◆2月24日◆
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 快速エアポート号で11:32に札幌に到着し、47都道府県を一気に駆け巡る旅は完結を迎えました。本来であれば、札幌駅でじっくりと時間をとって、その余韻に浸りたいところでしたが・・・、余韻らしい余韻を味わうこともなく、12:15発の特急北斗12号に乗車します[①]

 今回、ここで特急北斗号に乗ったのは、2018年3月のダイヤ改正で、キハ183系が北斗系統の列車から退き、函館〜札幌間を走る全ての定期特急列車が”スーパー北斗”になるためでした(結局、その後、2020年3月のダイヤ改正で、北海道を走る全ての特急列車から「スーパー」の冠が外れた)。一種のお名残り乗車につき、ここではグリーン車を選びました[②]

 平和を通過すると、列車は函館本線から分岐して、千歳線に入ります[③]。次は高架の新札幌ということで、線路も高架線になります。千歳線は、JR北海道で唯一の全線複線電化路線であり(空港支線部分を除く)、JR北海道にとっては、高規格な基幹路線です。

 ちょうどお昼時なので、ここで札幌駅で購入した駅弁を食します[④] [⑤]。苫小牧までの所要時間は46分なので、駅弁を食べるくらいの時間は十分にあります。今回は「鮭めし」なる駅弁を選びましたが、冷たくても問題にならない(まずくない)のは、海鮮系の駅弁の良いところです。まあ、せめてご飯は温かい方が良かろう、と言われたらその通りですが・・・。

 キハ183系の北斗号に連結されていたグリーン車は、床が高いハイデッカー仕様となっているだけでなく、側窓が天井部分まで回り込んでいて、何よりも、その見晴らしの良さが自慢です[⑥]。北斗号からキハ183系が退いた現在は、このグリーン車は、石北本線の特急列車に連結されていて、列車速度の低さ(石北本線は高速化をしていない)を補う魅力のひとつなっています[⑦]

 グリーン車の座席についての説明[⑧]。JR北海道は、以前はグリーン車に力を入れていて、その最高結晶とも言えたキハ283系のグリーン車は、電動カーテン/リクライニング/レッグレスト、足置き、AVサービス、読書灯、可動式枕等を備え、更にグリーン車サービス(飲み物の提供等)までありましたが、今はグリーン車サービスは全廃されたほか、座席も、この座席のような平凡なものになりました。

 千歳を通過します[⑨]。北斗系統の特急は、基本的には千歳を通過し、南千歳に停車しますが、2019年3月のダイヤ改正より、下り最終の北斗23号が、”南千歳を通過して千歳に停まる”という停車駅設定に改められました(23時台という遅い時間であり、もはや南千歳での空港連絡も石勝線方面連絡も必要ない時間帯であるため)。

 南千歳を出て、石勝線と分かれます[⑩]。すると、ほどなくして、新千歳空港の敷地が見えてきます[⑪]。知っての通り、新千歳空港駅は地下駅であるため、ちょうどこの真下に鉄道が乗り入れているというわけですね。

 植苗を通過[⑫]。ひとつ手前の美々は、2017年3月のダイヤ改正で廃駅となりました。ホームの端は板張りの構造によって延長されていますが、除雪はきちんと行き届いているようで、雪は積もっていません。冬の北海道の鉄道では、除雪にかかる費用は、甚大なものとなります。

 下車駅の苫小牧に到着しました[⑬]。グリーン車は、ハイデッカー構造となっているため、乗降口にも階段があります。


















 グリーン車の車体は、2階建て車両級の大きさとなっていて、その大柄な外観は、かつてのキサロハ182を思い起こさせます[①]。あの車両も、付随車ではなく、走行用の機関を搭載していれば、また違った運命を歩めていたのではないかという気がします。先ほども触れましたが、窓は車両肩部まで回り込む大きなもので、見た目にも美しいものがあります[②]

 この列車の名前は、特急北斗号です[③]。2018年3月のダイヤ改正では、北斗系統の定期特急列車からキハ183系が退き、全ての定期列車が「スーパー北斗」となることが話題を呼びましたが、その2年後、逆に全ての列車の愛称が「北斗」に戻り、かえって”スーパー北斗”の方が懐かしい存在となってしまいました。

 日高本線仕様のキハ40系[⑤]。苫小牧では、日高本線と接続していますが、鉄道で運転されているのは鵡川までの30.5kmで、残りの116kmはバスによる代行輸送となっています。現状、バス代行輸送区間を廃線とし、正式にバスに転換することがほぼ本決まりとなっていますが、そうすると、今後は、苫小牧〜鵡川間の存廃が議題に上がってくるでしょう。

