言い忘れていましたが、天井灯と壁灯(電球切れでしたが)はオン・オフの2段階だけではなく、つまみを回して、無段階に明るさを調節することができます。違いが分かりにくいかもしれませんが、参考までに、天井灯の明るさ最大のものとちょっと落としたものの2つの写真を掲載します[①] [②]。
夜行列車とは、眠っている間に移動をするために使うものですが、私は「夜の景色を眺める」と称して、気が済むまで起き続けて、夜行列車の中ではろくに眠りません。起きている間、いつ小腹が減るか分からないので、上野駅であらかじめ、夜食用に万世のカツサンドを購入しておきました[③]。旅行の相棒・缶コーヒーも忘れずにね。時刻は23:00ごろ。ちょっと小腹が減ってきたので、ここいらでカツサンドを・・・。
23:40過ぎ、列車は水上駅に運転停車をします[④]。ここで機関士の交代を行います。あけぼの号は上野〜青森の間で、水上、新津、秋田の3駅で機関士の交代を行い、計4人の機関士(高崎・長岡・酒田・秋田の各運輸区所属)によって青森へと導かれます。客車列車の運転というのは、電車などよりも、運転士の技量で乗り心地に差が出やすく、青森まで乗れば、4種類の「乗り心地」を味わうことになります。
水上を出ると、一気に雪深くなります[⑤]。まるで白い絨毯がレールの下に敷かれたかのようです。雪が線路の下にはっきりと積もるくらいになると、これまでの雪のないところよりも、走行音が軽くなって、小さくなります。
全長13q以上にも及ぶ、長い長い新清水トンネルを抜けると、同じたくさん雪が積もっている景色でも、なんだかより「雪国」へ来たんだな、という感じがします。湯沢町には、リゾートホテル・マンションが結構あるようで、建物の灯りが増えます。そして越後湯沢駅を通過[⑥]。
「新清水トンネルを抜けたら大雪になっていたりしないだろうか」と思っていましたが、実際にはトンネルに入る前と変わらず、見事な星空でした。しかし、六日町を通過すると、辺りが一気に濃霧に包まれました[⑦]。写真ではちょっと分かりにくいですが、実際には「よく運転見合わせにならないな」と思うような、僅か2、30m先さえも見えないような、極めて濃い霧でした。
そうは言いつつも、運転には影響のない程度だったのか、徐行や停止もなく、あけぼの号は上越線を快調に走行。上越線の終点・宮内駅を通過し、新幹線の高架橋が見えるようになると、列車は長岡に到着します。
列車は1:06に長岡に到着[⑨]。機関車交換のための運転停車です。以前は、全区間EF81形が通していましたが、2009年3月のダイヤ改正からは、上野〜長岡間はEF64形の牽引に変更。よって、ここ長岡で機関車交換が行われることになりました。部屋からは、長岡から先を、終点青森まで客車を牽引する、EF81形の136号機の姿も見えました。
機関車交換のための運転停車なのですが、1:06到着で発車は1:44、停車時間は38分と、かなり長いです。機関車を交換するのにそんなに時間が必要なのかとも思いますが、何かしらの理由はあるのでしょう。車窓を眺めることが好きな私としては、38分も窓越しに見える景色が変わらないというのは、結構苦痛です。いや、本当に。退屈で仕方がないし。
動かぬ車窓を見ていても何にもならないので、そろそろ「夜行列車に乗っている人らしいことをしよう(要は眠ると)」と思い、ここでソファーをベッドへと転換しました[⑩]。シーツは上野の乗車の時点でマジックテープで表面に貼り付けられていて、これはソファーの状態でも保持されるので、シーツを敷く必要はありません。どかしておいた掛け布団と枕を置き、窓のカーテンを閉めれば作業は終了。
では、とりあえずここいらで就寝することとしましょう。
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