先の震災で大きな被害を受けた北リアス線ですが、徐々に運転区間が増えていき、現在でも不通なのは、田野畑〜小本間のみです。現在でもなお列車が走っていない区間があるというわけですが、田野畑駅にあった運賃表は、不通区間も含めて、全区間分が掲載されていました。島越駅は北リアス線で唯一、全く営業・機能していない駅ですが、テープなどで隠されることもなく、しっかりと運賃表にその名を示していました[①]。
田野畑駅周辺も、津波が到達した場所の1つです。駅の施設は大きな被害を免れましたが、駅周辺は壊滅し、津波は駅舎の手前までやってきました。駅前には、「津波到達地」の文字が刻まれた記念碑が建てられています[②]。
駅舎は売店・食堂などを擁していて、そのためか、なかなか立派なものです[③]。「カンパネルラ田野畑」という文字が見えますが、カンパネルラとは、童話・銀河鉄道の夜に登場する人物の名前。田野畑駅はニックネームとして、それを由来とした、「カンパネルラ田野畑」という名前を持っています。
今日も何度かひどい天気に見舞われましたが、田野畑駅のある岩手県田野畑村は岩手県沿岸部にあり、降雪は少なく、冬でも晴れる日が多いというところです。気温こそかなり低く、なかなか寒いなと思わせるほどのものでしたが、地面の雪は少なく、そして空を見上げてみると、そこには雲1つない快晴がくれた、満天の星空が広がっていました[④]。
周りに大きな光がなく、冬場で空気が澄んでいたということもあってでしょうが、星空はかなり鮮やかに、綺麗に見えました。田野畑駅というのは、正直なところ、特にこれというものがない駅ではありましたが、この綺麗な星空を眺められただけでも、今日、三陸鉄道の列車に乗って、田野畑までやってきて良かったな、と思います。
明日はまた、青森県へと戻ります。雪にまみれたり、大雪に遭遇することもありましょう。この満天の星空さえ眺められる快晴は、今回の旅の中でも数少ない、一時的な晴れや偶然の晴れではない本当の晴れ・・・、”良い天気”です。
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