 雪もなく、とても歩きやすいホーム上[⑦]。融雪剤が撒かれていますね。今日の苫小牧の積雪は30cmですが、平年(2月24日)は11cmらしいので、”苫小牧としては”よく積もっているようです。

 改札口の様子[⑨]。見づらいですが、自動改札機が導入されています。長崎からの乗車券(補充券)は、札幌で打ち切らずに稚内まで購入しているので、やはり自動改札機には縁がありません。なお、この後は岩見沢に向かいますが、千歳方面から来て苫小牧で改札を出るためには、沼ノ端〜苫小牧間の精算が必要となります(分岐駅通過の特例を放棄)。

 駅前の様子[⑩]。この北口は、市街地とは反対側なのですが、タクシーはそれなりの台数が待機しているようです。駅前のロータリーのみならず、奥の方の道路上にも、客待ちのタクシーがいます。

 苫小牧駅のツインクルプラザは、2018年3月をもって閉店となりました[⑫]。以前は、中規模駅にも店舗を構えていたほか、東京や大阪、仙台にも店舗がありましたが、合理化策の中で、それらは全て閉じられました。2020年4月現在でも残存しているのは、札幌・旭川・帯広・釧路・函館の5地区と、本当に主要な駅だけに絞られました。

 石勝線でのトラブルによる代行輸送を知らせる掲示[⑬]。札幌〜釧路間の途中が不通になると、その両側で臨時特急を走らせるためには、それぞれの側で編成が必要になるわけですが(1編成が直通できないため)、そこをすぐにやりくりして当日中に何とか札幌〜釧路間を繋ぐにあたっては、それなりの苦労もあったのではないかと思います。



















 室蘭本線の普通列車に乗車し、岩見沢を目指します。車両はキハ40系ですが、ご覧の通り、室蘭本線仕様(優駿浪漫号)の車両が充てられています[①]。日高本線が鉄路で通じているのが鵡川までとなり、日高本線における所要車両数が減ったので、他の路線でアルバイトをしている、といったところでしょうか?

 沼ノ端を出てしばらくすると、千歳線と分かれて、引き続き室蘭本線を進んでいきます[③]。長万部〜岩見沢間を結ぶ室蘭本線は、長万部〜沼ノ端間は、特急北斗号が通過し、函館〜札幌間を結ぶ主要幹線ルートを形成する一部となりますが、沼ノ端〜岩見沢間は、普通列車しか走らないローカル線的な区間となります。

 追分駅の手前で、石勝線の線路と合流します[④]。この場所では、室蘭本線が複線となっているため(現状の輸送量を見ると、いったいなぜ?とも言いたくなりますが)、都合3つの線路が走ります。追分では、石勝線と接続していますが、同線の列車と室蘭本線の列車との接続は、特に考慮されてはいません[⑤]

 二重窓構造をとる北海道のキハ40系[⑥]。冬は、内側にある2枚目の窓によって断熱を図る一方で、1枚目も2枚目も開閉が可能であるため、夏は窓を開け放って涼風を取り入れることができます(北海道のキハ40系は、基本的に非冷房のまま)。夏に北海道でキハ40系に乗り、酪農地帯で窓を開けると、絵に描いたような「北海道の爽やかな夏」を体験することができます。

 三川に到着[⑧]。稀府から続いてきた複線区間は、ここでいったん終了となります。室蘭本線にある白老〜沼ノ端間の直線区間(約28.7km)は、”日本最長の直線区間”であるとされますが、追分〜栗丘間にも、約18.7kmに渡る長い直線区間があります。もっとも、沼ノ端〜岩見沢間の最高速度は85km/hで、なにぶん車両もキハ40系ですから、豪快な走りを堪能できるというほどにはならないのですが。

 栗山に着きました[⑨]。その次は栗丘[⑩]、そして栗沢と[⑪]、”栗”を冠する駅が3つ続きます。連続した駅ではありませんが、特急カムイ号とライラック号の停車駅は、札幌・岩見沢・美唄・砂川・滝川・深川・旭川であり、”川”がつく駅が4つ連続します。

 ホームに置かれていた除雪機[⑫]。冬の北海道においては、例え需要が少なそうな駅であっても、ホーム上の除雪が放棄されることはなく、乗客の乗り降りに支障が出ないよう、適切に管理がなされます。小さな無人駅であっても、事務室を備えた駅舎がある場合は、冬期には、そこに除雪要員が詰めることもあります。

 電化された線路が見えてくると、まもなく終点の岩見沢です[⑬]。苫小牧からは1時間23分の道のりでした[⑭]


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