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 「層雲峡温泉 朝陽リゾートホテル」[①]。ビジネスホテルを友とし、ホテル=夜明かし場所、という割り切りをしている私にはとても似合わないような(「お高い」という意味で)素晴らしいホテルが、今夜の宿です[②]。そして、2月7日に沖縄で1泊目をして以来、20泊連続となったホテル転戦生活の最後を飾るホテルでもあります(明日はいよいよ”本当の最終日”!)。

 いきなり場所が飛びましたが、結局、大雪3号は、旭川発車時点では12分だった遅延を増大させ、バスの発車時刻である18:00を過ぎてから上川に着きました。それでも「バスは大雪3号を接続列車として、発車を待ってくれているかもしれない」という期待を胸に、勇んでバス乗り場に向かったのですが、そこにお目当てのバスはありませんでした。

 まあ、冬の北海道なので、列車の定時性をあまり当てにしてはいけないのは分かっていましたし、JRの列車とバスは接続を取り合うものではないというのも分かってはいましたが、「12分の遅れで行けば、17:56に上川に着くし、バスには乗れるはず」と思っていただけに、この展開には萎えました。誰に怒ってもしようがないのですが・・・、あの日、上川駅で謎の雄叫びを聞いた方。犯人は私です。

 バスであれば870円で済む上川〜層雲峡間を、タクシーに乗って6,360円で移動するという、もう思い出すだけでも腹立たしい事実を乗り越えて、私は朝陽リゾートホテルにやってきました。「リゾートホテル」を名乗り、決して安価とはいえない宿泊料金というだけあって、部屋はこの広さ[③] [④]。1人が1泊するのには過剰ともいえるものです。

 洗面所とシャワー室はそれぞれ独立していて、別個になっています[⑤] [⑥]。「層雲峡温泉」を冠するということで、ホテルとしては温泉を使ってもらいたいということなのか、バスはついていないようでした。便所ももちろん独立していて、これのみで1つの個室が与えられています[⑧]。バス(シャワー)・トイレ別の快適さは、使ってみると身に染みて分かるものです・・・。

 夕食会場にやってきました[⑨]。普段は、夕飯にはコンビニ飯を愛でるこの私も、「せっかくリゾートホテルに泊まるのだから、さすがにコンビニ飯はないだろう」という思いは持っていて、今回は夕・朝食付きのプランを選択しました。

 好きなものを盛りたい放題に持った結果がこちら[⑩]。あ、右上の飲み物は、リンゴジュースです。ウイスキーの水割りではなく(笑)



















 今回、稚内から飛行機で帰るのでもなく、サロベツ4号からそのまま旭川で泊まるのでもなく、わざわざ上川、それもバスやタクシーで行かなければならない奥地の「層雲峡」までやってきたのは、これが目的でした。層雲峡で毎年度冬に開催される恒例行事、「層雲峡氷瀑まつり」です[①]。「これのために腰を上げて北海道に行くのは、なかなか難しいだろう」ということで、今回の”おまけ”内に組み込みました。

 今日は平日月曜日ですが、まずまずの人出です[②]。もっとも、ここに見えている人のうちのどれだけが日本人なのかは、定かではありませんが。夜のライトアップ時間に入ると、会場は七色の光でライトアップされ、雪像は幻想的な雰囲気を強めます[③]

 氷で作られた建造物の内部に入り、上を見上げてみると、そこには何本もの氷柱が[④]。人工的に削り出したにしても、自然と出来上がったにしても、細いものから太いものまで、様々な姿を織り成している何本もの氷柱が迫りくる様は、芸術的です。

 氷のトンネルは、単に穴を開けて人が通れるようにしただけではなく、内壁の形にも工夫を凝らしています。そしてそれがライトアップによって照らし出されることで、雪という単一の材料から作り出された”建造物”であるにも関わらず、何かもっと生き生きとしているような、あたかも命を吹き込まれたかのような雰囲気を漂わせています[⑥]

