
北陸本線・信越本線・羽越本線・奥羽本線4001レ 寝台特急日本海号 (EF81形+24系)

富山(22:20)〜青森(8:45)
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まだ仁賀保① |

夜中の間に何があったのか② |

喫煙室の座席③ |

空が明るみ始める④ |

もう予定通りにはいかない⑤ |

道川を通過⑥ |

荒天に⑦ |

約2時間遅れで秋田に到着⑧ |

お茶を買う⑨ |

吹雪の中を青森へ⑩ |
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カタン、コトン、カタン、コトン・・・。一定の周期で奏でられる走行音。外はまだ真っ暗で、しかし車窓に展開する雪は、その白さをもってはっきりと認識できます。4001レ・寝台特急日本海号は、闇の中を青森へ向けてひた走っています。12月25日、5:40。「東北応援パスで冬の雪国へ」の2日目です。
「秋田到着(5:32)前には起きておきたい」と思っていたので、目覚ましなどを5:10ごろに鳴るように仕掛けておいたんですが、結局起きることができず、起床したのは5:40ごろでした。秋田は、5:32到着の5:36発車。「やってしまったか」とため息。
そうしていると、列車は駅に到着しました。どこだ、と思いながら窓越しに見える駅名標を見てみると、「仁賀保」の3文字が[①]。おや。仁賀保ということは、羽越本線内ということですから、まだ秋田には達していないということになりますね・・・。どうやら、遅延が発生しているようですね。
それにしても・・・、窓が大変なことになってしまっています。就寝前、直江津を発車した時点では、窓には水滴がついている程度だったんですが、今は全体的に雪がこびりつき、大きな氷柱まで貼り付いています[②]。いったい、夜中の間に何があったのかと言いたくなります。私が眠っている間に行われていた、真夜中の大雪と強風との苦闘がしのばれますね。どうりで列車も遅れるはずです。
ちょっと携帯電話で電話をする必要があったので、ベッドから出て、客室から退出しますが、オロネ24では、デッキと客室内の間に喫煙室があり、ここで電話ができます。寒いデッキへ行く必要はありません。また、喫煙室といっても、それこそ”狭くて、人を隔離するような場所”という感じではなく、ある程度の広さはあり、(まぁ、デッキと客室との間にクッション的に存在しているものですしね)、また窓と座席もあります[③]。
この座席は、オロネ24の下段寝台を座席状態にしたもの(あるいは583系の座席状態と言っても良いかもしれない)とほぼ同等品で、座ってみると、結構快適でした。この座席に座りながら、しばし通話。
6:00前、静粛な客室内にハイケンスのセレナーデのチャイムが流れ、おはよう放送が流されました。その放送によれば、日本海号は強風の影響により、1時間5分遅れで運転しているとのこと。だいぶ遅れていますね。
また、同じころから空が徐々に徐々に明るみ始めました。6:50前には、もうこれくらいの明るさ[④]にはなりました。④番の写真を見ていただくとお分かりいただけるかと思いますが、青空も見えています。列車はたしかに大幅に遅れていますが、今現在の天気はそんなに悪くないようです。
10分や15分の遅れならともかくとして、1時間5分も遅れているとなると、もう青森定着はありえないことで、今後の旅程に狂いが発生する可能性は否定できません。また、これから先は線形も良くない、単線のところをずっと走っていきます。それに、昔とは違い、今は寝台”特急”だからといって、普通列車を差し置いて先に行かせてくれるような、運行上の優先権があるわけでもないでしょう。
そこで、遅延の拡大(少なくとも回復ができるとは全く思わなかった)を見越して、この時点で今後の旅程の変更を決定。持参してきた時刻表を取り出し、日本海号の車内で、これからの新しい旅程を練ることにしました[⑤]。
普段、私は旅行には時刻表は持ってこない(日本の鉄道の定時性を信頼しているし、また旅程通りいかないときは、その先は放棄して、携帯電話で乗換案内を見て、さっさと東京や上野に帰ることにしているから)んですが、今回は、旅行前からクリスマス寒波!大雪!荒れた天気!などといった言葉を天気予報やニュースで聞かされていたので、日本海号についても、最初から「定刻で走ることはまずない」と考えていました。
そのため、今回の旅行では、旅行中の旅程変更は避けられないだろうと旅に出る間から見越していたので、例外的に時刻表を持ってきました。
「青空も見えている」なんて思っていたら、いつの間にか、列車は吹雪の中を走っていました[⑦]。まさに荒天です。そんな状況下でも、列車はゆっくりとではありますが、着実に青森へ向けて北上し、7:30ごろに、秋田に約2時間遅れで到着しました[⑧]。おはよう放送が流れたときは1時間5分遅れでしたが、55分も遅れは広がっていたんですね・・・。
「日本海号は定刻で走ることはまずない」と事前に考えていながら、私は痛恨の過ちを犯していました。自動販売機や車内販売がない日本海号に乗り、遅れが予想されるというのに、富山でろくに飲み物や食べ物を買っていなかったんです。買ったものは缶コーヒー1本、お菓子1つ、おにぎり1つ。いずれも就寝前に食べつくしました。
この後停車する大館駅で、朝食として、例の鶏めし弁当とお茶を受け取る(事前に予約した)んですが、定刻なら大館には7:17に着くといっても、この遅れ方では、大館到着も2時間くらいは遅れてしまいそうです。私は今回、日本海号は間違いなく遅れると思っていながら、「7:17着の大館で弁当とお茶が手に入るから、そんなに食べ物を買うことはない」と考えていて、結果として、富山でろくな食料を買わないまま乗り込んでしまいました。
リュックにあるお茶も残りわずか。そんなわけで、これはいかんと思ったので、とりあえず、秋田に停車している間に、ホーム上の自動販売機でお茶を買いました[⑨]。弁当やおにぎりを買えるだけの停車時間はなさそうと見たので、買ったものはこれだけ。これで大館まで耐え忍びましょう。
秋田駅の天気はまあまあでしたが、秋田を出てから数分で、こんな具合の天候に[⑩]。嗚呼、しばれる雪国よ。
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