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 まもなく郡山に到着するというその手前で、列車は急制動をかけて停車してしまいました。列車は既に郡山駅の場内に入っていて、踏切の無理な横断があったというわけではないはず。その原因や理由についての車内放送は一切入らず、10分以上に渡ってその場所に停車したのちに列車は運転を再開し、結局、カシオペア号は13分遅れで郡山に到着しました[①]。何であれ、その理由くらいは教えてほしかったものです。

 郡山駅の発車標では、このカシオペア紀行は「団体」と案内されていました[②]。しかし、例えば、特別なトワイライトエクスプレス号のときは、始発駅である下関駅においては、臨時 トワイライトエクスプレスと表示されていました。例え列車名を表示したとしても、2段目でこの列車は団体専用である旨を知らせれば、誤乗を防ぐことはできるはずですから、カシオペア紀行でもそうしてもらいたいと思います。「団体」では味気ない。

 カシオペア号は、約14分遅れで郡山を発車しました[③]。次の停車駅は大宮です。そして、東北本線の線路を南に向かって進んでいくと、列車は郡山車両センターの脇を通過し、そこでは、651系や415系1500番代など、私にとっては非常に「懐かしい」車両群と出会うことができました[④]。651系の方は分かりませんが、この415系は、廃車解体のために12月27日に回送されてきたばかりの編成だったようです[⑤]

 その後、郡山貨物ターミナル駅を過ぎたあたりのところで、遠くに見える新幹線の高架橋を、盛岡行きのはやぶさ101号が通過していきました[⑥]。写真にはE6系が写っていますが、仙台・盛岡発着のはやぶさ号においては、E5系+E6系の17両編成全てがはやぶさ号として(=はやぶさ+こまちでない)運転される列車もあります。ちなみに、このはやぶさ101号は、なんと仙台〜盛岡間は各駅停車です。













































 乗り込んだ直後に個室についての紹介をした後は、カシオペアデラックスについての写真や話がほとんど出てきていないため、つい忘れかけてしまっていることですが、このカシオペアデラックスは、設備的には3人での利用にも対応しています。ただ、そういえば、カシオペア紀行では、1人利用のプラン(かなり割高)は、あっても、3人利用のプランは見たことがないような気が・・・。

 3人目用のベッドは、我々がこれまで対面式のソファーとして使っていたものを変形することによって設えることができます[①]。組み立て方は実に簡単で、力もいりません。壁にあるテーブルを格納した後は、座面の下にあるハンドルを引っ張ることで座面を引き出し[②]、そしてマジックテープが固定されている背もたれを外し下ろせば、それでベッドは完成です[③]。あとは寝具を整えればOK。

 黒磯駅の手前で、東北新幹線の上り列車・やまびこ/つばさ128号がカシオペア号を追い越していきました[④]。新幹線の圧倒的な速さというのは、駅や道端でその通過シーンを眺めるときよりも、「こちらがいくら頑張っても敵わない」という点で、在来線の列車に乗っていて追い越されるときの方が、より強く感じられるような気がします。なお、”シルバーボディ”が特徴だったつばさ号用のE3系は、全ての編成が新しい塗装に衣替えしました[⑤]

 あくまでもイメージですが、東北新幹線というのは、他の新幹線と比べても、線路が既存の在来線のすぐそばを通っているという区間が多いような気がします。それゆえ、そこには新幹線の駅はないにも関わらず、新幹線の高架下に在来線の駅がある、という事例は、珍しくありません。黒磯駅もまさにその事例のうちのひとつで、すぐ脇を新幹線の線路が通過しているほか、駅舎は高架橋と一体化しています[⑥]












































 自室に籠もっているのにも飽きてきたので、ふらっと12号車のラウンジカーにやってきました[①]。この先には、機関車交換のような、取り立てて面白いイベントは特にありませんが、ラウンジカーは満席となっていました。五稜郭や青森のときよりも人が多いです。そこにいる人たちの平均年齢はだいぶ高そうで、「ああ、機関車交換のときは起きていられなかったんだな」というのがなんとなく伝わってきます。

 鉄道ファンからの人気も高いEF81-95号機が起用されていること、そして今日が会社や学校はあらかた休みになっているであろう12月31日であること。しかも、天気も悪くない。これらの要素から、「有名撮影地には多くの”放列”が展開しているに違いない」と考えていましたが、案の定、その予想は的中しました[②]。居並ぶ人々、カメラ、そして車。しかし、カメラ代も、車代も、ガソリン代も、実は鉄道会社の利益には全く繋がりません。

 五稜郭〜青森間を除いては、上り列車では、12号車のラウンジカーが最後尾になります。そのため、1室しかない最高級個室・カシオペアスイート(展望室)の乗客以外も、ほとんどの区間において、後ろに流れゆく車窓を楽しむことができます[③]。展望スイートならば、このようなことを、誰にも邪魔されずに心行くまで楽しめるのかと思うと、やはり1度は乗ってみたいと思わされます。是非、”響”のロックを片手にして。

 氏家で小山・高崎行きの普通列車を追い越しました[④]。2016年3月のダイヤ改正以前には、そのような長時間停車はなく、同改正で設定(2017年3月の改正で列車そのものが廃止)されたため、カシオペア紀行のためにわざわざ設けられた長時間停車のようです。今日は運転日ですが、非運転日は、通過待ちや列車交換もないのに10分ほど停車するわけで、乗客からすれば「?」だったことでしょう。

 宝積寺〜岡本間で鬼怒川橋梁を通過します[⑤]。ここも比較的有名な撮影地のようで、カシオペア紀行目当てと思しき撮影者の姿も散見されました。人が集いそうな撮影地は、これから先の区間にもたくさんありますから、この先も多くのカメラに”歓迎”されてしまいそうです。



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