、接続をとっていることがよく分かります。
はやて30号はE5系による運転です[②]。2011年3月のE5系運転開始当初は、E5系は1日3往復のはやぶさ号でしか使われていませんでした。その後、はやて号ややまびこ号での運転も始まりましたが、その数は少なく、例えばJTB時刻表では、E5系で運転される列車は「E5系はやぶさ型車両で運転」という注記がつけられています。
しかし、今ではE5系で運転されるはやて号ややまびこ号の数も増え、なすの号も、一部はE5系で運転されるようになっています。そして2013年3月のダイヤ改正時には、E5系は23編成が揃えられ、新青森発着のはやて号は全てE5系で運転されるようになります。また、東京駅を発着する東北新幹線の列車167本中、70本がE5系での運転になります。
将来的には、E5系は合計で59編成が導入され、つばさ号・こまち号以外の列車は全てE5系で運転されるようになります。今はまだ、時刻表で「はやぶさ型車両」として特記されるなど、特別な車両として扱われているようですが、やがてはそんなに少ないというわけでも、特別というわけでもない、東北新幹線でよく見られる、”普通の”車両になります。
さて、はやて30号は14:28になっても発車しようとしません。何でも、奥羽本線の特急つがる号が遅れているため、それからの乗り換え客を待っての発車になるとか。何時のどの列車が最初に遅れたのか分かりませんが、奥羽本線にしても津軽線にしても、やはり単線だと、ある1本の列車の遅れが、次々とあらゆる列車に波及してしまいやすい傾向にあります。そしてついにはその遅れが新幹線にまで及んできました。
こうしてはやて30号の新青森の発車が遅れると、今度は盛岡で併結するこまち30号がはやて30号を待つようになるわけで、そうしたらこまち号も遅れます。後続列車や対向列車、そして新幹線へと、遅延の連鎖が続きます。もっとも、私は特に1分2分を急いではいないので、「あ、それならもう少しホーム上にいられるな」と、この遅れも前向きに捉えておきました。
結局、列車は8分遅れて新青森を発車しました[③]。はやて号は基本的に全車指定席ですが、盛岡〜新青森間では、「座席の保証はしないが、空いている席になら自由に座って良い」という新幹線特定特急券(指定席特急券の値段-510円)が発売されます。八戸までは28分しかかからないので、わざわざ指定席をとることもないと、その特定特急券を使いましたが、新青森発車時点ではだいぶ空いていて、あっさりと空席に座れました。
列車は七戸十和田に停車し、そして下車駅の八戸に6分ほど遅れて到着しました[⑤]。どこまでがはやて30号に乗る人で、どこまでが見送りの人か分かりませんが、乗車口には写真のように多くの人が並んでいました。このはやて30号は、新青森発車時点では結構空いていて、七戸十和田でもあまり乗ってきませんでしたが、八戸、盛岡、仙台などの駅で乗客を増やし、そして最終的には満席になったのでしょうかね。
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