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 2番線に、6両編成の485系3000番代が、「回送」の表示をして停車していました[①]。妙なことです。時刻は13:30というころでしたが、そんな時間に蟹田に停車する白鳥号はありません。団体列車だとしたら回送の表示はおかしいですし、回送の表示をしているというのに、中には乗客がいます。そして何より、蟹田駅の2番線というのは、通常、蟹田始発の青森方面行きの普通列車が使うホームです。

 結局当日はこの485系の正体を掴むことができませんでしたが、後日帰宅してから調べたところ、この485系は、本来ならば蟹田を12:52に発車する、臨時の特急白鳥73号だったようです。1月3日の白鳥73号は、走行中に故障が発生した(モーターに不具合?)とかいうことで、蟹田で打ち切りとなってしまったそうです。それこそが、このありえない時刻に、ありえない場所に停車する485系3000番代の正体だったようです。

 蟹田を13:40に発車するスーパー白鳥30号のグリーン車に乗車しますが、さてグリーン車の乗車位置はどこなのやら。まず今日は通常の6両編成で運転されているのか、それとも増結をして8両編成で運転されているのか。それすらも分かっていませんが、年末年始の繁忙期だから、たぶん8両編成だろうと勝手に踏みます。

 そして乗車位置案内を”探します”。というのも、ホーム上は除雪がされていると言えども、それはあくまでもホーム上の歩行に支障が出ない程度にされているというだけ。ホームの表面に貼り付けられている乗車位置案内のステッカーは、雪の下に隠れてしまっています。ステッカーを見つけるたびに雪をどかす・・・、という行為を繰り返して、ようやく「スーパー白鳥8両編成 1号車 グリーン・指定席」のものを発見しました[②]

 そして8両編成でやってくるスーパー白鳥30号[③]。ちょうど2番線に、白鳥号で使われる485系が停車していましたが、やはり支払う料金が同じなら、新しくてきれいな789系のスーパー白鳥号に乗りたいものだと思ってしまいますね。踊り子号とスーパービュー踊り子号のように、料金に違いがつけられているなら、話は別ですが。

 なお、この日はなぜか(理由は案内されず)、蟹田を14:01に発車する、蟹田始発青森行きの普通列車が運休となり、それに乗る予定だった人は、乗車券だけでスーパー白鳥30号の自由席車両に乗ってくれということになっていました。運休理由は明かされませんでしたが、まさかその理由が、蟹田始発の青森方面行き列車が使用する2番線に485系が居座っていて、列車が入線できないからなんてことはなかったでしょうね・・・?

















 1号車はグリーン車・普通車の合造車両。普通車の客室を通り抜けて、グリーン車の客室へと足を踏み入れます。座席は5列分、合計15席しかないという小さな空間ですが、高級感のある革張りの大きな座席[②]、絨毯の敷かれた通路、暖かみのある電球色の照明など、普通車との間には、確実な違いがあります。足置き[③]の片面は、座席と同じ革張りになっています。

 函館行きの対向の特急列車が遅れているということで、発車時刻である13:40を過ぎても、スーパー白鳥30号は蟹田を発車しませんでした。津軽線も単線ゆえ、ある列車の遅れが、反対方向の列車をはじめとする、あらゆる列車へと波及していってしまいます。ま、やや不謹慎な話ですが、定刻で運転されていれば、このグリーン車にもたった35分しか乗れていないわけでして、遅れてくれればより長く乗っていられるなんていう・・・。

 ここで昼食です。三厩へ向かう前、朝、新青森駅の売店で購入した「前沢牛焼き牛めし」[④]。食べるタイミングについては、最初からもうスーパー白鳥30号の車内というように予め決めていました。

 さて、列車は蟹田を出て津軽線を上っていきますが、まもなく青森に到着するという頃に、青森車両センターの横を通ります。そこでは、余剰となった常磐線の651系[⑤]や、東海道本線の211系[⑥]など、青森では見ることのできない、疎開回送された関東地区の車両の姿もありました。動くことがないからでしょうが、どちらも屋根上の雪が凄いですね・・・。

 そのほか、急行はまなす号の14系[⑦]や、日本海のテールマークを表示した24系[⑧]なども見られました。なお、これはあまり知られていないことかもしれませんが、2012年3月のダイヤ改正で臨時列車に格下げされ、以降、多客期に臨時運転されていた寝台特急日本海号ですが、2012年度冬の運転をもって、臨時列車としても廃止されました。能登号の先例もあったことですし、そうなるだろうとは思っていましたが・・・。

