もう1つ特記しておくべきことがありました。実際に5:14発の八戸行きとして走る、2番線の前寄りに停車していた車両は3両編成でしたが、1番前側の車両は一部がホームからはみ出していて、ドアカットが行われていました[①]。3両編成なのに、写真に写っているように、側灯が2個しか点いていません。2つの編成の位置をもう少しうまく調節すれば、ドアカットしないで済むようにも見えましたがね。
予想はしていましたが・・・、この424Dには、私以外の乗客は誰1人としていませんでした[②]。前から後ろまで、3両全車を確認してみましたが、乗っていたのは私1人だけ。まあ、まだ冬休みの1月4日に、こんな早朝の列車に乗る人はそう居やしないだろうとは思っていましたが・・・。以前、1両編成の列車で貸切状態ということはありましたが、3両に及ぶ編成の列車で貸切状態というのは初めてです。
で、結局本当に乗客が私1人という状態で、列車は久慈を発車しました。白色蛍光灯が煌々と光る車内、しかし外は真っ暗。車窓もろくに見られませんし、八戸線は昨日既に全線乗車しています。ということで、持参してきた本を読むことにしました[③]。あまり厚みがない本で、内容も分かりやすい平易なものだったので、意外とのめり込んで、どんどん読み進めていってしまいました。
6:14に到着するのは階上[④]。久慈から1時間の所要時間で到着です。さすがに、ここに至るまでの途中の駅で、少しは人が乗ってきました。ここでは、下り列車との列車交換のために10分ほど停車します。そこで列車の外に出てみましたが、少し雪が降っていました[⑤]。
「10分も停車時間があれば駅舎の撮影までもできるだろう」ということで、駅の外に出て、駅舎の撮影もしておきました[⑥]。列車から出てホームに出ただけならまだしも、駅の外にまで出てきては、もう完全に”下車”です。この階上駅に停車している間に、空が明るみ始めました。
さて。今日はまず五能線の全線乗車を果たしますが、五能線は強風などによる運休が多発しやすい路線。冬季はその頻度が格段に上がります。万一、五能線が運休になったり、あるいは後で私が乗車するリゾートしらかみ2号が運休したりするとなると、あけぼの号が遅れてその後の予定を構成し直さなければならなくなったように、また時刻表とにらめっこが始まります。
そのため、八戸へ向かうまでの間、十数分おきにJR東日本の列車運行情報のページにアクセスして、五能線の運休などが発生していないかどうか、確認し続けました[⑦]。羽越本線は今日もまた強風によって列車の運行に影響が出ていたので、「五能線が列車運行情報のページに出てくるのも時間の問題か」などと思っていましたが、結論から言うと、五能線の遅延・運休の情報が出てくることはありませんでした。良かった。
八戸市は港町でもあり、工業都市でもあります。八戸線の列車の車内からでも、八戸市内に入ると、それらしい車窓が見られるようになります。手前には係留してある漁船があり、一方向こうの方では、工場からの煙が上っています[⑧]。11ページ目でも書いたように、八戸市は降雪が少ない街ですが、それでもさすがに青森県、岩手県久慈市と比べると、やはり雪は多いようです。
最後の途中停車駅、長苗代を出ると次は終点の八戸ですが、その途中で列車が停車してしまいました。停車したのは八戸”貨物”駅でした。八戸線の列車は、列車交換を行うために、旅客駅ではない八戸貨物駅に運転停車して、列車交換を行うことがあります。この停車も、そのためでした。
下り列車が来るまでしばしの待ちぼうけ。その最中に、姿を現し始めた朝陽が、車内に差し込んできました[⑨]。昇りかかりの太陽らしい、まだ橙色がよく付いた弱い光。今日は早朝5時台から移動を始めていますが、久慈駅を出たときは、まだ真っ暗で夜中と言っても差し支えない状況でした。今ここでようやく太陽が出てきて、私もようやく「新しい1日の始まり」を実感しました。
そして列車は終点の八戸に到着しました[⑩]。久慈から2時間5分の所要時間での到着で、「結構長い間乗ったな」という感もするのですが、何せ、久慈の発車は5:14です。時刻はまだ7:20になったばかり。まだ布団やベッドの中、という人もたくさんいるはずです。多くの人がまだ夢を見る中、重いリュックを背中に背負い、左肩にもう1つバッグをかけたオールバックの男が、まばゆい朝陽を受けながら旅路を行く・・・。
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