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 今日は、稚内13:01発の特急サロベツ4号に乗りますが、宿のチェックアウト時刻は9:30と定められているので、宿に長居はできませんでした。また、チェックアウト後、宿付近でできることにも限りがあります。そこで今日は、宿をやや早めに発ち(といっても、8:29のバスですが)、まだ訪れたことがないノシャップ寒流水族館に行くことにしていました[①]

 真冬の月曜日ということで、客足もまばら[②]。一般的に、観光施設は、月曜日は休みになっていることも多いかと思いますが、ここは月曜日でも開いていました。その代わり、夏期間と冬期間が入れ替わるとき(4月初め〜GW前)と12月・1月は、連続して休館となります。

 ペンギン[③]、そしてカニ[④]。あいにく、私は海洋生物の専門家ではなく、またこれといって興味があるわけでもないので、サラッと流していくことにします(笑) ちなみに、先ほど「客足もまばら」と書きましたが、当水族館は、もともと入館者が少なく、その年間入館者数は、日本動物園水族館協会加盟のところとしては全国最下位となっています[⑤]

 もはや名前も覚えていませんが、お魚たち[⑥] [⑦] [⑧]。規模は小さめとはいえ、水族館を維持・運営していくとなれば、相当な費用が掛かるはずですが、よくよく考えると、よく稚内市くらいの都市規模で、年間入館者数が最下位でありながら、市立水族館が成り立っているものだと思います。ただし、これは逆に「公営だから成り立っている」とも考えられます(もし民営なら、とてつもない入館料になるでしょう)。

 フウセンウオは、崖の上のポニョのモデルになった魚と言われています[⑨]。”フウセンウオ”という魚は、これよりも上位の階層になる「ダンゴウオ科」の魚類のうちの一種なのですが、ダンゴウオという名称は、あまり一般的ではないでしょう。

 屋外では、アザラシが飼育されていました[⑫]。目を閉じていればかわいいですが、開けていると、なんか・・・。非常にずんぐりむっくりな体形に、想像以上に短い手足。水中を泳ぐ分には、これでいいのでしょうが、陸上を這って移動するとなると、結構大変そうです[⑬]。顔から身体に至るまで、その形状はまさしく流線型であり、水中を滑らかに泳ぐことができる理由が垣間見えます[⑭]



















 さて、ここは稚内駅[①]。「日本最北端の線路」の終端となる場所です[②]。以前は、ここから始まる線路をずっと辿っていけば、本当にそのまま1条の鉄路をなぞって全国各地まで行くことができましたが、北海道新幹線が開業したことにより、それが不可能になりました(函館本線⇔新幹線⇔奥羽・青い森のところで、旅客移動では、どうしても物理的に線路が繋がらなくなる)。

 稚内行きの普通列車が到着しました[③]。この列車は、旭川6:03発の、宗谷本線下りの一番列車で、途中で列車番号を変えながらも、旭川〜稚内間を通しで走る列車です。走行距離は300km弱ほどで、その所要時間は6時間を超えます。

 稚内駅の駅舎は、2011年に完成した新しいものです[④]。この新しい駅舎は、鉄道駅としての機能だけでなく、売店、飲食店、観光協会、果ては映画館や高齢者住宅までを持ち合わせた複合施設であり、「キタカラ」という愛称を与えられています。鉄道駅の機能以外も持つというよりも、むしろ”鉄道駅としての機能もある”くらいの方が正しいかもしれません。

 駅にはちょっと早めに戻ってきたので、ここで薬局に行ってくることにしました[⑤]。どうも今朝、宗谷岬の丘の上から日の出を見ようと試みて以降、鼻水が止まらなくなり、典型的な風邪の症状に見舞われています。「まあ日の出を見るだけだし」と思い、比較的薄着で行ったくせに、結局「ここまで来たら、なるだけ粘ってやる」と長居してしまったのがいけなかったのかもしれません。

 駅舎の外に車止めが置かれています[⑦]。これはいったい何でしょうか[⑧]。実は、現在の駅舎に改築される以前の稚内駅では、その車止め(線路の終端)は、ここにあったのです。新駅舎の開業に伴い、線路の終端位置も変わったのですが、”当時の記憶を継承するもの”として、2012年3月、車止めと線路が、当時の位置に復元されました(雪で見えませんが、線路もここまで来ています)。

 すっかり小奇麗になった稚内駅[⑨]。もっとも、改築以前の古い駅舎の時代には、私はここを訪れたことはないのですが・・・。現在の駅舎は、先ほども述べたように「複合施設」となっていて、道の駅としての機能も持ち合わせています[⑩]

 特急サロベツ4号は、13:01の発車です[⑪]。その次の列車は、4時間45分空いて、特急宗谷号です。サロベツ4号は、下りの宗谷号の折り返しとなる列車ですが、その宗谷号が18分遅れているとのこと[⑫]。昨日と比べれば、遅延時分は少なめですね。13時ごろにもなると、サロベツ4号に乗る乗客が改札口に集結し、改札待ちの列ができました[⑬]

 改札が開始されたので、私も中に入りました[⑭]。特急サロベツ4号に乗り、終点の旭川を目指しましょう。
















 折り返し作業を速やかに終え、列車は、7分ほどの遅れで稚内を出ました。しかし、行き先設定等が正しく行われないままに発車してしまったのか、列車が稚内を出た後も、車内の情報表示器には、「終着 稚内です。」との文言が繰り返し流れていました[①]。あら、そうこう言っているうちに、列車は次の南稚内駅に到着してしまいました[②] [③]

 稚内駅で調達しておいた駅弁(昼食)を、ここで食べましょう[④]。「牛帆立弁当」と題されたこの駅弁は、文字通り、牛肉と帆立を盛り込んだ内容となっていて、案外ありそうでない「肉と魚介類の組み合わせ」となっています[⑤]。大人になってから帆立のおいしさに目覚めた人間なので、この内容は、私にとっては、好きなものを詰め込んだものと言えます。

 抜海を通過します[⑥]。宗谷南線は、高速化工事が施され、120km/hでの運転が可能ですが(以前は130km/h)、宗谷北線は、以前からの古い造りのままとされたため、最高運転速度は95km/hに制限されています。また、一線スルー化等もされていないので、キハ261系のせっかくの性能も持て余し気味。各駅の通過速度も遅いです。

 人口希薄地帯を通過する宗谷北線では、携帯電話の電波が入らなくなってしまうことは、珍しいことではありません[⑦]。新幹線では、トンネル内でも通信が可能となるように整備が進められている一方、この現代であっても、屋外(というか、大地・・・)でありながら携帯電話が使えない場所が存在しているのです。不便と思う以上に、その事実に興味を惹かれます。

 雪道を進んでいきます[⑨]。この冬は、宗谷本線も雪害が多く、列車の運休等も多発していたようですが、サロベツ4号も、発車時刻の遅れこそあったものの、何とか運転に漕ぎ着けてよかったです。何も考えずに「ここまで来たら最北端だろ」と言って、昨日今日で稚内・宗谷岬を訪れてきましたが、季節を考えると、結構な”ギャンブル”だったなと思います。

 秘境駅として扱われることもある下沼駅[⑩]。駅舎(車掌車)を雪が飲み込むのか、というくらいに、雪が積もり上がっています。こういった駅は、冬期は、車での来訪も困難になる一方で、鉄道も当てにならなくなるので(現に、例えば2月24日は、音威子府〜稚内間の普通列車は終日運休でした)、平穏無事に来訪を完遂する難易度は高まります。

 下沼を通過すると、次は幌延です[⑪]。さて、ここで私は、やおら立ち上がって・・・。


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