 青森で新幹線への乗り継ぎ客の受け入れと進行方向の転換をして、列車は終点の新青森に到着しました[⑨]。列車が遅れたため、結局スーパー白鳥30号には40分ほど乗車していましたが、やっぱりグリーン車を40分程度しか味わえなかったというのはちょっと残念ですね。













 これから東北新幹線に乗って、八戸へと向かいます。2010年12月の八戸〜新青森間の開通をもって、東北新幹線は、1982年の大宮〜盛岡間の開通から28年の時を経て、晴れて全線開業に至りました。

 新幹線乗り換え改札口では、なぜか自動改札機は稼働しておらず(電源は入っていた)、駅員が「切符を通さずそのままお通りください」と繰り返し案内していました。新幹線乗り換え改札口のレーン数は少なく、ちょうどUターンラッシュが始まりかけていたころで駅の利用者の数も多かったですから、在来線から新幹線への乗り換え客で混雑するのを避けるためにそうしたのかもしれませんね。

 で、私もそのまま歩いて自動改札機を通過。自動改札機がそこにあるのに華麗にスルーするという、人生史上初めての体験でした。

 私が乗車するのは東京行きのはやて30号です[①]。先ほど乗車したスーパー白鳥号と号数が一致していますが、臨時列車のはやて/白鳥73・74号を除いては、接続するはやて号と(スーパー)白鳥号の号数が一致するようになっています。両者が結び付き、接続をとっていることがよく分かります。

 はやて30号はE5系による運転です[②]。2011年3月のE5系運転開始当初は、E5系は1日3往復のはやぶさ号でしか使われていませんでした。その後、はやて号ややまびこ号での運転も始まりましたが、その数は少なく、例えばJTB時刻表では、E5系で運転される列車は「E5系はやぶさ型車両で運転」という注記がつけられています。

 しかし、今ではE5系で運転されるはやて号ややまびこ号の数も増え、なすの号も、一部はE5系で運転されるようになっています。そして2013年3月のダイヤ改正時には、E5系は23編成が揃えられ、新青森発着のはやて号は全てE5系で運転されるようになります。また、東京駅を発着する東北新幹線の列車167本中、70本がE5系での運転になります。

 将来的には、E5系は合計で59編成が導入され、つばさ号・こまち号以外の列車は全てE5系で運転されるようになります。今はまだ、時刻表で「はやぶさ型車両」として特記されるなど、特別な車両として扱われているようですが、やがてはそんなに少ないというわけでも、特別というわけでもない、東北新幹線でよく見られる、”普通の”車両になります。

 さて、はやて30号は14:28になっても発車しようとしません。何でも、奥羽本線の特急つがる号が遅れているため、それからの乗り換え客を待っての発車になるとか。何時のどの列車が最初に遅れたのか分かりませんが、奥羽本線にしても津軽線にしても、やはり単線だと、ある1本の列車の遅れが、次々とあらゆる列車に波及してしまいやすい傾向にあります。そしてついにはその遅れが新幹線にまで及んできました。

 こうしてはやて30号の新青森の発車が遅れると、今度は盛岡で併結するこまち30号がはやて30号を待つようになるわけで、そうしたらこまち号も遅れます。後続列車や対向列車、そして新幹線へと、遅延の連鎖が続きます。もっとも、私は特に1分2分を急いではいないので、「あ、それならもう少しホーム上にいられるな」と、この遅れも前向きに捉えておきました。

 結局、列車は8分遅れて新青森を発車しました[③]。はやて号は基本的に全車指定席ですが、盛岡〜新青森間では、「座席の保証はしないが、空いている席になら自由に座って良い」という新幹線特定特急券(指定席特急券の値段-510円)が発売されます。八戸までは28分しかかからないので、わざわざ指定席をとることもないと、その特定特急券を使いましたが、新青森発車時点ではだいぶ空いていて、あっさりと空席に座れました。

 列車は七戸十和田に停車し、そして下車駅の八戸に6分ほど遅れて到着しました[⑤]。どこまでがはやて30号に乗る人で、どこまでが見送りの人か分かりませんが、乗車口には写真のように多くの人が並んでいました。このはやて30号は、新青森発車時点では結構空いていて、七戸十和田でもあまり乗ってきませんでしたが、八戸、盛岡、仙台などの駅で乗客を増やし、そして最終的には満席になったのでしょうかね。



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