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 改札口を出ると、五能線の運行情報の案内を発見しました[①]。この後は、宿泊地である五所川原(五能線の駅です)へ向かいますので、五能線の運行情報は他人ごとではありません。

 案内を見てみると、五能線の能代〜五所川原が強風のために運休しているということでした。私は新青森〜川部〜五所川原と行くので、その経路で行くことには支障なさそうですね。五能線も大湊線と同様、海沿いを走る路線で、冬季はこのように強風で乱れることが多々あります。全線運休とならなかったことは救いです。

 この後は、新青森を18:41に出る、深浦行きの快速深浦号に乗車し、五所川原へと向かいます。能代〜五所川原間が運休しているとのことなので、この深浦号も五所川原止まりとなって運転されるのだろう・・・、と思いながらふと発車標を見てみると、深浦号の行き先には、なぜか「川部」が表示されていました[②]。川部と言えば、奥羽本線と五能線の分岐駅。これでは五能線に入ることすらしないということになります。

 駅員にあれこれと尋ねてみると、五所川原まで五能線が運転していることは間違いないとのこと。だが、快速深浦号は五能線には入らず川部止まりになってしまう、とのこと。発車標は間違っていないというわけです。五所川原までは五能線は動いているというのに、なぜ深浦号で五所川原へと辿り着けないというのか・・・。これは困りますね。

 ただ、川部から五能線へ直通する列車は、この深浦号ただ1本を除いては、全て弘前始発。深浦号は川部止まりでも、五能線自体は五所川原まで運転しているということは、弘前発の五能線直通列車は五所川原まで行っているということになります(でなければ、五所川原まで運転しているという話がまるっきり嘘になる)。弘前かあるいは川部まで行けば、弘前発の五能線直通列車に乗って、五所川原へと行くことができるのでしょう。

 しかし、本当に弘前発の五能線直通列車は五所川原まで行っているのかよという疑問が湧いてくる上に、行っているとしても間引き運転している可能性も否定できず、可能性という話では、強風が悪化して全線か、あるいは東能代〜能代を除いて運休となることも考えられなくはありません。そうしたら五所川原へと辿り着けません。

 自分でも何が起こっているのか、何を考えているのかよく分からなくなってきたので、とりあえず駅の外に出ることにしました。駅の外に出てみると、凍えるような冷たい風と、それに乗って舞う雪。なかなかの吹雪になっていました。

 降りしきる雪[④]。雪国の鉄道は、基本的にはちょっとやそっとの雪で運休することはありません。冬は雪と付き合わなければならないことは、もう宿命ですから、車両も設備も、雪には強いです。よほどの大雪が降らない限りはきちんと走ってくれます。そういうことでは、雪以上にはるかに厄介なものと言えるのが、風です。雪国の鉄道も、雪には強くとも、風にはそんなに強くありません。規制値はそれこそ首都圏の鉄道と変わりません。

 今朝まで乗っていたあけぼの号が強風のために遅れたように、冬の北日本では、風こそが真の厄介者なのではないかと私は思っています。

 1986年の開業当初、1面1線という小さな在来線の駅だった新青森駅は、約25年のときを経て、新幹線の終着駅という立派な駅になりました。そして、駅舎もこれほどの立派なものになりました[⑤]。北海道新幹線が開通すれば、途中駅に位置付けは下がりますが、それでもこの立派な構えの駅舎と、東北新幹線の実質的な「青森駅」としての重責は変わりません。

 もっとも、駅舎こそ立派ではありますが、あくまでもここは青森市の中心駅である青森駅ではなく、そこから線路の距離で3.9q離れたところにある、新青森駅。駅周辺の発展状況はちょっといまいちのようです[⑥](新八代も同じような感じになっていますね)。

 ・・・で、結局五所川原へ行くためにどうしようかということですが、私はバスを利用することにしました[⑧]。実は、五能線は強風で運休しやすいということは知っていたので、万一五能線で五所川原へ行けなくなった場合に備えて、新青森駅から五所川原駅へ行くバスの時刻を予め調べておき、プリントアウトしていました。

 バスは当然ふるさと行きの乗車券に含まれませんが、間違いなく確実に五所川原駅へ運んでくれますし、それに、実は今から鉄道で五所川原駅へ向かうよりも、1時間ほど早く同駅に到着するのです。寒くて天気も悪いし、こちらとしてはもうさっさとホテルへ入りたいというのが本心なので、より早く着けるという点は、私にバスの利用をさせることの後押しをしました。










 バスに乗ること約1時間で、五所川原駅に着きました。バスから降り立つと、そこは新青森駅以上にひどい吹雪でした[①]。「これはひょっとして川部〜五所川原までもが運休対象区間になってしまったのでは?」と疑問に思い、五所川原駅の中へと入って五能線の状況を確認してみましたが、一応川部〜五所川原間でも運転はされていたようです。遅れは出ていたかもしれませんが。

 強風の中を進んでいき、ホテルへ。よもや五能線ではなくバスで五所川原へやってくるとは思ってもいませんでしたが、こうして何とか無事にホテルまでやってくることができました[②]。今晩の宿はホテルサンルート五所川原。部屋の暖かさだけでも、今日1日の疲れが癒えます。

 ちなみに、ホテルでなんとなくJR東日本の列車運行情報を見ていたところ、なんと大湊線は強風のために17時から終日運休となっているとのことでした。私が乗ったリゾートあすなろ下北4号は大湊15:50発でしたが、その1つ後の列車として、16:59発の野辺地行きの普通列車があります。17時から終日運休ということを考えると、恐らくそれは運転されなかったことでしょう。

 今日、大湊駅を出発した最後の列車は、あのリゾートあすなろ下北4号ということ。もし、大湊から青森方面へ戻る列車を、16:59発の普通列車か、あるいはそれ以降の列車にしていたら、私は大湊駅で身動きが取れなくなっていました。そうなっていれば、五所川原に来ることもできませんでした。

 今回は紙一重で何とか大湊に閉じ込めという事態を回避することができましたが、天気というものは実に気まぐれ。この旅も、この後、どこで突発的な天候の変化などによって、思わぬ予定変更を強いられるか分かったものではありません。運休や遅延の発生率の高さはこちらも重々承知しているわけではありますが、やはりこのあたりが、冬の北日本を旅することの難しさの1つではあるでしょう。



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