 ”展望デッキ”から、会場を見渡します[⑦]。夜間ライトアップによって「白」以外の色を得た雪は、またとない白さ=何色にも染まることができるという特性を最大限に活かして、来場者たちを楽しませています。場所が場所、知名度が知名度なので、「小ぢんまりと」している感はありますが、おかげで、のんびりと見て回ることができます。

 今晩の層雲峡の天気は、晴れです[⑧]。満月が出て、星々も見えています。「いや、そうはいっても、ここからいつの間にか大雪に・・・」というのが、もう”お約束の”流れだったはずが、この日の夜は、不思議と天気が非常に安定していて、結局雪には見舞われませんでした。それどころか、曇ることすらもなく、会場は、最後まで美しい夜空の下にありました。

 氷の建物で営業する酒場、「北の氷酒場」[⑩]。後で知ったのですが、この施設は、会期中でも、土日のみしか営業していないとのこと。後で氷瀑まつりの会場に行くことも考えて、夕飯はノンアルコール(リンゴジュース)でやり過ごしたので、いよいよ飲酒しても良さそうなところではありましたが。サッポロクラシックでも開けたかったですねえ〜。

 「氷瀑神社」[⑪]。鳥居は、さすがに氷製ではないようですね・・・。”神社”ということで、中では、当然お賽銭ができるのですが、層雲峡氷瀑まつりにある氷瀑神社では、普通に小銭を投じるのではなく、小銭を中にある雪像や神社の内壁に貼り付けるのが習わしのようです[⑫]。面白いといえば面白いですが、回収が面倒くさそうです。



















 雪像や建造物を制作している様子を収めた動画を放映しているエリア[①]。もっとも、閑散としていましたが。一方、私はというと、動画の内容そのものよりも、この”ぬめり”を持つほどに磨き上げられた内壁に関心が行ってしまいました[②]

 JTBの協賛によって建造された「JTB神社」[③]。氷瀑神社と同じく、お賽銭ができる神社ですが、ここにある氷像は、鷲を象ったものとなっていて、なかなかカッコイイです[④]。ただ、どういうわけか、残念ながら、お賽銭がなされている量(小銭の枚数)は、氷瀑神社と比べると、圧倒的に少ないものでした。JTB神社、何か気に入らない要素があるのでしょうか・・・。

 「氷の滑り台」エリア[⑤]。ライトアップによってカラフルに照らされた滑り台を、ゴムチューブを用いて滑っていきます。誰か連れがいれば、これをやっても全く恥ずかしいことはないと思いますが、一人旅の成人男性がこれをやっていたら、何かと笑いの種になりそうなので、控えておきました。この写真に写っているのも、みんな親子連れですし・・・。

 氷像で再現した東京の街並み[⑨]。浅草の象徴ともいえる、いわゆる「アレ」が再現されていました。しかし、分かる人には分かるはず。「アレ」は、金色であるからこそ意味があるのだと! まあ、氷ならではの透明感も悪くないですけれどもね。

 氷で作られた東京スカイツリー[⑩]。なかなかの再現度です。このスカイツリーは、作りがなかなか凝っていて、実物も様々な色を纏うように、一定時間ごとにライトアップの色が変わるという仕様になっていました。その付近を通る高速道路は、色は固定(緑色)ですが、車線のスジボリまで入れてあるなど、その再現性に高さには、抜かりがありません[⑪]

 会場は22:00で閉まり、もうだいぶそれに近づいてきたからか、来場客の姿がまばらになりました[⑫]。札幌雪まつりや旭川冬まつりが、会期が非常に限定的(2月上旬)であるのに対し、層雲峡氷瀑まつりは、毎年1月下旬〜3月中旬まで開催と、会期がかなり長めに設定されています。そのため、1日に多くの人が集中するということがないようです。

 札幌雪まつりと旭川冬まつりが入場無料であるのに対し、こちらは「協力金」として300円が徴収されます[⑬]。まあ、たかが300円ですから、まるで問題にはなりません。それで祭りが永続的に続くのならば、私は1,000円でも良いと思いました。


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