まだ見ぬ九州の鉄道を求めて・・・
九州初上陸!夏の南国の地を駆け巡る旅


本州、北海道、四国の鉄道はそれぞれ乗ったことがあり、本州もJR東日本・JR東海・JR西日本の三社全ての路線で乗車したことがあります。

しかし、九州の鉄道に関しては、乗ることはおろか九州に行ったこと自体も一度もありませんでした。
富士号、はやぶさ号の廃止や九州新幹線の全通を近いうちに控えていることもあり、今、何かと話題になることが多い九州(の鉄道)。

廃止されるという噂が立ちながらも、今も走り続ける、九州を走る唯一の夜行列車「ドリームにちりん」号。
九州新幹線全通時に全廃が予想される九州の485系。
一般にあるグリーン車の更に上を行く、豪華を極める「DXグリーン」。
革張りの座席をなんと普通車にまで採用する、異色の特急形車両885系。
車両基地への回送線を旅客営業し、車両は新幹線でも扱いは在来線と言う面白路線、博多南線。

など、九州には今のうちに記録・乗車しておきたいものや、是非一度見てみたい、乗ってみたいと思わせるようなものが多くあります。
まだ見ぬ九州の鉄道の魅力に惹かれ、九州へ初上陸するとともに、九州内を鉄道で駆け巡る旅を行いました。
岡山駅 今回の旅の始まりは岡山駅。
ここが最寄り駅であるはずがないんですが、まあ、ちょっと事情がありまして。

改修工事が進行し、東西を結ぶ立派な橋上駅舎が出来上がった岡山駅。
四国や山陰への玄関口としての風格がより一層大きくなりました。
岡山駅構内 時刻は既に21時を回っており、人通りも昼間よりまばらな駅構内。天井が高く、開放感があるため、一段と人通りは少なく見えます。

21時を回った時間帯は、東京や大阪ならまだまだ帰宅ラッシュの真っ只中というところでしょうけれども、岡山はもう帰宅ラッシュも終了したようで、人と人の話し声が聞こえそうなほど。

通路には人々が歩く足音がこだまします。
発車標 今回の旅のトップバッターは山陽新幹線・21時31分発の、のぞみ53号博多行き。
実はこのような夜に新幹線に乗車するというのは私自身初めてで、どこか心の中で子供のように「わくわく」してしまいます。

夜の新幹線だからといって、何か特別なことがあるわけではありませんけれども。
新幹線ホーム 岡山駅の新幹線ホーム。

以前は安全柵が設置されておらず、ホームでも列車の撮影ができたのですが、現在は安全柵が設置されてしまい、撮影はかなり難しくなってしまいました。

撮影するのには不都合ですが、安全面を考えれば致し方ないのかなぁ、と・・・。

駅構内がそうであったように、こちらも人の数は多くはありません。
8月13日というとお盆で、この時期は岡山駅に限らず新幹線では自由席の乗車口に長蛇の列ができますが、こう夜遅くにもなると、その数も数えられる程度。
HIKARI RailStar のぞみ53号の到着までには少し時間があり、のぞみ53号がホームに入る前に上りホームに700系E編成(ひかりレールスター)がやってきたので、流し撮り。(したつもり)

ううん、下手だなぁ・・・。
山陽新幹線53A のぞみ53号(N700系)
岡山〜小倉
のぞみ53号 そして、のぞみ53号博多行きがやってきました。使用車両は最新型のN700系。

以前は、N700系に乗車しようと思えば、時刻表で「N700系で運転」などと書かれた列車をわざわざ狙う必要がありましたが、増備が進んだ今では、適当に選んだ列車がN700系だった、ということも少なくありません。
夜景 岡山駅を発車したのぞみ53号は、福山駅には停車せず、広島駅までノンストップ。

通勤型並みの起動加速度2.6km/h/sはやはり新幹線車両としては並はずれた数値で、加速時にも少し抑えつけられるような感覚があります。
三原駅通過 三原駅を通過。ホーム上には2、3人ほどしか人がおらず、閑散としていました。

各駅停車であるこだま号しか基本的には停車しない三原駅は、元々新幹線利用者は他の大規模な駅に比べると少ないようですが、夜22時前ともなると、更に利用客は減るようです。
広島駅が近づく ビルなどから漏れ出る眩い光の数が増えてきて、更に列車が減速すると、次の停車駅の広島駅が近づいてきていることを知らせます。
広島駅停車 22時05分、定時に広島駅に到着。

先ほどの三原駅は人の数がほとんどありませんでしたが、広島駅は近くにあるマツダZoomZoomスタジアムで行われたプロ野球の試合が終了してからすぐということもあってか、その帰りのお客も結構いたようで、それなりの人の数がありました。

のぞみ53号も広島駅で数人が乗車、下車。
そして列車は発車、また一路終着の博多駅を目指します。
流れる光 元々乗車している人が少ないことに加え、時間が時間もあって寝ている人が多かった車内は、列車が走る音だけが響き渡ります。

人の声がない車内から、無心で外の景色をぼんやりと見ていると、どこか普段の日常生活から脱して、自分だけのひと時を過ごしていることを実感します。

煩わしいことばかりの日常生活から脱して、自分だけのひと時を過ごす・・・。
これは、「鉄道が好きだから」ということ以外に、こうして旅をする理由の一つでもあります。
新山口駅 新山口駅に停車。

以前は小郡駅の名で、のぞみ号も停車していませんでしたが、2003年10月のダイヤ改正を機に駅名改称と同時にのぞみ号が新規停車。

最速達種別であるのぞみ号が、こうして停車駅を増やすと、その速達効果は薄れてしまいますが、元々所要時間では航空機に太刀打ちできません。
それゆえ、こまめに停車して空港から遠い人々にも都市圏へのダイレクトなアクセスを提供することが、今は新幹線の持ち味になっています。

その持ち味を発揮させるためには、通過することによるたかだか5分の速達化よりも、こまめな停車をする方が良いのかもしれません。
レールスター? そして向かい側の上りホームには700系E編成ひかりレールスターが。

・・・と思いましたが、これはこだま号でした。早朝深夜は、普段はひかり号で運用される700系E編成がこだま号として走る場合があります。
小倉駅到着 新山口駅を出て、厚狭駅、新下関駅を通過。
そして新関門トンネルを走り抜けると、そこはもう九州。新関門トンネルを抜けてからしばらくすると、下車駅である小倉駅に到着。

のぞみ53号をここで下車し、次の列車へと乗り換えます。
駅名標 駅名標。

小倉駅も在来線こそJR九州が管轄しておりますが、山陽新幹線はJR西日本が管轄しているため、駅名標もJR西日本様式の濃い青を巻いたものが見られます。

こうして九州に初上陸。ただ、岡山駅から新幹線で一気に来てしまったため、「辿り着いたぞ!」というような達成感はありません。
東京駅からなら富士号やはやぶさ号、岡山駅からなら彗星号などでもあれば、在来線をじっくり時間をかけて走って九州に辿り着けるので、それなりの達成感はありそうなのですけれども・・・。

新幹線ではそうした旅情が今ひとつ感じられないのが残念です。
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